住宅・社会資本整備の担い手であり、経済と雇用を支える重要な基幹産業となっているのが建設産業です。その圧倒的多数が中小建設業者でその方々が抱える問題等に対して、以下のようなさまざまな施策を展開しています。
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平成22年度版 中小企業施策総覧
第2部 個別中小企業施策/第6編 その他の施策
第3章 業種別対策等/第5節 中小建設業対策
第3章 業種別対策等 |
住宅・社会資本整備の担い手であり、経済と雇用を支える重要な基幹産業となっているのが建設産業です。その圧倒的多数が中小建設業者でその方々が抱える問題等に対して、以下のようなさまざまな施策を展開しています。
地域の中小建設業は、建設投資の減少、ダンピング等による価格競争の激化や、金融機関の融資姿勢の厳格化、昨今の景気の後退等の影響を受け、かつてない厳しい経営環境に直面しています。建設業は、住宅・社会資本整備の直接の担い手であり、国内総生産・全就業者数の約1割を占める基幹産業の一つです。このため、地域の建設企業が経営力を強化し、地域の中で持続的に活動できるよう、以下の各施策を実施しています。
建設業に従事する技能者の確保・育成を図るため、国土交通省においては、地域の建設業団体等と工業高校等とが連携した将来の人材の確保・育成に資する実践的な取り組みに対する支援のほか、施工現場で中核的な業務に従事する登録基幹技能者の確保・育成・活用の推進を図っています。
また、建設産業人材確保・育成推進協議会とともに、人材の育成・確保に積極的に取り組んでいる企業の顕彰、「建設業界ガイドブック」による情報提供を実施しています。このほか、(財)建設業振興基金において、各建設業団体が推進する基幹技能者等の育成事業を支援しています。
上記の施策の詳細につきましては、ホームページ「ヨイケンセツドットコム(http://www.yoi-kensetsu.com/index.php)」をご覧ください。
中小建設業者の経営基盤の強化を図るため、中小企業等協同組合法による事業協同組合、企業組合、中小企業団体の組織に関する法律による協業組合等の設立・運営の指導等を行い、中小建設業の組織化・事業の共同化を推進しています。平成21年3月31日現在の組織化の状況は、事業協同組合4,679、企業組合141、協業組合38となっています。
事業協同組合等では、建設資材等の共同購買、建設工事の受注あっせん・共同受注、事業資金の貸付け、債務保証、教育・情報提供等の様々な共同事業が、金融その他の中小企業施策の活用を図りつつ積極的に行われています。
中小・中堅建設業者の経営力・施工力の強化を図るため、経常建設共同企業体の適正な活用による企業連携・協業化を推進しています。国土交通省等では、企業連携・協業化を促進する観点から、真に企業合併等に寄与すると認められる経常建設共同企業体に対して客観点数及び主観点数の加点調整措置を行っています。
また、中央建設業審議会により、昭和62年に建議された「共同企業体運用準則」(平成10年2月最終改定)は、各発注機関が共同企業体を活用する場合に準拠すべきものとされており、国土交通省では、各発注機関に対して、運用準則の趣旨に沿った運用基準をそれぞれ策定し、当該基準に従って共同企業体制度を適正に運用するよう、指導・助言を行っています。
なお、建設業者においては、共同企業体運営指針(共同企業体の運営が円滑に行われるよう施工体制、管理体制、責任体制その他の基本的な運営の在り方を示した指針)や「共同企業体運営モデル規則」(共同企業体運営指針の趣旨に沿った運営に関する規則等を整備する際のモデル)等に基づき、適正な共同企業体の運営を図ることが必要とされています。
地域の中小・中堅建設業が保有する人材、機材、ノウハウ等を活用し、農林業・観光等の異業種との連携により、建設業の活力再生や、地域活性化に資する事業の立ち上げを支援する「建設業と地域の元気回復助成事業」を平成20年度第2次補正予算に基づいて創設し、第1次募集及び第2次募集を行い、合計157件を選定したところです。
また、経営診断、計画策定支援等の関連するサービスを一元的に提供する「ワンストップサービスセンター」を各都道府県に設置し、関係省庁と連携して支援しています。
上記の施策の詳細につきましては、ホームページ「ヨイケンセツドットコム(http://www.yoi-kensetsu.com/index.php)」をご覧ください。
建設業における簿記会計に関する知識の普及と処理能力の向上を図り、建設業の経営の合理化、近代化を推進するため、(財)建設業振興基金において建設業経理士検定試験等を実施しています。
また、中小建設業者の自主的な経営改善努力を促し、経営基盤の強化に資するため、(財)建設業振興基金においてインターネットで利用できる財務診断「クイック建診(http://kenshin.yoi-kensetsu.com)」を行っています。
担保力に乏しく、経営基盤の脆弱な企業の多い中小建設業の金融の円滑化を図るため、政策金融機関による融資、小規模企業者等設備導入資金助成法による融資、保証事業会社、勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部の預託融資の活用を図っています。
