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  国際化対応へに支援
目次
はじめに
創業における経営課題と支援施策
支援人材の基本姿勢
ビジネスプランの作成
創業前後の資金調達
創業後の継続的な支援
マーケティングの支援
コーディネートによる支援
国際化対応への支援
タイトルはじめに
 一般的に中小企業は資金・人材・信用力・ネットワークなどが乏しいため、国際的な展開が難しいと思われています。しかし、やり方によっては中小企業でも大企業・中堅企業に引けを取らずに国際的展開が実現できます。スピード経営や柔軟な経営、経営の現地化を要求される現代の国際展開においては、中小企業の方が大企業・中堅企業よりかえって有利になるケースもあります。数多くの中小企業の国際展開を支援されている浜口直太さんに、国際展開支援のあり方について論じていただきます。
日本の中小企業が海外に進出する場合
   中小企業が海外に進出する場合、成功の鍵になるのが、現地企業との提携です。日本国内で販売している商品・製品・技術・サービスを海外で販売する場合、提携先の現地企業の知名度・信用力・資金力・販売力によってビジネスの規模が左右されます。したがって、現地企業の総合的な実力をよく調べ、その上で提携するか否かを客観的・総合的に判断すべきです。公表されている相手企業の情報は限られているので、限られた時間で限られた情報を集め、それを基に、ある程度のリスクは覚悟し、スピーディな決断を下さなければなりません。この時の決断で大事な判断基準は、失敗した時の損失が何で、どの程度の大きさになるかということです。失敗した時のダメージの計算において一番わかりやすいものが、経済的損失の計算です。思ったより損失が小さければ、思い切って決断できます。
 ビジネス、とくに提携事業は水ものです。どんなに事前準備し、理想的な相手と組めたように見えても、実際に事業を展開してみると、思わぬ誤算や落とし穴があるものです。最初の段階でこの点を謙虚に認識し、提携相手を信頼する一方で、任せきりにはしないことです。提携し、事業を始めた場合、どのような障害や問題が生じるか、あらゆる面から分析し、その際の対応策も事前に考慮すべきでしょう。
 中小企業を支援する側は、提携先をどのように探索し、交渉していくかを説明するだけでなく、具体的な進め方や事例なども紹介する必要があります。それ抜きでは、中小企業の経営者は怖くて提携する気にはならないでしょう。
 最近よくあるのが、提携候補先が、Eメールやファックスで提携話をいきなり持ちかけてくるケースです。しかし、ただ単に「棚からぼた餅」のように喜んで簡単にその企業と組んでしまうと、後で後悔することになるでしょう。相手のことをよく調べずに、日本の中小企業に不利な条件が盛り込まれた相手側作成の契約書にサインすることになりかねないからです。だからこそ、コンサルタントなどによる専門家の具体的・客観的なアドバイスが不可欠となります。
問われる支援人材の力量
   中小企業を支援する側の力量も問われます。一般的、表面的なアドバイスをする場合が多いようですが、その中小企業の現状・将来性などをより見極め、現実問題としてその企業が提携先の支援で本当に海外展開ができるのかを定期的にチェックすることが重要です。海外進出する中小企業に対して、どれだけ具体的、実践的、客観的アドバイスができるかが、支援する側に求められます。
海外における企業提携のポイント
   これらを踏まえ、海外における提携の進め方に関しアドバイザーが支援すべきポイントは、1.中小企業経営者(経営陣)との面談と事情聴取(会社訪問)、2.提携に必要な専門家(弁護士、会計士、コンサルタント、専門通訳など)の確保、3.提携内容(提携理由や条件)の確認と提携先を探索する戦略の設定、4.提携先探索方法決定とその探索の実行、5.提携先候補数社の情報収集、6.提携先候補の訪問と追加情報の入手、7.提携先との提携条件の提案・交渉、8.提携契約書の作成と調印、9.提携成立に関するプレス発表です。
 これらを進める中で、国際的な提携に慣れていない中小企業の経営陣は、少しでもスムーズに進まなくなったり、思ったより情報や相手の動きがつかめないと、心配し始めます。そこで中小企業の経営陣と定期的に面談し、不安材料を明確にし、対応策を中小企業の経営陣が納得できるまで徹底的に話し合うことが大事です。
 
海外における企業提携に関する支援ポイント
  1. 中小企業経営者(経営陣)との面談と事情聴取(会社訪問)
  2. 提携に必要な専門家(弁護士、会計士、コンサルタント、専門通訳など)の確保
  3. 提携内容(提携理由や条件)の確認と提携先を探索する戦略の設定
  4. 提携先探索方法決定とその探索の実行
  5. 提携先候補数社の情報収集
  6. 提携先候補の訪問と追加情報の入手
  7. 提携先との提携条件の提案・交渉
  8. 提携契約書の作成と調印
  9. 提携成立に関するプレス発表

