トップページ 公募・公開情報 研究会

中小企業再生の今後の政策的課題に関する研究会
(第5回)議事概要

日時:平成19年2月16日(金曜)16時〜18時
場所:東京商工会議所会議室
出席者
 【委員】
 松嶋座長、石塚委員、田辺委員、玉井委員、中村慈美委員、中村廉平委員、藤原委員、山口尚孝委員
 【中小企業庁】
 滝本経営支援課長、福本経営支援課課長補佐、高橋経営支援課専門官

  1. 開会
  2. 出席者紹介
  3. 報告書(案)説明
  4. 意見交換

【全国中小企業再生支援協議会事務局について】

  • 全国中小企業再生支援協議会事務局(以下、全国事務局)の陣容はどうなっているのか。(各協議会に対する助言、業務マニュアルの作成、既存案件の分析によるベストプラクティスの発見、ノウハウの蓄積と情報提供、適切な外部専門家の派遣、再生支援専門家の育成、全国連絡会議の開催、専門家団体との連携強化、等)これだけやるには相当の人がいないと動かない。
  • 過去に属していた組織では、本部は研修もするし、各支部の結果を見てあまりにひどいと指導していた。また、別の組織では、普段は各地域で事案を処理し、地域をまたぐ事案は本部が担当していた。本部は3名体制であったが、自ら事案も担当し、各地域の指導も行っていた。
  • 全国事務局は、各協議会専門家の人事的な措置が出来た方が良い。本部の専門家はずっと本部、地域の専門家はずっと地域では上手く機能しない可能性がある。
  • 銀行であれば各地に支店長を置き、人事権を本部が持つことで本部として牽制し、全国でのレベルを上げている。
    また、支店経験を積んだ者が本部に異動し、本部から支店に異動することが一般的で、それで一元的な管理を行っている。
  • 現状が望ましいと考える。今一番の問題なのは、各協議会間で支援内容に関するバラツキがあり、常駐専門家、外部専門家が不十分な所も一部にはある状況である。
    それをどう本部が支援するか。本部では無く、全国協議会が良い。
    各地域で企業の特性も異なり、上から指導をすると反発がある。東京に居る感覚で地方の再生支援を行っても上手く行かない。各地域の協議会で難しい案件があった場合には、要請があれば専門家を集めて支援するのが良い。
  • 某協会は各地にあり、理事長は一国一城の主である。全国組織があるが本部ではない。
    マニュアルを作成、配布するが、それはあくまでも参考例で、各協会は必要な修正をして、自らの意志で決定する。対政府の窓口になり、質問の受け答えをする。時には是正勧告も出し、統一性を維持させている。プロパー職員が居て、地方の協会からの出向者もいる。参考にすると良い。
  • 各協議会の話を聞くと、全国事務局の体制を整えすぎるのも難しい。ただし、各協議会が、他の協議会のことをあまり知らないことに気づく。全国事務局を設立したら、各協議会の常駐専門家同士の交流を活発化してほしい。一定期間、他協議会の案件を見るような機会を増やしていったら、全国的な底上げに繋がり機能していくのではないかと思う。
  • 全国事務局は、各協議会の常駐専門家の給与の管理までやったらどうだろうか。実態に合わせて、全国事務局経由で常駐専門家に対して直接払うとすっきりする。
  • 全国事務局には金融庁のホットライン的なものを検討したらいいと思う。協議会に相談し、その情報がメイン金融機関に行くのではないかという不安を抱く中小企業も多い。ホットラインで相談を受けて、適切に振り分けてもらうと相談しやすく、受け入れやすくなる。

【業務マニュアルの統一について】

  • 各協議会で対応がバラバラとの指摘への対策の一つとして業務マニュアルを作成することになった。財務DD、事業DD、事業計画、計画の評価など、最終的なアウトプットを揃えることに主眼をおく。これを関係者に示し、公表して行きたい。
  • 平成17年度税制を活用するための策定手順と、業務マニュアルが乖離する表現には注意した方が良い。
  • 税金は地方にいくと認識が不足している。わかりやすく書いた方がいい。

【協議会の案件処理期間について】

  • 処理期間が長いという指摘があるが、民事再生は5ヶ月、私的ガイドラインは3ヶ月とあるが、いずれも再生計画を策定している場合である。ゼロからやる協議会とは次元が違う。
  • 期間が長いということであるが、金融機関連名で合意するのには時間がかかる。半年や1年かかるのも多いだろう。メインの金融機関が納得すれば、その後は早い。民事再生でも申立までは時間がかかる。その後の処理が早いのは取引が少なくなり資金がショートするからだ。3ヶ月等処理期間が早いのは、調査がすぐ終わり、社長の了解もすぐに取れる場合に限られる。 

