トップページ 審議会・研究会 研究会 第1回中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会 議事要旨

第1回中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会 議事要旨

日時:平成28年10月21日(金)10:00〜12:00
場所:経済産業省別館8階843会議室

出席者

今野委員(座長)、宇佐川委員、及川委員、苧野委員、高野氏(小林委員代理)、島貫委員、原委員

開会・委員紹介・資料説明等の後に、委員からのプレゼンテーション及び意見交換

議事要旨

新卒者は、「自分のやりたい仕事ができる会社」を望んでいながらも希望する就職先は大企業である。本当にやりたいことがあるなら、どこに配属されるか分からない大企業ではなく、中小企業に行く人もいるだろう。

新卒者は、自身の可能性がまだ見えていない。そのため、大企業に就職した方が将来性があると思っており、一方、中小企業では、一つの職種・拠点に縛られるのではないかと思い込んでいる。「やりたい仕事」というよりは「可能性」で大企業への就職を希望しているのではないか。

中小企業に行くなら、やりたいことを決めさせるというのも一つの方法か。

中小企業は「一定のキャリアをもったミドル人材」を求めているという調査結果があるが、伝統的な雇用慣行の中でキャリアを蓄積してきたミドル層が本当に求められているのかは疑問。即戦力が欲しいという意味ではないか。

また、少子高齢化が進むなか、従来の「とにかく若い人材を採用したい」という発想では、採用は難しいということに気づいてもらい、主婦層やシニア層といった潜在的な労働力に目を向けてもらいたい。この層が活躍するためには、働きたいけど働けない制約は何か。個々人にかかる制約はそれぞれ異なり、その制約をどのように解消したらよいかという対応策が必要になる。

採用後は定着して活躍してもらいたい。その点、主婦層やシニア層は、採用した後は比較的長期間働いてくれる人が多く、定着率も高いというメリットがある。このメリットを中小企業にいかに理解してもらうかが重要。

業種別にシニア層に対する雇用意欲をみると、すでに高齢化が進んでいる各種製造業や建築・土木業などはシニア層の採用に積極的である。すでにシニアが活躍している業種は、抵抗感が少ない。

主婦層については、勤務時間や勤務日の調整がポイントである。勤務体系の柔軟性など、働きやすい環境を整備することができれば、賃金といった条件が多少合わなくても定着し活躍してくれる。

中小企業からの相談や支援依頼を受けているが、「人材確保」の相談は常にベスト3に入る、頻度の高い相談。

中小企業は、自社の魅力を認識していない、誤解をしている場合もある。そのため、自社の魅力を発信することができない。第三者的にそれを発見してあげることも有意義。

当面の人手不足対応として、共同求人を行ったり、経理・労務部門を統合集約したりする工夫をしている中小企業もある。生産性向上のための投資も必要だが、このような工夫を広めていくことも有意義。

昨今の中小企業では、人手不足で受注を断るケースも多く発生している。

女性の活躍推進については業種別に傾向があり、介護・看護が高く、建設が低い。女性活躍を推進する課題では、女性自身が管理職を望んでいないなど、意識面の課題もある。

ICTに取り組めない理由として、導入コスト、管理層に知識がない、担当する人がいないなど、コストと人材面がネックとなっている。

「採用」を構造的にとらえると、募集、選考、維持定着の段階がある。特に重要なのは募集の段階であり、適切な母集団形成が大切。企業(雇用者)としての高いブランド価値が、良好な母集団を形成し、そこから選考し、定着させるという発想が必要。

ブランディングはそれぞれの企業が独自に取り組むのが基本だが、第三者機関によるブランド価値が採用に効果があるという米国の研究結果がある。企業で働く従業員がその企業を評価する仕組みであり、そこで高い評価を得たことが公表されると、募集の際の母集団の質が上がる。現状の従業員も、誇りを感じ、定着していく良好なサイクルとなる。

「働く場として魅力的な企業」が労働者に選ばれていき、そういう企業が勝って残っていく。労働市場における社外評価と自社の従業員による社内評価の両面で好影響が生まれる。自社で取り組むブランディングも効果的だが、第三者機関が評価することはより効果的な取り組みである。日本での効果は十分に検討されていないが、雇用者として優れた中小企業が、社会に認知され、その取り組みを他の企業が参照することで、中小企業全体のレベルが上がっていくのではないか。

人手不足は、成長できる中小企業のボトルネックになっている。

新卒者の内定率は年々上がっているが、離職率も高い。新卒採用に成功しても、早期離職されては全く意味がない。また、早期離職した人は、フリーターやニートになってしまうケースも多く、一度なってしまうと脱出するのが大変。本来元気に働き納税する若者が、ハローワークで失業給付を受ける構図は、企業・個人・地域社会全てによくない。

留学生の場合、日本企業に就職したいができずに帰国する人が半数以上いる。マッチング率を高めることが必要である。

定着率の向上は重要。企業の採用目的は、成長のための増員と、欠員補充があるが、中小企業を辞める人を減らすには、マネジメント力の向上が大きなテーマとなる。

中小企業の人手不足対応として、短期的な対応としては、直近の人手不足に対応するための採用力向上が必要であり、中長期的にみれば、IOTを活用した生産性向上を視野に、取り組みが進むと考える。

以上



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中小企業庁経営支援部経営支援課
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