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JAPANブランド・プロデューサー会議(2006年12月会議)発言要旨

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日時:平成18年12月6日午後1時〜4時

場所:日本商工会議所A会議室

出席者:
 (株)岩倉榮利造形開発研究所 代表取締役 岩倉 榮利氏
 (株)TRUNK 代表取締役 桐山 登士樹氏
 (株)東京デザインセンター 代表取締役 船曳 鴻紅氏
 (株)コボ 代表取締役社長 山村 真一氏
 IBプロジェクツ 代表 和田 直子氏
 (株)日本総合研究所 上席主任研究員 金子 和夫氏

オブザーバー:
  地域活性化プランナー 川部 重臣氏
 (株)インターブランドジャパン 取締役副社長 豊隅 優氏
 日本貿易振興機構市場開拓部 輸出促進課長 前田 茂樹氏

発言要旨:
1.各プロジェクトの取り組み概要及びプロデューサー紹介
 (1)山村氏(有松商工会(鳴海絞り)、豊岡商工会議所(豊岡かばん))

  • JAPANブランドには平成16年度に豊岡商工会議所と有松商工会のプロジェクトに参加し、現在は、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、熊本県、佐賀県の地域のアドバイザーを努めている。
  • 有松商工会、豊岡商工会議所の事例は、双方とも一気にデザイナーズブランドをつくるのではなく、地域にものづくりの考え方を勉強していただくことに主眼を置いた。
  • 有松の絞り産業の特長としては、B to Bの仕事が多く、京都の着物メーカーやブランドメーカーの下請けとして成り立っていた。
  • JAPANブランドのプロジェクトでは、絞りの素材の高機能化を目指し、光触媒を活用し、立体的な形状にフィルター効果を持たせることにより、消臭や抗菌機能を発揮する着物やドレスの素材を開発した。
  • 全体としては、「清(光触媒の素材を活かす)」「環(環境に優しい製品をつくる)」「粋(伝統の匠の技を活かす)」の3グループを結成して活動を行った結果、光触媒の素材を利用し絞りの技術を活かしたペンダントランプが今年のグッドデザイン賞で中小企業庁長官特別賞を受賞し、注文も舞い込んでいる。
  • また、産地における若い人たちのネットワークが構築され、繊維を光触媒加工する有限会社を設立し、全国各地との取引を行っているなど、JAPANブランドをきっかけにした新たな取り組みも生まれている。
  • 現在は、京都のデザイナーと組んで商品化の企画を行っており、2年後ぐらいには本格的にJAPANブランドに再参戦するのではないだろうか。
  • 豊岡のかばんのプロジェクトでは、様々な繊維や革を使用したかばんを制作しようと、6グループに分かれてコンセプトとテーマを設定し、各自デザインも手がけ、それに対し、プロデューサーとして指導してきた。今後は、商業組合と工業組合が連携して事業を推進していこうという動きが出てきている。
  • JAPANブランド事業全体を通じて思うことは、自分たちの現在の商品販売のためなど、目先の視点で補助金等を利用するべきではなく、中長期的視点(3年〜10年)に立ちながら活動を進めていくことが重要だといこうとである。産地の側も最近理解を示してくれるようになり、長期計画を立てなければならないという雰囲気が醸成されてきたようで、JAPANブランドの成果であると感じている。
  • しかし、しつこく言っていても、目の前に補助金があると、目先の商品づくりに飛びついてしまう傾向はまだあるようだ。
  • 多くの人たちが集まって活動する場合には、その目的や個人の役割分担を取り決めることが各産地でも重要になってきていると思う。
 (2)和田氏(熊野町商工会(筆)、一宮町商工会(線香)など)
  • 今年度のJAPANブランドとしては、兵庫県一宮町商工会(線香)、長野県飯田市鼎町商工会(水引)、鹿児島県商工会連合会(大島紬・薩摩切子)に参加している。
  • JAPANブランドとのかかわりは、広島県出身であったので、平成16年度に行われた熊野町商工会の筆プロジェクトに参加したところからはじまった。熊野町は化粧筆、書道筆で国内シェア80%を誇っていたが、化粧筆は、海外メーカーからのOEMで生産しており、熊野筆としてのブランド力がなかった。また、中国産の筆との差別化を図り、最高級の筆として世界に広める必要があったため、JAPANブランド事業としての取り組みがはじまった。
