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がんばる商店街77選

にぎわいあふれる商店街アイデア商店街まちづくりと一体となった商業活動

山形県酒田市 中通り商店街

基幹とする理念に基づき活性化事業を実施
商店街が定めた理念をもとに、コミュニティビジネス・地域性・地域文化・社会性・公益性を柱とする事業を展開し、商店街のにぎわい回復。

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商店街に設置された方言(酒田弁)のれん

中通り商店街

所在地
酒田市
会員数
73名
商店街の類型
地域型商店街

事業実施の背景

中通り商店街は、商業都市酒田の中心商店街として活動し、近隣や消費者への生活文化の提供と情報発信等、地域消費者へ大きな役割を果たしてきた。昭和51年の酒田大火により中心商店街の90%を焼失し復興に立ち上がり今日に至るも、ドーナツ化現象などの環境の変化により中心地の居住人口減少と商店数の減少が見られる。

平成16年に「17(いーな)なかまち活性化委員会」を設立、商店街の問題点の究明と研修を重ね方向を模索し研鑽を積んでいる。また、イベントや販促活動を手がける事業委員会も設立し、どうすればお客様に満足していただけるかを目標に活動している。商店街にしかできないサービス・活動をどのように進めていくべきか常に研究するとともに、商店街事業の行動基本とする理念を策定し、この理念のもとに具体的に事業を実施している。

中通り商店街理念

  1. 1.中通り商店街は、お客様のために、お客様とともに活きる。
  2. 2.中通り商店街は、社会に広く奉仕する心を持つ。
  3. 3.中通り商店街は、明るく、楽しく、互いに助け喜ぶ。
  4. 4.中通り商店街は、酒田の伝統ある生活文化を継承していく。
  5. 5.中通り商店街は、商店街の模範となることを精神とする。

事業の概要

さかた街なかキャンパス」でのひな街道イベント(高校茶道部によるお茶会)

(1)酒田TMOが運営する「さかた街なかキャンパス」で開催するイベントでの学生等との共同事業

  1. ・東北公益文科大生との「だがしや学校」の開催。
  2. ・高校茶道部によるお客様とのお茶会。

(2)選挙セール事業

  1. ・選挙の投票率向上の支援とともに、商店街への来街者増加を目的とするもの。
  2. ・投票済証を提示することにより、特価商品の購入や各種割引のサービスなど、特典を提供する。
  3. ・合併により広域化した地域への共催の呼びかけ。

(3)大根市・飛島まつり事業

  1. ・地産地消の推進と伝統の継承を図るもの。
  2. ・農業・漁業(産直)と商業(商店街)とのコラボレーションと、新たな販路拡大と人的交流によるコミュニティづくり。

(4)方言での接客事業

  1. ・地域文化の見直しと継承を目的とするもの。
  2. ・一般参加型の酒田方言講習会の開催。
  3. ・酒田に伝わる方言を染め抜いた「方言のれん」を作り、商店街に設置する。
  4. ・方言での接客によって、温かみと懐かしさを感じることのできる商店街づくりを目指す。

(5)花の絵コンクール

  1. ・花鉢を保育園、幼稚園に寄贈し、園児が育てた花の絵を描いてもらい、各商店の店頭に飾り、園児の努力をたたえる情操教育を推進。

(6)ひな街道への参加協力

  1. ・過半数の商店が雛人形展示に参加協力。
  2. ・各種ひなまつりイベントの実施。

(7)商店街活性化の研究

  1. ・街づくりの方向性、各店の営業活性化、経営管理、空店舗対策、異業種交流、新業態導入、高齢化対応ビジネス等の研究とこれらの短期・中期・長期事業計画の策定。

事業の効果

(1)商店街への来街者の増加

「さかた街なかキャンパス」は、中通り商店街区域内の空き店舗を利用して設置され、年間入場者が1万人を超えるなど、来街者増加に大きな役割を果たしている。この施設で商店街独自のイベントを開催、更に学生との共同事業により、若年層の来街による新たなにぎわいを創出した。

(2)商店街全体のイメージアップ

他に無い新しい発想の事業を手がける事によりTV・新聞、コミュニティ誌などのマスメディアに報道され、「中通り商店街は常に何かやってる。」というイメージが徐々に定着しつつある。

(3)新たな人的交流による商店街の活性化

東北公益文科大生、産業技術短大生、地元高校生や農家の方々といった、今までは商店街との交流が少なかった人々との共同事業により、新たなコミュニケーションが生まれた。

(4)組合員の商店街づくりへの意識高揚

イベントの企画・立案、実施などを通して、組合員の理解と協力体制が深まった。研修視察や講演会への参加など、商店街づくりに対する組合員の意識向上が図られた。

事業の課題

(1)事業経費の確保

事業継続のうえで必要経費の確保が最も重要な課題となっている。

(2)参加個店の拡大

組合員の意思統一を図り、イベントの協力体制や商店街づくりの意識を更に高揚する必要がある。

(3)広報・PR活動の強化

更なる広域的な広報活動のため、期間、方法等について検討する必要がある。

(4)他商店街との連携

隣接する商店街との連携を検討し、相乗効果と波及効果を図ることが必要である。

(5)その他、各事業における課題

費用対効果の検証、データによる統計化等