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新しい中小企業金融研究会(第4回)議事概要

  1. 日時:平成18年6月9日(金曜)10時〜12時30分

  2. 場所:経済産業省第1特別会議室

  3. 出席者:
    【委員】
    村本座長、池尾委員、大西代理(江口委員代理)、奥委員、樺島代理(北村委員代理)、佐藤委員、清水委員、瀬尾委員、鶴谷委員、戸田委員、中村委員、橋本委員、平木委員、星野委員、丸山委員、吉野委員、綿貫委員
    【中小企業庁】
    小川事業環境部長、寺澤金融課長、梁嶋金融課企画官、小林金融課課長補佐、大貫金融課課長補佐

  4. 議事次第:
    (1)開会
    (2)中小企業金融におけるファンドの活用事例
    (ネクスト・ハンズオン・パートナーズ株式会社 稲葉 チーフ・マネージング・パートナー(特別出席)より説明)
    (3)報告書(案)について
    (4)閉会

  5. 議事概要:
    (1)中小企業金融におけるファンドの活用事例
    • ベンチャー企業では経理や帳簿整理の能力に限界があるため、ファンドが中小機構や地域金融機関の支援、地公体との連携等を通じて積極的に対応している例が伺われる。
    • 中小企業を育成するファンドの中には、短期的な利益ではなく技術の育成を優先する先もみられる。その背景としては、大企業が大企業であり続けるコストが上昇していることも挙げられる。
    • 工業専門学校等で「ものづくり」の専門教育を受ける人が減少し技術を持った人材が少なくなるという声も聞かれる。しかし、大学でMOT(技術経営)を学んでいる学生は多く、それほど悲観することはない。より高次の施策を展開してはどうか。
    • 普通に頑張っている中小企業のやる気をいかに引き出していくかということが重要。
    • わかりやすさとワンストップ・サービスは重要。高度な手法を作ることは大事だが、利用する側に理解してもらうための方策を同時に検討することも必要。
    • 全国の商工会議所や商工会が金融についても窓口機能を果たすことが望まれる。ボランティアに近いシニア・アドバイサー(経営指導員のうち、創業や経営革新を目指す中小企業を支援するものとして特に選定された者)の指導に対して、何らかのインセンティブとプロジェクト責任を与えることも検討すべき。

    (2)報告書(案)について

    1. 企業ステージ別の資金供給
      • 銀行が有するリスク許容度や規制からの自由度は低く、また、規模が大きいので小回りのきいた柔軟な対応ができない。他方で、リスク・リターンが見合う場合の担い手として、銀行比自由度が高いファンド等が着実に増えている。
      • プレDIPや小口案件はリスク・リターンが合わず、経済合理性に乏しい分野である。こうした分野にこそ公的支援が期待される。
    2. 経済・金融環境に左右されにくい資金調達
      【担い手の多様化】
      • 信用補完制度による100%保証が見直される中で、預金取扱金融機関の行動が大きく変化する可能性があることを踏まえつつ、担い手の多様化を検討すべき。
      • 中小企業と保証協会の間に位置する金融機関が中小企業の良き相談相手になってきた。信用補完制度の新たな担い手が、このような金融機関の役割を果たすことができるのかという点について、よく検討する必要がある。
      • ファイナンス会社は全国で約1万8千社あり、個々のプロファイルは多種多様である。規模の大きさだけで判断することが適当でないことは最近の事例が示しているとおりであり、十分検討すべき。
      • 預金取扱金融機関が対応できない離島での融資を、商工会と提携しているファンナンス会社が手掛けている例もみられる。
      【貸出債権証券化の推進】
      • 金融機関は、証券化を通じて得られるメリットよりも、コストの方が高過ぎると感じている。メリットを高めるためには、債権プールを大きくすること、複数金融機関の債権を集めて劣後部分を共有する「合同劣後方式」を採用すること等が有効。合同劣後部分に公的保証を行う方向で考えるというのも一案。
      • 政府系金融機関に新たな機能を追加することで、証券化コストの大幅引下げが実現される可能性が存在。
      【本人保証】
      • 本人保証を取る主たる目的は、信用補完にではなく、経営者のモラル維持効果にある。停止条件付連帯保証制度は、経営者の背信行為等の非財務のコベナンツを設定し、違反した場合のみ保証効力が発生するものであり、本人保証に代わって経営者の規律を維持するために効果的。
      • 事業再生ビジネスにおいては、本人保証が付いているが故に、回収局面で保証人を徹底的に追及せざるを得なくなってしまうケースが散見される。多様性、柔軟性を高めるため、停止条件付連帯保証等の導入を積極的に検討してもらいたい。
      【第三者保証】
      • 小口融資を無担保で行うにあたっては、保証金額が低く保証人が引受け易かったこと等から、第三者保証を利用した融資が行われてきたが、そうした保全措置がもたらす弊害も併せて考慮され、非徴求が推進されている。
      • 担保や第三者保証を取らない代わりに上乗せ金利を徴求する制度もあるが、一方、地縁・血縁等を活用して第三者保証を付け金利を引下げたいとする先も存在する。第三者保証を完全に廃止してしまうのは、逆に利用者の利便性を損なうことにならないか、慎重に検討する必要がある。
      • 中小企業には第三者保証の原則廃止により、必要資金を借りられなくなるのではという不安の声があるのも事実。選択肢を広げるという意味では、画一的な議論は避けるべき。貸し手側が説明責任を果たし、借り手が納得できるような仕組みを構築することが重要。
      【コミットメント・ライン】
      • 突発的な企業の資金ニーズに対応できる商品であり、預金取扱金融機関に限らず、十分な資金力を有する先がその提供先となり得るような制度作りが望まれる。
    3. 円滑な資金供給に向けた基盤強化や環境整備
      • 制度のわかりやすさは重要。中小企業会計に準拠して財務諸表を作成した先向け保証料率割引制度は、商工会会員にはあまり周知されていない。
    4. その他報告書(案)全般について
      • 難しい問題が存在しているということは、換言すればビジネス・チャンスが存在するということ。では、何故民間金融機関がそうした分野において取組みを行わないのかという理由等を適切に表現しないと、納得感が乏しいものになってしまう。
      • 民間でとれないリスクを公的金融機関が負担することで発生するコストにも目を向けるべき。公的金融機関による支援があることによって、市場のリスク・リターンの価格形成機能が働きにくくなっている面もあることに留意が必要。
      • 教育、啓蒙活動や人材育成が非常に重要であり、これに力点をおくべき。

以上

【問い合わせ先】
  中小企業庁事業環境部金融課
  電話:03−3501−1511(代表) 内線:5271