  • 活動は、絵手紙文化を世界に広めようということで、英語やフランス語など横文字を書く人たちでも使いやすい筆を5種類開発し、パリでPRを行った。最終的なターゲットはアメリカだったが、アメリカから入るとヨーロッパ市場に入り込みにくくなるので、芸術の都・パリからはじめた。
  • 平成16年8月にパリに渡り、芸術家やメイクアップアーティスト等との交渉を行い、最終的には、12月にルーブル美術館カルーセルのサロンの中で熊野ブースを設置し、PR活動を行った。そこには、欧州中のトップアーティストが参加していたので、試筆やモニター品を配布するなどした結果、良い感触を得た。その後、メゾン・エ・オブジェに出展し、バイヤーにもPRを行った。
  • 平成17年度には、同じパリの文房具の展示会・スマックに出展し、48件の商談が成立した。今年度は、パリは現地の人たちに任せ、ロサンゼルスとニューヨークの展示会に出展する予定である。
  • 平成17年度からは兵庫県一宮町商工会の線香のプロジェクトにも参加するようになった。一宮地域は線香の全国シェアが約70%であり、全16事業者がJAPANブランドに参加している。それまでは仏教用の線香が主流であったが、アロマセラピーをイメージした雑貨系の商品を開発することとなった。
  • 開発の方法としては、各社1品ずつ自慢作を出し合い、16セットで販売することとした。ヨーロッパに視点を持つ商社を通じ、来年の2月からパリの老舗百貨店ボンマルシェで線香のPRができるようになった。また、現地の大手スーパーでも来年7月から商品が取り扱われることとなった。
  • 日本国内でも、逆輸入効果を狙い、若い女性をターゲットとして活動を行ってきたが、販路も決まり、来年2月の東京ギフトショーに出展することとなった。
  • 線香については、フランスの禅ブームにうまくのった感がある。パリでは、香道とともに紹介し、非常に好評だった。しかし、日本の線香の使い方がよくわからないという意見もあったので、使い方を紹介していけばさらに普及が進むのではないかと考えている。
 (3)岩倉氏(加茂商工会議所、桐たんす等木工製品)
  • 新潟の加茂商工会議所の桐を使った商品開発を支援している。近年、桐ダンス産業は衰退の一途だった。そこで、伝統的な技術を活かして現代的な道具をつくっていこうということになった。
  • 平成17年度当初のターゲットは、中国、アメリカであり、上海の家具展に出展した。非常に好評で、製品の付加価値をわかってもらえたものの、価格面での折り合いが全くつかなかった。
  • 次にフランクフルトの見本市に出展したが、家具の見本市ではなく雑貨等の見本市であったため、「なぜこの見本市を選んだのか」という指摘もあった。自身が参画した時点で出展することが既に決められていたのだが、建築家や職人、デザイナー、ホテル・レストラン関係者などが来場し、業界外からの様々な意見を聞くことができ、ホテルからの注文も受けた。違った分野の展覧会に出展することも意外に面白いものだと実感した。
  • 2年目の平成18年度は、グッドデザイン賞の日本商工会議所会頭賞を受賞し、加茂の人たちも喜んだ。11月以降、国内の展示会、見本市に出展し、反響の大きさに加茂の人たち自身が驚いていた。値段が100万円前後と高価なので、購入者は少ないだろうが、より多くの人たちの目に触れれば可能性は開けてくる。実際に100万円の商品が売れた。
  • 来年1月にはドイツの家具展に出展する予定である。
  • JETROからは中国の情報を入手する際に助けてもらった。今後は、「JAPANブランド」としてまとめて展示会に出展できる体制づくりのために、産地、JETRO、商工会議所等が連携して取り組んでいければ良い。
  • 今後も良いものを厳選して売り出していけば、「JAPAN」というブランドがさらに評価されるのではないだろうか。
 (4)桐山氏(会津若松商工会議所、漆器(会津塗))
  • 会津若松のBITOWAのプロデュースを行っている。BITOWAプロジェクトの進捗上、大きな問題は、新しいブランドをつくることにより、自分たちがこれまで培ってきた事業、伝統が脅かされるのではないかという危機感が一部の層に芽生えてきているのではないかということである。しかし、時代は後戻りすることはないので、事業全体における参画の仕組みを植え付けなければいけないと考えている。
  • BITOWAでは現在、3つのブランド展開を進めている。最上級は「BITOWAクラシック」で、製品はホテル業者に納品するなどの実績を上げており、当初の目的であった上質なホテルライフのコンセプトを実現する事業の芽が出つつあると認識している。
