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  創業後の継続的な支援
目次
はじめに
創業における経営課題と支援施策
支援人材の基本姿勢
ビジネスプランの作成
創業前後の資金調達
創業後の継続的な支援
マーケティングの支援
コーディネートによる支援
国際化対応への支援
創業後の継続的な支援
 創業支援は、ビジネスプラン作成、創業資金調達、会社設立など、創業準備期から創業期までの支援だけでは終わりません。真の創業支援は、創業後のフォローまで続きます。ビジネスプランどおりに事業が進むことは極めて稀ですし、創業前に想定しなかったような事態に直面することも少なくありません。このようなときに、支援を行ない、創業者の心の支えとなることが、支援人材として求められます。ここでは、(株)サンブリッジ代表取締役社長のアレン・マイナーさんに、創業後の継続的な支援において気をつけるべき視点を述べてもらいます。
創業後の継続的な支援の必要性
   事業計画はいかに完璧に作ったとしても、そのとおりに実行できないことがほとんどで、何らかの事業の建て直しが必要です。逆に、うまく成功軌道に乗れた場合でも、急成長を上手にマネージすることが大きな課題です。多くの創業者は経験不足で、このようなリスクに上手く対処できないのが一般的です。一方、日本の人材市場は流動性が低いため、経験豊富で優秀な人材をスタートアップ企業が採用することは困難です。このため、経験豊富な支援人材による支援が必要となるのです。このような企業に対しては、「カンパニー・ビルディング(企業づくり・事業づくり)」を中心に考え、企業に対して深く入り込み、支援することが求められます。
異質性の融合/同居による視野/人脈の広がり
   当社(サンブリッジ)が提供するサービスの一つに、スタートアップ・オフィス「サンブリッジ・ベンチャーハビタット」があります。ここには投資先だけでなく、投資先企業とのシナジーが生まれるような企業、大学、外国政府機関、大企業の社内ベンチャーなどが入居しています。異質な人材や企業が同居しているのです。その結果、入居企業の人的ネットワークが広がり、入居社同士のコラボレーションが進みつつあります。支援対象企業同士の異質なネットワークそのものが、当社の支援サービスの重要な要素となっているのです。
◆サンブリッジ・グループのベンチャー支援
サンブリッジ・グループのベンチャー支援

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支援の結果、必要なのはノウハウの移転
   スタートアップ企業に対する個別支援は、支援の必要性にも拠りますが、可能な限り密着して支援することが必要です。例えば、当グループでは(株)イー・ブリッジが、ベンチャー企業に対してマーケティング・営業面での支援をしています。マーケティングのコントローラー(人材、組織など)の全体像をデザインし、マーケティングのシナリオを作成するだけでなく、マーケティングのオペレーションを支援先企業と一緒に実施し、顧客紹介や商談同行などのセールスサポートをしています。すなわち、戦略づくりから戦略の実践までを企業と共に実施しているのです。しかし、支援の究極的な目的は、支援しているスタートアップ企業が支援機関が必要ないレベルまで、レベルアップすることです。このため当社では、提供しているノウハウをスタートアップ企業が吸収していただけるように工夫しています。
最良の資金調達は顧客からの売上
   創業後に直面する問題の中で重大なものの一つが、資金調達です。ベンチャーバブルの時期には、成長が期待できず、本来ベンチャーキャピタルから出資を受けるべきでない企業まで、ベンチャーキャピタルから資金調達を受け、株式公開を目指したことがありました。このような企業の中には、「ベンチャーキャピタルからの出資=収入」と勘違いし、営業活動がおろそかになったり、放漫経営に走ったりするものもありました。
 ベンチャーキャピタルからの出資や金融機関からの借入れは、企業としての収入ではないのです。企業としての収入は、顧客に商品・サービスを買ってもらうことで、これこそが最良の資金調達手段なのです。支援人材としては、ベンチャーキャピタルからの調達や銀行等からの借入れを支援することも大切ですが、顧客からの資金調達、つまり、商品やサービスの売り先を見つけ、商談をまとめるお手伝いをするのも支援人材の重要な役割と考えます。
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再起できる状態での清算
   創業した中で何社かは上手く行かず、経営に行き詰まる会社も出てくるでしょう。当社が投資した十数社の企業の中にも、経営が行き詰まった企業が数社ありましたが、我々は破産する以前の段階で、会社を清算させました。企業を清算することは、創業以上に、複雑で難しい意思決定を強いられます。しかし、ここで支援人材が重視すべきポイントは、第三者として冷静に事業の先行きを見極め、起業家が再びチャレンジできるように、事業を売却したり解散させたりすることです。
卒業後も続く、企業との関係
   支援したスタートアップ企業との関係は、スタートアップ企業が成長し、支援機関の支援が必要なくても、継続させることが必要です。支援から卒業した企業との関係を継続することにより、支援人材としての人的ネットワークを拡大することが出来ます。そして、その拡大したネットワークは、新たな創業支援において、必ずや有効なものとなるでしょう。
将来の日本のために頑張る人と共に頑張ろう!
   日本経済の現状を見ると、大企業のリストラ、高失業率などにより、30歳〜40歳代のライフスタイルが変化してきています。商法改正、税制改正などにより、起業しやすい制度の整備が実施されてきました。産業で見ると、モバイルコンピューティングなど、個人のライフスタイルを支えるコンピューティングが有望ですし、これは日本が得意とする分野です。このため、起業という意味では、世界で最も面白い国が日本だと私は感じています。
 日本の将来は、新しい企業をつくり続け、変化を起こすことによってもたらされます。新しい企業は高成長型のハイテクビジネスだけでなく、飲食店や商店などのファミリービジネスであっても良いのです。支援人材として心にとめておくべきことは、夢のある人、頑張る人と一緒になって頑張ることなのです。皆さん、一緒に頑張りましょう。

