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企業改革経営者等に対する
内閣総理大臣表彰について

平成14年10月15日
内閣官房
経済産業省

1. 趣旨

 経済構造改革を国民全体の取組として推進する観点から、卓越した経営手腕を発揮して企業改革等を行い、他の経営者等の模範となる良好な成果を挙げていると認められる経営者個人を内閣総理大臣が表彰し、経営者等の意識改革を支援し、挑戦することの社会的認知の向上を図ること等により、我が国経済活性化への取組の幅広い展開に資することとする。
 本表彰は、平沼経済産業大臣から経済財政諮問会議に提案され(平成14年4月16日)、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(平成14年6月25日閣議決定)の経済活性化戦略に位置づけられている。(別紙1)

2. 表彰の対象

 卓越した経営手腕を発揮して企業改革を行い、良好な成果を挙げていると認められ、他の経営者の模範となるとともに我が国経済活性化の牽引者となりうる経営者個人(企業改革経営者)。
  また、中小企業については、このほか、旺盛な挑戦意欲を発揮し、果敢に創業等に取り組み、他の模範となるとともに我が国経済活性化の牽引者となりうる経営者個人(新事業挑戦者)。

3. 選定方法 (別紙2)

4. 表彰式等

 (1) 表彰式
   日時・場所 平成14年10月16日(水)11:40〜12:00
   於:内閣総理大臣官邸 2階大ホール

  (2)懇談会
   懇談会終了直後、昼食形式の懇談会を行う。
   日時・場所 平成14年10月16日(水)12:00〜13:00
           於:内閣総理大臣官邸 2階小ホール

5. 出席予定者

  内閣総理大臣、内閣官房長官、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣 他

 お問い合わせ先
  経済産業省製造産業局参事官室 十時、相部
   電話 03−3501−1689
  経済産業省中小企業庁創業連携推進課 大槻、竹田
   電話 03−3501−1767


 (別紙1)

【経済財政諮問会議 平沼経済産業大臣提出】
  (平成14年4月16日)

○経済構造改革の推進と企業改革賞の創設
 「新たな芽をリードする「変革型経営者」に総理から表彰を行い、これらの経営者に我が国経済再生の牽引者として活躍頂くこととしてはどうか。」

【経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002】                          (平成14年6月25日閣議決定)

第2部 経済活性化戦略
(1) 人間力戦略
  (挑戦者支援)
  「・経済産業省は、関係府省と協力して、平成14年度に挑戦することの社会的認知向上のための企業改革賞等を創設する。」


 (別紙2)

○選定方法

<企業改革経営者表彰>

(1)経済産業大臣が、選定委員会の意見を踏まえ候補者を選定

 a.選定委員 (五十音順)
  ○今井敬 前経済団体連合会会長
  ○野中郁次郎 一橋大学教授(経営学)     
  ○吉川洋 東京大学教授(経済学)、経済財政諮問会議議員
  ○このほか、経済産業省から北畑隆生 大臣官房長   
 b.選定基準
  ○事業対象分野の選択と独自の経営戦略
  ○事業化能力(リーダーシップ)
  ○事業実績(財務諸表に表れた結果)
 c.参考情報
  ○経済産業研究所が実施した上場企業社長本人に対する調査
   (「経営の参考として注目する経営者は誰か?」との質問に、184名が直接回答)を活用

(2) 内閣総理大臣が決定

<新事業挑戦者表彰>

(1)経済産業大臣が、「創業・ベンチャー国民フォーラム顕彰」において優秀な評価を得た者の中から候補者を選定
 a.「創業・ベンチャー国民フォーラム顕彰事業」(平成13年5月実施、中小企業庁の事業)
  ○本事業は、国民の起業家精神を喚起するため、他の模範となる起業家で功績のある個人を表彰するもの。
  ○全国8ブロックの地方顕彰部会における書類審査・現地審査、更には、中央の顕彰委員会における最終審査(書類・面接)を経て、顕彰対象者を選定。
 b.選定基準 
  ○事業の挑戦性
  ○新規性・事業化能力(経営手法の革新性、マーケティング能力等)
  ○事業の将来性、成長性

(2) 内閣総理大臣が決定


受賞者一覧

(五十音順)

○企業改革経営者表彰受賞者

奥田 碩 (おくだ ひろし)
 トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長

Carlos Ghosn (カルロス・ゴーン)
 日産自動車株式会社 取締役社長兼最高経営責任者(CEO)