  • 日常生活における展開を目指した「BITOWAホワイト」は昨年夏に立ち上げた。一般消費者からの引き合いはあるものの、流通計画が未整備であるという課題にぶつかっている。
  • 今年は、エレガントな日常性をテーマとした「BITOWAモダン」を立ち上げた。ターゲットは30歳代の女性で、会津の持つスピリットと女性たちのエレガンスライフをうまく融合していきたいと考えており、質の高い商品ができたと思う。
  • 昨年の「BITOWAクラシック」が好評だったので、昨年と同じものを出展してほしいという要望が海外から寄せられているが、会津の持つ職人芸や技術を大事にしつつ、ビジネスとしてのボリュームも考慮する必要性があることから、今年は「BITOWAモダン」を積極的に展開していきたい。
  • 全体的には、概ね順調に成果を上げているものの、まだまだプロジェクト内の温度差や意識の違い等があり、今後の課題として、ブランドの考え方をきちんと植えつけていかなければならない。
 (5)船曳氏(鞄結档fザインセンター)
  • 地域ごとの取り組みに専門家が参加する一つのメリットは、外部情報の収集にある。それも、単に商品開発にとどまらず、マーケットの読み込みや大きな失敗につながらないようにリスクマネジメントを図ることも必要になるだろう。過去のJAPANブランド事業の事例では、過大な期待に基づいた投資が安易に行われている例も見られるようである。国として取り組みを推進している以上、専門家自身が情報を精査し、産地に助言を与えるべきなのではないだろうか。
 (6)金子氏(中芸地区商工会、魚梁瀬杉再生プロジェクト)
  • 中芸地区商工会のプロジェクトにコーディネーターとして参加している。今年度は、グッドデザイン賞(商品デザイン部門)を受賞し、ブランドのイメージ確立という観点からはほぼ目標を達成した。
  • 売り上げについては、今年度は5,000万円、3年後には1億5,000万円という目標を掲げているが、今年度分の目標達成は射程に入った。
  • 今後は、生産体制の構築、海外の代理店探しが課題となっている。上代設定については、地方の人たちは抑え気味に設定する傾向があるが、上げる方向で調整した。
  • 活動が商工会だけではなく、木材加工業者等にも広がるように勉強会を開催しているが、理解を深める難しさを痛感している。
 質疑
 【川部氏】
  • 熊野筆の絵手紙プロジェクトは、新しい産業として発展しそうか。
 【和田氏】
  • 筆の質は高いが、使ってもらってやっと実感できるものの。使ってもらわないと、値段だけ評価されることになり、はじめから見向きもされない。しかし、トップアーティストには熊野産の化粧筆を購入していただくようになったので、時間はかかるだろうが、うまく浸透させていきたい。
 【川部氏】
  • 「絵手紙」という運動が文化として起こればいいが、実際には難しいのではないだろうか。現状は海外の展示会でほめられて喜んで帰ってくるのにとどまっている。絵手紙を書くというビジネス市場が大きくならない限りは、いくら努力しても産地の産業振興にはつながらない。
 【和田氏】
  • 絵手紙文化は自分自身が参加した時点で既に決まったコンセプトであったため、変えることができなかった。海外生活の経験上、絵手紙文化を伝えるのは困難だとは思う。
 【川部氏】
  • 途中で方向転換することは難しいが、見込みのないものは路線転換する必要もあるのではないか。
 【和田氏】
  • 路線転換も考えられたが、色々なこともあり私自身は、今年度は本プロジェクトには参加をしていない。しかし、熊野筆の良さを産地の人が直接、バイヤーにPRできたことは良かったとは思っている。
 【桐山氏】
  • これまで自信を失っている産地が、「自分たちはここまでできるんだ」と実証させることが必要で、ビジネス的な側面とうまく使い分ける必要がある。「BITOWAクラシック」をはじめたのは、産地の人たちの潜在能力を呼び起こすことが目的であり、市場性は二の次であった。1年目に産地の人たちに自信をつけさせた上で、2年目以降にビジネスのことを考えていく必要があるのだと思う。
 【山村氏】
  • インテリア産業全体が縮小傾向にある中で、厳しいマーケットに参入することの素晴らしさと難しさを伝えることが重要だ。その中で、日本の匠の文化を引き立たせていかなければならない。