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CHECK POINT
  創業後も継続的な支援が出来ているか?
1 支援した創業者と連絡がつきますか?
2 支援した創業者が今どのような経営状態にあるかご存知ですか?
3 支援企業のネットワーク化を図っていますか?
4 各種経営ノウハウの支援企業への移転、支援企業の人材育成につなげた支援となっていますか?
5 公的資金や金融機関からの調達だけでなく、顧客からの資金調達(マーケティング支援)が出来ていますか?
6 もし、上手くいかない企業があったら、再起できるような事業の辞め方を留意していますか?

事例 豊橋地域中小企業センターの新聞折込チラシ
 支援した先の中で「あの人は今、何しているんだろう?」というところも無くすように、相手からコンタクトが無ければ、センターから電話して、常に支援先との“活きた”関係を維持しています。その上で、広報誌や新聞の取材などでも積極的に紹介するほか、地元新聞とタイアップして、支援先企業を紹介した折込チラシを作成して配布してきました。創業直後の企業・事業主は、資金が乏しく、PRしたくてもなかなか有効な手立てがありません。センターが仲介役となって、取材先を斡旋して記事という無料の広告を斡旋したり、共同で“廉価”な広告の機会を提供したりしています。このように豊橋の支援センターでは、創業するまでのプランニングや資金調達の支援だけでなく、創業後も引き続き関係を維持して、販売促進・PRに重点を置いて幅広く継続支援しています。 豊橋地域中小企業センターの新聞折込チラシ

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筆者紹介 アレン・マイナー(Allen Miner)【株式会社サンブリッジ代表取締役社長】
筆者、アレン・マイナー
米国生まれ。19歳の時初めて日本を訪れ、北海道でモルモン教の宣教師として2年間過ごす。1986年米国オラクル本社に入社し、一年後日本オラクル代表に就任。1996年までの10年間、日本オラクルの立ち上げ、急成長に貢献。1996年に米国本社に戻り、Linux/オープンソース担当のバイスプレジデントとして同分野におけるオラクルの取り組みをリード。
1999年12月、日本のベンチャー支援のために、サンブリッジ社を設立。日本のベンチャー育成の理想を追求した総合的環境「サンブリッジ・ベンチャーハビタット」を2000年4月に開設。現在は15社を超えるベンチャー企業と空間を共有しながら、ベンチャーへの投資・支援活動を行っている。

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  創業支援のエッセンス