日本経済は、企業の経常利益が過去最高水準となるなど、アベノミクスによる経済の好循環が確実に回り始めています。この好循環が地方の隅々まで行き渡ることで、地域経済の更なる成長が期待されています。一方で、老舗と言われるような歴史や技術を有する中小企業・小規模事業者においては、長年にわたり培ってきた事業の承継問題が、新規事業への展開や、グローバル競争の激化に対応する事業者においては人手不足が問題となっている中で、今後、どのように生産性の向上を目指していくのかといった大きな課題があります。
経済産業省では、こうした課題を有する企業が、持続的、安定的な成長を実現できるよう、設備投資や賃上げ、企業等のデータ共有・活用の促進、下請け取引の改善、円滑な世代交代の実現、多様で柔軟な働き方の促進などに全力で取り組んでまいります。
本年のはばたく中小企業・小規模事業者300社では、こうした課題を念頭に「生産性向上」、「需要獲得」、「担い手確保」の3つの分野を軸にしつつ、事業承継、働き方改革、IT利活用などに取り組み、活躍する企業を選定させていただきました。また、2018年は明治元年から起算して満150年の年に当たることから、明治時代より事業を継承し活躍を続けている企業に対して敬意を表し、特にスポットを当てております。さらに、はばたく商店街30選では、「インバウンド」、「地域協働」、「新陳代謝」、「生産性向上」の4つの分野で効果的な取組を選定させていただきました。
本事例集には、日本各地で様々な分野で、先進的な取り組みにチャレンジし、成功されている中小企業・小規模事業者・商店街の皆様の「知恵」と「成果」を掲載しております。掲載されている企業の取り組みをヒントにし、今、抱えている課題を解決していただき、ぜひ、次の“はばたく中小企業・小規模事業者・商店街“となっていただくことを祈念いたします。
平成30年3月
経済産業大臣 世耕 弘成
|