御手洗 冨士夫 (みたらい ふじお)
 キヤノン株式会社 代表取締役社長

○新事業挑戦者表彰受賞者

井出 剛 (いで つよし)
 株式会社トランスジェニック 代表取締役社長

武内 勇 (たけうち いさむ)
 株式会社ミレニアムゲートテクノロジー 代表取締役社長

吉田 哲夫 (よしだ てつお)
 パーキテック株式会社 取締役社長

和田 英孝 (わだ ひでたか)
 ジーマ株式会社 代表取締役


奥田 碩 (おくだ ひろし)
 トヨタ自動車 代表取締役会長

1.受賞者のプロフィール

1932年 三重県生まれ。現在69歳。
1955年 トヨタ自動車販売(株)入社
1982年 トヨタ自動車(株)取締役
1995年 取締役社長に就任し、現在、代表取締役会長

2.受賞者企業の概要 (数字はいずれも2002年3月現在)

トヨタ自動車株式会社(愛知県豊田市)
資本金:3,970億円
従業員:24万6,702人(連結)、6万6,820人(単独)
売上高:15兆1,063億円(連結)、8兆2850億円(単独)

3.改革前後の企業財務状況

 奥田氏の社長就任後、トヨタ自動車の経営状況は、以下のとおり大幅な改善を示した。

○当期利益:1,320億円(1994年度) → 6,158億円(2001年度)
○総資本経常利益率: 3.7%(1994年度) → 6.0%(2001年度)
○従業員一人当たり経常利益額: 289.5万円/人(1994年度) → 481.7万円/人(2001年度)

4.どのような改革を行ったか

○円高による輸出採算の悪化、国内市場の冷え込みなど国内外の経営環境が変化し、国内メーカーが相次いで海外との資本提携等を進める厳しい状況の中で、商品企画力・技術開発力の強化、グローバル化への対応等を掲げ、明確な方針の提示と強力なリーダーシップの下、迅速かつ機動的に改革を実行。
○世界初のハイブリッド車プリウスを開発・販売し、自動車技術のトップランナーとして地球環境問題への対応と成長基盤の確保の両立を推進。
○トヨタ自動車が弱いとされてきた若者向け市場をターゲットとして「ヴィッツ」等のヒット車を相次いで開発・発売し、大胆な改革をトップダウンで推進。
 また、F1参戦を決定し、国内のみならず世界でのブランド力向上に努力。
○「売るところで造る」を基本方針に生産の現地化を加速。世界最適生産体制の骨格を整備し、グローバル化に迅速に対応。


Carlos Ghosn (カルロス・ゴーン)
 日産自動車株式会社 取締役社長兼最高経営責任者(CEO)

1.受賞者のプロフィール

1954年 ブラジル生まれ。現在48歳。
1974年 (仏)国立理工科大学入学
1978年 (仏)国立高等鉱業学校を卒業(エンジニアリングの学位)し、 ミシュラン入社
1996年 ルノー入社
1999年 日産自動車(株)取締役兼最高執行責任者(COO)に就任し、 現在、取締役社長兼最高経営責任者(CEO)

2.受賞者企業の概要 (数字はいずれも2002年3月現在)

日産自動車株式会社(東京都中央区)
資本金:6,046億円
従業員:11万8,161人(連結)、3万365人(単独)
売上高:6兆1,962億円(連結)、3兆199億円(単独)

3.改革前後の企業財務状況

 カルロス・ゴーン氏の最高執行責任者(COO)就任後、日産自動車の経営状況は、以下のとおり、大幅な改善を示した。

○当期利益: ▲277億円(1998年度) → 3,723億円(2001年度)
○総資本経常利益率:0.3%(1998年度)→6.1%(2001年度)
○自動車事業実質有利子負債額:2兆409億円(1998年度)→4,317億円(2001年度)
○従業員一人当たり経常利益額:18.2万円/人(1998年度)→341.9万円/人(2001年度)

4.どのような改革を行ったか

○日産自動車再建のため、生産体制の集約化や新生産方式の導入、それに応じた人員体制の適正化等による最適生産効率の実現、購買コストの20%削減、持ち合い株の売却といった思い切った対策を推進。
○「2000年度決算で黒字化できなければ退任する」とし、自らの責任を明らかにして、強いリーダーシップを発揮。
○現場を回って数千人もの従業委員の声を吸い上げるなど、現場主義を徹底。また、一人一人と理念を共有することで従業員のやる気を喚起。


御手洗 冨士夫 (みたらい ふじお)
 キヤノン株式会社 代表取締役社長

1.受賞者のプロフィール

1935年 大分県生まれ。現在67歳。
1961年 中央大学法学部法律学科を卒業し、キヤノンカメラ(株)入社
1979年 キヤノンU.S.A,Inc社長に就任
1995年 キヤノン(株)代表取締役社長 (知的財産戦略会議(総理大臣主催)メンバー)