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海外企業と日本で事業展開をする際のポイント
   海外の企業が日本に進出し、日本の中小企業と事業展開する場合、アドバイザーはお互いの最終目的、成長ステージに応じた役割・責任・負担、また期待通りに展開できなかった時の撤退基準などを決めるように支援する必要があります。いくら強力な海外企業と組んでも、市場特色・特殊性、文化、言葉、慣習、ニーズなど様々な違いが事業展開・成長の障壁になります。海外で成功したからという理由で、同じやり方を日本で行った過去のケースはほとんど失敗しています。
 その際に、アドバイザーが支援すべきポイントを紹介します。海外企業から日本の中小企業に対して提携のオファーがあった場合を想定すると、1.中小企業経営者(経営陣)との面談と事情聴取(会社訪問)、2.提携に必要な専門家(弁護士、会計士、コンサルタント、専門通訳など)の確保、3.提携内容(提携理由や条件)と戦略の確認・設定、4.提携先海外企業の情報収集、5.提携先の本社訪問と追加情報の入手、6.提携先の経営陣との面談と企業理念・方針の確認、7.提携先への提携条件の提案・交渉、8.提携契約書の作成と調印、9.提携成立に関するプレス発表についてが、支援するポイントです。
 このような提携においては、提携先海外企業の日本進出における強いコミットメントや忍耐、長期的経済支援、経営スタイルや進め方などの違いに関する融通性などが提携成功の鍵になります。したがって、支援する側は、中小企業経営者に対し、提携案件にそのような成功の鍵が備わっているかをチェック・確認することをアドバイスしなければなりません。備わっていなければ、相手がどんなに魅力的な海外企業だとしても、提携は避けるべきでしょう。事業展開する中で必ず予期せぬ問題が起こり、その責任を日本の中小企業が追及されることになるからです。
 
海外企業と日本での事業展開をする際の支援ポイント
  1. 中小企業経営者(経営陣)との面談と事情聴取(会社訪問)
  2. 提携に必要な専門家(弁護士、会計士、コンサルタント、専門通訳など)の確保
  3. 提携内容(提携理由や条件)と戦略の確認・設定
  4. 提携先海外企業の情報収集
  5. 提携先の本社訪問と追加情報の入手
  6. 提携先の経営陣との面談と企業理念・方針の確認
  7. 提携先への提携条件の提案・交渉
  8. 提携契約書の作成と調印
  9. 提携成立に関するプレス発表

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CHECK POINT
  リスクを最小化できているか?
1 海外進出にあたって提携する現地企業の実力を客観的、総合的に判断すべし
2 失敗したときの損失を計算し、海外進出のリスクを定量化すべし
3 中小企業が提携先の支援で本当に海外展開できるかを定期的にチェックすべし
4 日本進出する海外企業との提携に当たっては、成長ステージに応じた役割・責任・負担、撤退基準などを決めるように助言すべし
5 日本に進出する海外企業が日本市場での成功の鍵を有しているかチェックするよう支援すべし

事例 中小企業総合事業団の
国際化支援事業の実績(平成13年度)
 中小企業総合事業団では、中小企業の国際化に多面的な支援をしています。中でも海外展開・投資を図る中小企業に対して、豊富な経験とノウハウを持つ約400名の専門家(中小企業国際化支援アドバイザー)が海外投資に関するさまざまな相談に応じています。また実際に海外展開を図る際には、海外現地事情に精通したアドバイザーを現地に派遣し、アドバイスを行うことも行っています。
また国際取引に関しては、外国企業との合弁、技術提携及び販売提携等を希望/計画している中小企業を対象に専門家が、外国企業との提携方法、輸出入手続き、契約様式等についてもアドバイスを行っています。

問い合わせ:中小企業総合事業団調査・国際部国際事業課
03-5470-1522
海外投資国内アドバイス実績
中国 620
ベトナム 181
タイ 89
アメリカ 60
台湾 15
その他 138
 
合計 1103
海外投資海外アドバイス実績
7
国際取引アドバイス実績
日本企業 246
外国企業 16

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筆者紹介 浜口直太(はまぐちなおた)【(株)JCI代表取締役】
筆者、浜口直太
テキサス大学経営大学院修了(MBA)。同大学院並びにペンシルベニア経営大学院博士課程で財務論などを専攻。米大手会計事務所を経て、1992年米国にコンサルティング会社、1997年同日本法人(株)JCIを設立。日米企業でCFOを経験。「U.S.JAPAN BUSINESS NEWS」、「U.S.FRONT LINE」、「ベンチャークラブ」、「日経ベンチャー」「週刊東洋経済」等のビジネス・経済誌に、経営者のための国際起業・経営戦略並びに最新国際ビジネス情報を中心に寄稿。

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