サプライヤー中小企業の事業展開のあり方に関する検討会報告書をとりまとめました
平成24年9月25日
中小企業庁は、このたび、「サプライヤー中小企業の事業展開のあり方に関する検討会」(座長:松島茂 東京理科大学専門職大学院教授)の報告書を取りまとめました。 この検討会では、ヒアリング等により把握した、サプライヤー中小企業(発注を受けて部品等の生産・加工を行う製造業の中小企業)の取組の実態等の検討を行ってきました。 |
◆報告書の概要
1.サプライヤー中小企業を取り巻く状況
- 円高による大手企業の海外移転、新興国企業とのコスト競争等により、サプライヤー中小企業は厳しい状況に置かれています。また、多くのサプライヤー中小企業の取引先である大手企業は環境変化への対応をサプライヤー中小企業自らが取り組むように強く求めています。
- また、サプライヤー中小企業の中でも顧客のニーズに適確に応える「課題解決型ビジネス」を行う企業の業況が比較的好調であると言われています。
- 特に単工程に特化したサプライヤー中小企業においては、系列的な取引が依然として重要な柱であり続けますが、他方で、自立的な取引の拡大に向けた取組を進めることが必要です。
2.サプライヤー中小企業の事業展開の方向性
サプライヤー中小企業の事業展開の方法として、以下の2つの取組を中心に検討を行いました。
- 連携グループの活用
サプライヤー中小企業が、他のサプライヤー中小企業又は大企業等と有機的に連携。一つの組織形態において、経営資源(設備、技術、個人の有する知識及び技能等)を有効に組み合わせて相乗効果を創出し、一社では対応できないような課題解決型ビジネスに継続的に取り組む。
※ 単なる情報交換に終わらせず継続的かつ効果的な事業活動を行っていく仕組みとするために、「知識連携」(経営・技術・生産活動等のノウハウ共有のための取組)と「取引連携」(知識連携の成果を実際に受注に結びつける取組)を組み合わせた活動とすることがポイント。 - 現場の競争力の強化
中小企業が比較的強いとされる生産現場の改善を通じて、生産性の向上を行う。
※ 自社のノウハウだけではなく、他社のノウハウの活用や、現場の良い流れを作る汎用的な技術の活用がポイント。
3.平成25年度予算要求等への反映状況
- 下請中小企業振興法の見直しの検討
下請中小企業振興法において、サプライヤー中小企業が中心となって新たに自立的な取引の拡大に向けた取組を継続的に実施する連携グループを認定して支援するスキームを創設することを検討しております。 - 予算要求
サプライヤー中小企業の連携グループが知識連携や取引連携等の活動を行うために必要な経費(専門家謝金、会議費、マーケティング調査費等)の一部を補助する制度の創設を要求しています。(新事業活動促進支援事業30.5億円の内数。補助上限:2,000万円、補助率:2/3。)
知識サポート・経営改革プラットフォーム事業などを活用した専門家派遣等により、サプライヤー中小企業のグループによる取組や生産性向上に係る取組を支援することを検討しています。(知識サポート・経営改革プラットフォーム事業74億円の内数 他) - 財政投融資要求
サプライヤー中小企業の連携グループが知識連携や取引連携等の活動を効果的に実施するために必要な設備資金等を対象とする日本政策金融公庫の低利融資制度の創設を要求しています。
資料
(本発表資料のお問い合わせ先) 中小企業庁事業環境部取引課長 桜町 道雄担当者:竹永、橋本 電話:03-3501-1669(直通) |