2.受賞者企業の概要 (数字はいずれも2002年3月現在)

キヤノン株式会社(東京都大田区)
資本金:1,653億円
従業員:9万3,620人(連結)、1万9,580人(単独)
売上高:2兆9,076億円(連結)、1兆7,075億円(単独)

3.改革前後の企業財務状況

 御手洗社長の就任後、キヤノンの経営状況は、以下のとおり大幅な改善を示した。

○当期利益:310億円(1994年)→1,676億円(2001年)
○総資本経常利益率:3.5%(1994年)→9.9%(2001年)
○有利子負債額:7,856億円(1994年)→ 2,956億円(2001年)
○従業員一人あたり経常利益額:117.2万円/人(1994年) → 312.3万円/人(2001年)        (注:キヤノン(株)は12月決算のため、「年」を使用)

4.どのような改革を行ったか

○ 売上優先ではなく利益率重視という明確な方針の下、不採算事業(パソコン、電子タイプライター、光カード等)からの撤退など、「選択と集中」を推し進め、トップダウンで経営改革を推進。
○ 従来のベルトコンベア方式から、1名ないし数名の従業員が一つの製品を最後まで仕上げる「セル生産方式」への転換を先駆的に行い、生産性の飛躍的向上など、生産現場の革新を実現。
○ 年功序列を排し実力主義を徹底する一方で、終身雇用についてはその利点をむしろ重視し、また、米国流の社外取締役は不要とするなど、伝統的な日本的経営の長所も活かした経営改革を実践。


井出 剛(いで つよし)
  株式会社トランスジェニック 代表取締役社長

1.受賞者のプロフィール

1961年 福岡県生まれ。現在41歳。
1990年 大学卒業後、父親の経営していたバイオ関連企業パナファームに入社。仕事に従事しながら、熊本大学医学部において遺伝子やタンパク質に関する基礎知識を習得。このとき、多くのビジネスシーズを発見。
1997年 同企業が他社に買収されたのを契機に退社。官学の協力を得て、熊本大学医学部の技術シーズの実用化を目途としたバイオベンチャー企業 クマモト抗体研究所(現(株)トランスジェニック)を設立。36歳で独立。現在に至る。

2.受賞者企業の概要

株式会社トランスジェニック (熊本県熊本市)
資本金:13.2億円
社員数:24名(2001年)
売上高:3億6千万円(2001年)

3.事業実績等の推移

○売上高の推移: 6千万円(1999年) → 3億6千万円(2001年)
○社員数の推移:   6 名(1999年) → 24名(2001年)

4.どのような新規事業に挑戦したか

○全国の大学の研究室に眠っていた膨大な未活用タンパク質の提供を受け、「特異抗体(タンパク質の解析のために用いるバイオ試薬)」の開発事業に着手。環境ホルモンに関連した世界初となるバイオ試薬(環境ホルモンに侵されたオスのコイにできるタンパクを検出する試薬)の開発に成功。
○その後、この経験を活かし、マウスとヒトの遺伝子が95%以上相同であることに着目し、ヒトゲノムプロジェクトに欠かすことのできない遺伝子破壊マウス(特定の遺伝子を人為的に破壊した結果、遺伝子の機能を解析することが出来るマウス)を世界最速(従来の手法に比べ、3分の1のコストで、かつ、30倍のスピード)で作製する技術開発にも成功。
○なお、現在、新興株式市場への上場を計画。他の追随を許さない技術を持ち、世界に通用するバイオベンチャーとして大きく成長することが期待。


武内 勇(たけうち いさむ)
 株式会社ミレニアムゲートテクノロジー 代表取締役社長

1.受賞者のプロフィール

1950年 大阪府生まれ。現在52歳。
1974年 大学卒業後、父親が創業したメッキ工場を継承。困難といわれたチタン素材へのメッキ技術や特殊なクロムメッキプロセスの研究開発に成功。メッキ技術を単純な表面修飾技術から機能付加技術に進化させ、電子部品産業を始め様々な分野で事業活動を展開。
1998年夏に米国の遺伝子解析機器メーカーからの依頼で、DNA増幅装置の基幹部品を開発したのを契機に、バイオテクノロジー分野への進出を果たす。DNAチップの開発、製造、販売に成功。
1999年 (株)ミレニアムゲートテクノロジー設立。49歳で独立。現在に至る。

2.受賞者企業の概要

株式会社ミレニアムゲートテクノロジー(大阪府東大阪市)
資本金:2.3億円
社員数:13人(2001年)
売上高:7千8百万円(2001年)

3.事業実績等の推移

○売上高の推移: 3千8百万円(2000年) → 7千8百万円(2001年)
○社員数の推移:      13名(2000年) →      13名(2001年)

