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中小企業庁長官 平成21年 年頭所感

中小企業庁長官  平成21年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

 昨年は、前半は原油価格の歴史的な高騰、後半は国際金融市場の混乱に伴う世界的な景気の大減速と、これまでに経験したことのない規模で世界経済が大きく揺れ動いた一年でした。 その影響は我が国にも広く及び、特に、中小・小規模企業は、受注の減少、収益の大幅な減少、倒産の急増など厳しい経営状況に直面しています。

 この未曾有の危機に対処するため、昨年、政府・与党は、「安心実現のための緊急総合対策」及び「生活対策」をとりまとめ、30兆円規模の資金繰り対策を決定しました。 昨年10月から、信用保証制度を抜本的に拡充して緊急保証制度を開始し、多くの中小・小規模企業がご利用できるようにしています。 また、日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付も拡充しました。さらに、金融庁と連携して、民間金融機関に対して、円滑に資金供給をするよう繰り返し要請しています。

 もう一つの施策の重点は下請企業対策です。 下請企業の正当な利益を守るため、下請代金支払遅延等防止法の運用を強化し、特別事情聴取・立入検査などを実施しています。 また、昨年4月に全都道府県に設置した「下請かけこみ寺」で相談体制を拡充し、11月中旬からは約160名の弁護士を配置して、下請企業のための無料相談も開始しています。

 資金繰り対策や下請対策に万全を期し、急激な経済環境変化による痛みの緩和を図ると同時に、中小・小規模企業の発展のための事業環境を整備し、明るい将来に向けた取組も応援しています。

 まず、中小・小規模企業経営者の高齢化が進展する中、事業承継の円滑化のための環境整備が急務となっています。 昨年の通常国会では、経営承継法が成立し、事業承継支援の法的枠組みが整いました。 そして、平成21年度税制改正では、非上場株式等に係る課税価格の80%に相当する相続税を猶予する事業承継税制の確実な制度化を図ることになっています。

 また、新事業を生み出していくための政策として、現在、特に力を入れているのが、農商工連携です。
農商工連携は、地域の基幹産業である農林水産業と第2、3次産業との連携を促し、川上から川下までをつなげるための重要な施策です。 昨年の通常国会で成立した農商工等連携促進法に基づく事業計画の認定と支援を実施していきます。
また、地方の魅力ある産品の開発や販売促進を一層進めることで、地方と首都圏の交流を促進していきます。 中小・小規模企業の事業再生支援や、商店街の活性化支援も実施し、地方経済の活性化を図っていきたいと考えています。

経済情勢については、予断を許さない状況が続いています。 特に、これから年度末に向けては、さらに金融繁忙期に入っていきます。 中小企業庁としても、引き続き、資金繰り対策に万全を期していきます。 そして、このような時こそ、中小・小規模企業の力と叡智を結集し、ビジネスを拡大できるよう、全力で支援してまいる所存です。

 最後に、皆様と力をあわせてこの難局を乗り越え、本年が中小・小規模企業とって大きな飛躍の年となることを祈念しまして、私からの新年の御挨拶といたします。

平成21年1月1日
中小企業庁長官
長谷川 榮一