【協議会のフォローアップについて】

  • 協議会のフォローアップの役割としては、全ての金融機関が納得をして再生計画を策定した訳であるから、どのような形になっても支援をする必要があると考える。
  • もう再生が難しい段階になったら、法的整理への移行をアドバイスすることも役割だと思う。
  • フォローアップについての指摘や記述が多いが、そもそもフォローアップは金融機関の役割である。金融機関と一緒にフォローアップを行うべきである。

【専門家の育成について】

  • 事業再生人材の養成とあるが、事業再生人材だけでいいのか検討してほしい。
  • 各協議会は外部専門家の育成まではやらないのではないか。OJTでやるべきかと思う。
  • 先日ある地方都市で、士業が月5,000円で業務をしていると聞いた。専門家にはきちんと報酬を払う必要がある。ボランティアベースでは長続きしない。専門家を育成する上でも、きちんと報酬を払って、切れ味のいい専門家が腕をふるう環境、市場を形成するべきである。「フィーを払う文化」が必要だ。
  • 地方では、企業が支払うべきでは無いという考え方が強い。受益者負担(金融機関も受益者)の風土がない。
  • それだと、むしろ会社の発展を阻害する事になるのではないか

【協議会の方向性について】

  • 今後の協議会の方向性だが、ヒヤリング結果にあった認証ADRも視野にいれるべきだと思う。
  • 今国会で改正予定の産活法で認証ADRが盛り込まれている。協議会による債権者調整が不調に終わったときに、認証ADR機能があれば、裁判外調停を行うことも考えられる。私的整理手続の促進、プロジェクトファイナンスの促進につながる。
  • DIPファイナンスという言葉は法的整理に使う用語なので、正確にはここではプレDIPになるであろうが、運転資金の融資については金融機関ごとに基準があるはずだ。民間金融機関が何もしないで、政府系金融機関にのみお願いする訳にはいかない。
  • 守秘義務が万が一守られていないとしたら致命的である。
  • 協議会が携わった支援先について、3年以内に正常先に戻すというのを金融庁に認めてほしいというのは率直な希望である。しかし、RCCとはレベルが違うのではないか、とか東京協議会と某地域の協議会ではレベルが違うのではないかと指摘される。
  • 業務マニュアルもホームページに載せる等して、金融庁の理解を促してほしい。
  • 専門家、アドバイザーからのデューデリジェンスの調査報告書は必要最低限のものにした方が良い。詳しくて膨大なものは、中小企業者が利用できないし、理解できない。厚くなっているのは競っているからで、費用と時間と有効性を考えて、簡潔にしてもらった方がいい。
  • 分厚さは関係ない。弁護士からの1枚の報告書でも結構だと思う。事業計画は会社が考えて作成すればいいのではないか。
  • 某局管内のプロマネ同士はよく知り合っている。つきあいがブロック単位になっている。某局管内ではなっていないというが、ブロックでの連携を密にやるといいと思う。
  • 沖縄では再生支援セミナーの出席者に事業会社の人が多い。今までの活動により、事業再生という言葉が認知されている証拠である。他の地域でも、倒産寸前だけでなく前広に再生を捉えた方がいい。
  • 東京の弁護士が地方でやっても機能しない。ブロックごとに連携を強め、ブロックで専門家が支援するのがいいと思う。そこで解決が難しい特殊な案件については、東京の専門家が支援するのがいいと思う。
  • 協議会が主催をするが、再生という名称では無く、事業承継などと銘打ってセミナーを行うと、たくさんの企業が聞きにくる。ぜひ、このようなセミナーを全国でやってほしい。こっそり話を聞きたい企業がたくさんいる。 

【中小企業再生ファンドについて】

  • 再生ファンドはまだ47都道府県中13しか組成されていない。ぜひ、協議会が中心となって地域全体で組成してほしい。
  • 再生ファンドは、ある程度の経済規模がないと組成できない。経済規模が小さい地域では、対象となる企業が少ない。成長促進分野等では付き合うのに、再生に関してはノーコミュニケーションである。
  • ブロックごとでの組成、活用を促進したらいいと思う。
  • 例えば、某局管内では某地銀が全域に進出をしているが、そのような地銀が中心になってブロック型のファンドの組成などを考えることが望ましい。

  • 本日の指摘を踏まえ報告書を修正し、座長と調整して最終報告書にしたい。

以上

【問い合わせ先】
 中小企業庁経営支援部経営支援課
 電話:03−3501−1763(直通)