日本経済は、経済の好循環が確実に回りはじめております。中小企業・小規模事業者についても、経常利益が過去最高水準となり、設備投資額の増加、倒産件数の減少が見られるなど着実に改善傾向にあります。
他方で、少子高齢化による人口減やグローバル化の進展など、我が国の経済・社会を取り巻く構造的な変化によって、中小企業・小規模事業者は、更なる稼ぐ力を強化するための生産性向上や国内外の需要の取り込み、人手不足や担い手確保といった課題に対応していくことが求められております。
経済産業省としては、生産性向上のためのIT 導入の支援策の実施、地域資源の活用によるインバウンド需要獲得や海外展開支援、多様な人材の活用や円滑な事業承継を促進するための支援策の強化、賃上げの環境を整備するための下請企業の取引条件の改善など、我が国経済の屋台骨を支える中小企業・小規模事業者・商店街の皆様の持続的、安定的な成長を後押しすべく、全力で取り組んでまいります。
本年のはばたく中小企業・小規模事業者300社では、こうした課題を念頭に「生産性向上」、「需要獲得」、「担い手確保」の各分野での優れた取組を選定させていただきました。また、今回初めて、取引先と協力して明確な取引条件の取決めや連携した技術の開発を行うなど、望ましい取引関係の構築をされている事例も選定しております。さらに、はばたく商店街30選では、「インバウンド」、「地域課題対応」、「若手・女性」、「生産性向上」の4つの分野で効果的な取組を選定させていただきました。
本事例集には、地域または世界で“はばたく”全国各地の 中小企業・小規模事業者・商店街の皆様の手本ともいうべき取組を御紹介しております。より多くの中小企業・小規模事業者・商店街が発展すること、ひいては日本経済の更なる成長につながることを祈念いたします。
平成29年3月
経済産業大臣 世耕 弘成
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