  • JAPANブランド事業に参加して良かったのは、これをきっかけに日本のブランドを検証し、海外に発信しようというムーブメントをつくられた点であると思う。今大事なのは、「JAPANブランド」というブランドをどのように支援していくかだ。例えば、産地間の連携を支援していけないかと考えている。
  • 日本の匠が向かう方向性に対し、JAPANブランドとしてどのように支援していくのかというコンセプトをしっかり持たないと、危ういものになるのかもしれない。
 【豊隅氏】
  • 「BITOWA」プロジェクトの活動体制について知りたい。
 【桐山氏】
  • 地元商工会議所の会員が対象だが、あまり会議に出てこない人たちにとっては、「余計なことを」という思いがあるのかもしれない。これまで構築してきた事業バランスに新たな流れを付け加えることに対する抵抗感があるのだろう。しかし、これまでのマーケットとのバランスを取りながら、大都市向けのマーケットを意識した活動をやっていきたいと考えている。
 【川部氏】
  • 今の時代に通用する商品の開発は大事だが、構成員全員が熱心なわけではない。メリットを受ける事業者が限られてしまうと、商工会議所・商工会としても活動しにくいという側面もあるようだ。
 【船曳氏】
  • 補助金の活用方法に対する産地のスタンスを整理する必要がある。JAPANブランドには大きく言って二つの要素があると思う。一つは日本の地域産業が世界市場に打って出るための土壌を用意すること、もう一つはその事業を推進する中で産地内の構造改革を計ることではないか。ところで気になることとして、すでに国内の他地域で商品化され海外にも展開されている商品に類似したものが、JAPANブランドとして出てきていることがある。その産地内での意識改革、構造改革には良いかもしれないが、すでに自主努力で商品開発し海外市場にまで持って行っている企業にとってはうれしくない事態だろう。コピー問題に発展するようなことではなくとも、今後こういったことにも留意していく必要があると思う。
 【川部氏】
  • 参加企業が地域の事業者の1割程度というのはJAPANブランド事業の公的な取り組みという趣旨からずれているので、商工会議所・商工会の方々に努力していただかなければいけない。そうでないと産地全体の意識改革、構造改革にはつながらない。
2.JAPANブランド育成支援事業 コンセプト再構築等事業についての報告−別添[資料2]を参照−
 【船曳氏】
  • 「日本」をブランドにして新しい商品企画を行っていく、民間型JAPANブランドとも言える「新日本様式協議会」の活動は現在暗礁に乗り上げているとみている。それは、協議会設立当初より設立の趣旨や運営方法、100選選定について開けた議論がなく、上意下達でおりてきた「ふるまいのこころ」「もてなしのこころ」「たくみのこころ」というコンセプトについても理解が多様になりすぎて中心軸がないからだ。しかも誰に対して何をプロモーションするのかが見えていないにも関わらず、国内外での展示発表の形だけはあらかじめ決められているといった状態でうまくいっていない。
  • JAPANブランドも同様となる恐れがある。具体的に国内外で何を達成させ、JAPANブランド事業としてはどのような方向性に持っていきたいのだというコンセプトが事業開始以来3年間を経過しても末端まで伝わっていないために、壁にぶつかっているプロジェクトが出てきているのだと思う。目的が何か、そして、目的を達成するための戦略が見えてこない。今回の報告もそこが明解にわかるように書かれていないと思う。
 【山村氏】
  • 「JAPANブランドとは何か」であるので、地域というよりも、日本の歴史や伝統の多様性を活かすという視点が必要なのではないだろうか。
  • ブランド戦略として最も大事なのはイメージリーダーをつくることであり、日本のブランドのフラッグシップでなければならず、そのためには、非日常的でなければならない。
  • 価格帯で勝負する商品でないのであれば、レクサスなどの事例に見られるように、海外に発信することが、国内で展開することにおいて効果的であるということが重要だと認識が広がっていると思う。
  • これまで通りの手法では産地の復活がままならない中、「後がない」というタイミングでJAPANブランド育成支援事業が出てきた。夢から生まれ、現実に下ろしていく仕組みを産地の人たちに伝えていかなければならない。
  • 今後、JAPANブランド育成支援事業への参加を申請するプロジェクトを審査する際に、妥当性を判断するためにも、全体のコンセプトを固めることが必要だ。
  • 「JAPANブランド」というネーミングは素晴らしいが、もっとブランディング戦略の大切さを伝えていってほしい。
