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事業承継・第二創業研究会(第2回) 議事要旨

 

1.日 時:平成13年6月20日(水)13:30〜15:30

2.場 所:経済産業省 国際会議室(本館17階西3)

3.出席者: (敬称略、五十音順)
井田 敏    全国商工会連合会専務理事
大野 正道   筑波大学教授
岡部 喜代子  東洋大学教授 弁護士
金子 和夫   国民生活金融公庫理事(代理 原口氏)
菅野 利徳   全国中小企業団体中央会専務理事(代理 橋本氏)
倉島 光一   株式会社倉島商店代表取締役会長
幸山 守    公認会計士 幸山守事務所
品川 芳宣   筑波大学教授
篠原 徹    日本商工会議所常務理事
殿岡 茂樹   中小企業総合事業団理事
鳥飼 重和   鳥飼総合法律事務所 弁護士
中田 輝夫   株式会社ナカタ代表取締役専務
西田 晴彦   関西美術印刷株式会社専務取締役
平川 忠雄   平川税務会計事務所 税理士
山田 昇    株式会社山七食品社長
山本 幸治   全国青色申告会総連合専務理事
若泉 征也   全国法人会総連合専務理事

4.講 師:
大西 正曹   関西大学社会学部教授 
川村 耕太郎  東京商工会議所常務理事
三宅 卓   株式会社日本M&Aセンター専務取締役 

4.欠席者:
大淵 博義   中央大学教授
作田 頴治   中小企業金融公庫理事
三木 義一   立命館大学教授 (敬称略、五十音順)

5.議 題:
(1)開 会
(2)説明者の紹介
(3)説明及び討議
○中小企業のM&Aの現状について
○中小企業の事業承継とM&Aについて
○第二創業について
(4)次回の検討スケジュールについて
(5)閉会

6.議事の概要
(1)説明
○中小企業のM&Aの現状について、東京商工会議所常務理事 川村耕太郎氏から説明。
○中小企業の事業承継とM&Aについて、日本M&Aセンター専務取締役 三宅 卓氏から説明。
○第二創業について、関西大学社会学部教授 大西 正曹氏から説明。

(2)議事概要
[M&Aについて]
○倒産や会社清算を行うには非常にコストがかかる。M&Aなどの方法で事業承継をした方が有利なケースも多い。
○M&Aでは、早期にしかるべき者に相談することが重要である。実際は相談のタイミングを逸して、手遅れになってしまうことが非常に多い。
○相談のタイミングが遅い原因については、「M&Aの普及啓発が遅れていること」もあるが、より本質的には、「自分の息子が戻って事業を継いでくれるという淡い希望があること」もあるのではないか。そう考えると、なぜそこまで息子に事業を継がせたいのかが重要な問題。おそらく、会社の財産と自分の財産との区別がないため、会社を自分の財産と同一視して継がせたいと思うのだろう。しかし、そうは言っても、2代目、3代目が必ずしも企業経営に適していなかったり、承継を希望していなかったりすることも多い。このために、次第に事業承継が上手くいかなくなってきているということではないか。  とすれば、自分の財産の相続と事業の承継とを分離していくような意識改革や制度整備を考えることが必要。同じように後継者が不足している農業や職人の世界では既にそのような取組も行われている。
○M&Aの交渉においては、迅速に行わないと売り手側の財務が悪化していく場合がある。
○仲介者が入るか否かで売買価格は大きく異なる。特に売り手と買い手の間で見解が分かれるのは営業権の評価であるが、大企業同士の場合には売り手側に仲介者がついて色々と理論構成し、値段が高くなることも多い。しかし、中小企業の場合は仲介者もたてずに交渉を行い、買いたたかれることが多い。交渉に当たって公正な評価をする仲介業者の役割は大きい。
○ 中小企業のM&Aでは、殆どの場合、社長の個人保証が付いているが、一定期間内にそれは外すことを契約書で約束してもらうのが普通。また、仲介業者への対価は、総資産額に一定割合を乗じて算出するのが通例で、保証を外すこと自体の対価はとらない。
○社長が会社へ資金を貸していた場合は、成約時点で基本的に社長に返済する。しかし、救済型に近いM&Aの場合、債権放棄という形で社長に諦めてもらう場合もある。

[自社の見直し・適正な評価について]
○企業の経営者が裸になって自分を見極めることをしていない。神戸のように震災で設備がだめになってしまう等追い込まれた場合には、過去に引きずられることがなくなり、自分を見つめ直して新たな事業にも向かえるようになる。日本の多くの企業は知恵を出し尽くしていない状況にあるのではないか。
○既存の集積地に新たな発想が出ないのは、経営者にぬるま湯的な意識があり、「何とかなるだろう」という考え方があるから。「アセアンプライス」で、「急ぎ働き」や「利が薄いニッチの仕事」を何とか受注してやっているが、自らの技術や設備を見直す必要がある。最新鋭の設備を入れる必要がないわけがない。アジア諸国からの製品輸入は増加し、日本から企業が出ていって再び戻ってこない状況となっているので、早急な対処が必要。
○特別な技術を持っていると自己認識することによって、現在の技術におぼれてしまっている。このため、異なった業界との交流・融合を行って新たなものを生み出すというサイクルが止まってしまっている。
○客観的にも正確な中小企業の評価が必要。取引先側の評価が低いのも問題。個々の企業は単純な作業の中にも極めて高いレベルの技術をもって製品を出荷しているが、出荷される側はそれを当たり前と考えている。これは、評価基準がないことが原因。

[事業承継における問題点]
○事業承継に当たって、将来どうなると幸せなのかについては、個人と会社とに分けて冷静に考える必要がある。相続と事業承継に関して、事業者の相談に対応できるようなシステムが必要ではないか。税理士だけでは不十分。
○事業の能力のある社員に承継をするということも必要。しかし、いい会社であればあるほど社員は引き継げない。?株が高価で社員個人では買い取れない、?サラリーマン社長だと銀行が求める保証に応えられない、などの問題があるからである。MBOファンドは、こうした賃金ニーズに対応する仕組みとして有効。
○MBOを普及させるような仕組み作りも必要。

[後継経営者の教育]
○自分の子供に事業を継がせる際には、厳しい目で見ることが重要。他の企業で経験を積ませるなどの修行をさせることも一案。
○日米の経営には差がある。日本は儲けていないのに米国は非常に儲けている。日本では中小企業に関する教育の場が不足していると思う。利益を出せる優良な経営者を育成するシステムを国で考えてもらいたい。
○日本のビジネス教育は成功していない例が多い。実際の事業を経験することが必要。また、海外の人と競争するのだという意識が必要。

[その他]
○後継経営者が事業を立ち上げようとする際、先代経営者の成功体験が余りに強いと、失敗をおそれて上手くいかないことが多い。
○第二創業を行うためには、企業に魅力があることが必要。中小企業全体を救済しようとするのではなく、魅力がない企業はつぶれても構わないという割切りも必要。日本経済の次なるジャンプのためには、やる気の有無にかかわらず全ての企業が存続することを目指すのではなく、ある程度の企業の淘汰も実際は必要なのではないか。   

本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、出席者各位の了解を得たもの ではない。

<次回の予定>  
日 時:平成13年6月27日(水) 14:30〜16:30  
場 所:経済産業省 国際会議室(本館17階西3)

<事務局>   中小企業庁企画課 廣瀬   電話:03−3501−1765  FAX:03−3501−7791