4.どのような新規事業に挑戦したか

○同社が開発したDNAチップは、従来、ガラスだったDNAチップの基盤を樹脂やアモルファスカーボンに代え、特殊な表面処理加工を施したことが他と異なる特徴。同時に、遺伝子の信号を読みとる方式を光学式から電気信号式に転換し、従来製品より格段に読み取り精度を向上させるとともに、価格も10分の1まで下げることに成功。
○また、同社は、ナノメートルレベル(百万分の1ミリメートルの単位)の微粉体へのメッキ技術を応用して、環境対策の切り札にもなりうる高性能電磁波吸収体や排気ガス用高性能触媒の開発に成功。今月より生産開始。
○このナノ微粉体への表面処理技術は、世界唯一のものであり、他に追随する者はいない。


吉田 哲夫(よしだ てつお)
 パーキテック株式会社 取締役社長

1.受賞者のプロフィール

1950年 兵庫県生まれ。現在52歳。
1975年 三菱重工業(株)に入社。20年間海外における工事やエレクトロニクス分野を含む新規事業の創出に従事。
1996年 食品・医療プラント製造や発電事業など、規模の大きな「ものづくり」に取り組むファブレスビジネス(製造コーディネータ)を行う会社としてファクトリーエンジニアリング(株)(現パーキテック(株))を設立。46歳で独立。現在に至る。

2.受賞者企業の概要

パーキテック株式会社 (広島県広島市)
資本金:5.3億円
社員数:35人(2001年)
売上高:12億9千万円(2001年)

3.事業実績等の推移

○売上高の推移: 6千9百万円(1997年) → 12億9千万円(2001年)
○社員数の推移: 6名(1997年) → 35名(2001年)

4.どのような新規事業に挑戦したか

○同社の得意とするマーケティングによって、市場性の高い製品を企画・立案。次に、それを事業化するに当たって、自社に不足する能力をカバーしてくれるパートナー企業・大学を探し出し、コンソーシアム(企業連合/企業同盟)を形成。生産体制が確立したところで販売会社とも連携しながら、同社自身がユーザーを開拓し、販売と24時間メンテナンスを担当するという、従来の経営手法にはない、いわば「仮想企業体」方式のビジネスモデルを実現した先駆け。
○同社は、この仮想企業体方式によって、自ら生産するエネルギー(電気と熱)を効率よく利用するプラント、例えば、業務用IH(電磁誘導加熱)炊飯システムや途上国向けの使い捨て型注射器製造システムなどを、エネルギーの「ソリューション」として次々に開発し、実用化。
○同社が開発したビジネスモデルは、技術力を持った中小企業を仮想企業体に取り込むことにより、停滞する中小企業の活性化に寄与。


和田 英孝(わだ ひでたか)
 ジーマ株式会社 代表取締役

1.受賞者のプロフィール

1948年 鹿児島県生まれ。現在53歳。
1971年 塗装プラント会社に入社。その後塗装機械会社を経て、信号用電線メーカーに入社。
1987年 社内でメディカル部門を新規事業として立ち上げ、欧米で話題となっていた「カテーテル」(医療用の樹脂製のチューブ・導管)の開発に取り組む。その後、トップの交代で同企業がカテーテルの開発から撤退。
1992年 部下2名とともに退職。当初の信念を貫き、自らカテーテルの開発・製造・販売する会社ジーマ(株)を設立。43歳で独立。現在に至る。

2.受賞者企業の概要

ジーマ株式会社 (静岡県磐田郡)
資本金:2.1億円
社員数:27人(2001年)
売上高:4億5千万円(2000年)

3.事業実績等の推移

○売上高の推移: 1億7千万円(1995年) → 4億5千万円(2001年)
○社員数の推移:       9名(1995年)→     27名(2001年)

4.どのような新規事業に挑戦したか

○血管が詰まることにより生じる疾患(心筋梗塞等)を外科手術無しで治療するための最先端の治療方法(PTCA)に使用される導管(ガイディングカテーテル)を、同社の得意とする樹脂押し出し型成型加工技術を活かして、我が国で初めて商品化。
○さらに、末梢の血管を傷つけない柔軟性と挿入する際の適度な硬さ、医師の手許の動きを正確に伝える優れた操作性を有する画期的な商品(マイクロカテーテル)を、硬い手許部から柔らかい先端部までを継ぎ目なく、徐々に軟らかさを増すことのできる一体成型技術を活用して開発。(特許申請中)
○同商品は、頭部、脊髄、胸部、腹部等における治療・予防に利用され、医療技術の革新に貢献するものと期待。