 【豊隅氏】
  • JAPANブランドとしてのコンセプトは、「柱」としてのプロジェクトの集合体にかぶさる「傘」のようなもので、その「傘」が、海外を目指すものと、国内にとどまるものの双方があって良いと思うし、その程度の柔軟性は必要であると思う。
 【船曳氏】
  • 最終的にJAPANブランドの目的は各産地が地力をつけることなのか、日本の文化を発信することが目的なのかわからないところにもどかしさを感じる。個人的には、21世紀半ばにこうあってほしいという新しい地場産業の育成支援が目的であると考えている。
 【川部氏】
  • 地域のものづくりを日本や世界に通用するように付加価値化し、そのことをブランドという表現技術を使いわかりやすく情報発信することなのだと思う。そのような活動を継続的に展開することにより地場産業を振興し、その結果、地域経済、日本経済が活性化していくということになる。地域の産業を21世紀にも通用するようにお手伝いをすることがJAPANブランドの目的であると理解している。
 【船曳氏】
  • これまでのJAPANブランドは、主に2分野に分類できると思う。1つは、地元で進めている伝統的産業の新商品開発にデザインなどの付加価値を与え発展させていくJAPANブランド。もう1つは、地場産業に新しい技術や他の産業との結びつきにより新しい事業を起こしJAPANブランドとする方式。前者はわかりやすいし、素直に評価できるが、既に様々な形の助成金や補助金など支援策が整備されているので、個人的には、JAPANブランドでは後者の方を育成すべきだと考えている。全体の運営を担うのが「全国商工連合会」であるならば一層、遠距離にある地域間、特に異業種分野同士の結びつきを計ることはできるはずだし、しなければならないと思う。
  • また、海外へのプロモーションについては、最もJAPANブランドのコンセプトにかなっていることだと思うのでJETROに頑張っていただきたいと思う。
 【川部氏】
  • 後者にしても、伝統技術の裏づけは必要だ。
 【船曳氏】
  • 単なる伝統産業の更新作業のようなものは、本来であればJAPANブランドではなく、他の支援策を活用すべきであると考えている。
  • 日本商工会議所や全国商工会連合会などのネットワークを活かし、地域だけではできないことを支援することが本来の役割ではないだろうか。
 【川部氏】
  • JAPANブランドとして横断的に考察することにより、産地が抱える課題が明確化した部分はあると思う。
 【船曳氏】
  • 地場の方達も自分達の産業の状況や業界情報については既に把握されていると思うので、JAPANブランドでは、他の異なった産業の情報も得て、うまく自分達の商品開発や市場開拓との連携を進めていく必要がある。他の産業も視野に入れながらプロジェクトをまとめていくのがプロデューサーの役割なのだと思う。
 【金子氏】
  • JAPANブランドの目的やビジョン、対象が示されないと、ブランドとしての一体性や目的達成が危うくなるということなのだと思う。
 【中小企業庁・福本氏】
  • 政府としての目的は明確であり、経済構造の変化の中で、地域においても新たな産業を創造していく必要があるということ。その中で、全国の事業所の99%以上を占める中小企業の果たす役割は大きい。
  • 各地の企業が自らの足下を見直し、その強みを生かし、その価値を実現していく仕組みを作り出していくことが重要。価値が実現するためには、製品を作る側が良いものと思うだけでなく、それを受け取る側がその価値を認めることが必要。
  • そうした基本的な考え方の中で、JAPANブランドがどのような位置づけなのかということについては、まだ明確でない部分もある。様々な議論をしていただき、一緒になってJAPANブランドの方向性を見つけていただきたい。
 【桐山氏】
  • JAPANブランドはコーポレートブランドなのか、プロダクトブランドかというところでぐらついているのだと思う。地方の各プロジェクトはプロダクトブランドであり、プロダクトブランドの強さがJAPANブランド全体にとっても重要なことである。
  • コーポレートブランドとしてのJAPANブランドがどこまでプロダクトブランドを支援できるのかが重要になってくる。ただし、理念を入れすぎるとガチガチになってしまう。個人的には変に思想を入れすぎない方がいいと思う。
 【豊隅氏】
  • コーポレートブランドというよりも、プロダクトブランドに頑張ってもらうためのクレジット程度の位置づけになるのだと思う。
 【桐山氏】
  • テーマ性がほしい。モダンなのかクラシックなのか、伝統的に残していくものと革新していくものなど。
 【岩倉氏】
  • ブランドづくりには何十年もかかるものなので、がむしゃらになって他にない価値を探すということでもいいのかなという気もする。
  • 理念があるとすれば、お金を湯水のように使ってはいけないが、不況から立ち直れない中小企業、地域を救うこと。それ以上の難しいコンセプトはいらない。哲学的なものは好き嫌いもあるのであまりしたくない。
  • プロデューサーとしては、加茂の桐と有松の絞りを融合させた商品をつくりたいと考えているが、自分たちが本当につくりたい商品を完成させるための新しい連携のあり方を積極的に探っていきたい。
  • 生活必需品を大量生産する産業と、個人の嗜好に合わせて少量生産する産業の2種類があるが、ようやく後者の方を支援する時代になったのだと思う。そのことさえ理解されれば、ブランドのコンセプトの文章自体はどのようにまとめていただいてもかまわない。
  • JAPANブランドのいい加減さは、今となっては良い点であると感じている。JAPANブランドに参加することにより、自らの分野に固定されない様々な縁をいただき、新たな可能性が生まれてきた。周囲からは、「婚礼家具だけは近づくな」と警告を受けていたが、本当にめぐり合えて良かったと思っている。
  • 京都のホテルのプロデュースを請け負っているが、JAPANブランドでまとめてみようかと考えている。
 【船曳氏】
  • JAPANブランドには不成功の事例も数多くあるのではないか。実は誰にとっても一番知りたい情報は失敗事例であって成功例ではない。成功は運不運によって大きく左右されるし個別的なものだが、失敗の場合はほとんどの場合同じ過ちからきている。全てをさらけ出してみて、全体にとっての教訓にしていかなければならない。
 【桐山氏】
  • どの程度のマーケットでのビジネスができるかということと、マーチャンダイズ戦略、コミュニケーション戦略を示していかなければ、経験の豊富な地元の人は簡単には信用してくれない。その上で、スタッフの構成やスケジュールについて言及していくことが大事な視点である。
  • プロデューサー間の意見・情報交換を行い、自らが学べる点を発見する場づくりは重要だ。
 【岩倉氏】
  • 産地は、最終的には、補助金に頼らずに、ビジネスとして成り立たせていこうと真剣に考えていることは確かだ。したがって、自立までの助走期間(5〜10年)については、何とか支援をしてほしいと思う。
  • ブランドづくりにおいては、技術とデザイン、地域、国というしがらみを全て背負っていかなければいけない。素材は重要であり、今回は桐という良い素材に出会えた。
 【和田氏】
  • 3年目に入り、ようやく、どのようにすればJAPANブランドとして成り立つのかが見えてきた。今年からはじめたプロジェクトでは、コンセプトとターゲット、目標を明確にしてもらった上で商品提案を行い、効果的な販路を検討している。
  • これまで活動で築いた販路(代理店等)とともに商品開発を行うことにより、「つくれば売れる」システムをつくっていけば、お金のない地方でもスムーズ活動できることがわかった。飯田市鼎商工会の水引もパリで市場調査、販路開拓をしていく予定だ。
  • 他のプロジェクトのプロデューサーも1年目は戸惑いが多かったのではないだろうか。プロデューサーも経験を積みながら、JAPANブランドのマネジメントを習得していくのだと思う。
 【前田氏】
  • 船曳氏が提起したコンセプトの再構築に対する疑問に同感で、JAPANブランドとは、ネーミングやスローガンにとどまるわけではなく、運動論を展開していくことにあるのだと理解しているが、どこまでコンセプトの再構築に反映されるのか、よくわからない。
  • JETROとしても伝統産品の海外展開を支援するとともに、アメリカでのコーディネーターによる支援、展示会後のフォローなども展開する予定である。今後の支援策を充実させるためにも、JETROに対しても、具体的な提案や要望をいただければありがたい。
 【和田氏】
  • 展示会に出展しても現地に代理店がないと意味がない。JETROが出展者と代理店のマッチングをできれば、効率化するのではないだろうか。
 【前田氏】
  • そこがJETROの付加価値をつけるところであり、フォローアップの充実を心がけたい。しかし、まだ情報が蓄積されていないというのが実情で、外部の専門家の力を借りているのが実情だ。

以上