また、平成20年11月には、従来の下請セーフティネット債務保証事業を拡充し、建設業者が公共工事発注者に対して有する工事請負代金債権について未完成部分を含め流動化を促進すること等を内容とした地域建設業経営強化融資制度を創設し、実施しています(平成23年3月末までの措置)。
本制度は、建設業者が、公共工事請負代金債権を担保に事業協同組合等又は一定の民間事業者から出来高に応じて融資を受けられるとともに、保証事業会社の保証により、工事の出来高を超える部分についても金融機関から融資を受けることが可能となる制度であり、本制度を利用する建設業者は、金利負担等の軽減のための国の助成も受けられます。
さらに、下請建設企業等の経営及び雇用の安定、連鎖倒産の防止等を図るため、下請建設企業等が元請建設企業に対して有する工事請負代金等に係る債権の支払をファクタリング会社が保証する場合に、下請建設企業等の保証料負担を軽減するとともに、保証された債権の回収が困難となった際の保証債務の履行のためファクタリング会社に発生する損失を補償することにより、下請建設企業等の有する債権の保全を促進する下請債権保全支援事業を平成22年年3月1日より開始しました(平成23年3月末までの措置)。
上記各制度の詳細については、(財)建設業振興基金のホームページ(http://www.kensetsu-kikin.or.jp/saimu/index.html)をご覧ください。
公共工事の発注に当たっては、工事の的確かつ円滑な施工を確保しつつ、以下のような中小・中堅建設業者の受注機会の確保対策を行っています。
平成3年2月に策定された「建設産業における生産システム合理化指針」の周知徹底を図るとともに、指針遵守のための場として平成3年8月に設けられた建設生産システム合理化推進協議会を通じ、総合工事業者及び専門工事業者間において建設生産システムの合理化の一層の推進を図るための協議及び申し合わせが行われています。本協議会では、対等で透明性の高い建設生産システムを構築するために、「施工条件・範囲リスト」(総合工事業者・専門工事業者間の見積協議の際に、施工条件を当事者間で明確化するための書面(リスト)で、平成21年度末時点で15工種のリストを作成済みである。)の策定・周知徹底などに取り組んでおり、今後も、同協議会を活用して総合工事業者・専門工事業者間の関係の適正化に取り組んでいくこととしております。
工務店等の中小住宅生産者は、我が国の戸建て住宅の約8割を占める木造住宅の建設や住宅リフォーム工事の最大の担い手であり、その生産供給体制の近代化・活性化を図ることは、良質な木造住宅ストックの形成・適切なリフォームの実施等を図る上で必要不可欠です。そこで、中小住宅生産者の経営力の向上、設計・積算の情報化、高性能又は地域に適した木造住宅等の開発・普及、及び木造建築技能者の育成等を推進する事業等により、総合的な木造住宅振興を図ることとしております。大工等技能者の高齢化が進行する中で、伝統構法を活かした木造住宅の生産体制を再構築する観点から、大工技能者の育成を重点的に推進していくこととしており、一般社団法人 大工育成塾(〒105-0001東京都港区虎ノ門1-1-21 新虎ノ門実業会館2F TEL 03-3504-6604)が行う講義と実習からなる研修等の事業を支援しています。
また、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づき、平成22年10月1日以降に新築住宅を引き渡す建設業者及び宅地建物取引業者に対し、住宅瑕疵担保責任保険への加入又は保証金の供託の方法による資力確保が義務づけられましたが、このうち、住宅瑕疵担保責任保険について、住宅保証基金を造成し、中小住宅生産者の保険への加入を支援しています。
さらに、住宅リフォームの促進に向けて、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町6-26-3 上智紀尾井坂ビル5F TEL 03-3261-4567)において、インターネットによる消費者等への情報提供(リフォネット http://www.refonet.jp/)、リフォームに係る技術情報の提供、人材育成等を行うほか、消費者が安心してリフォームを実施できる環境を整備するため、リフォーム見積相談制度や各地の弁護士会における専門家相談制度を創設し、また、多様なリフォーム工事を対象とする住宅リフォーム工事瑕疵保険制度を整備しました。平成22年1月には、エコリフォーム(窓の断熱改修又は外壁、屋根・天井もしくは床の断熱改修)又はエコ住宅の新築により省エネ・環境配慮に優れた商品等に交換できるポイントを付与する住宅版エコポイント制度を創設し、エコリフォームの推進等に取り組んでいます。
不動産の売買や賃貸の媒介等を行っている中小不動産業者の協業化等を推進し、不動産流通市場の近代化を図るため、一定の媒介契約に係る物件情報の登録義務の受皿として、指定流通機構制度が平成2年5月から施行(昭和63年5月法改正)され、その活用が年々進んできたところです。
さらに平成9年4月には、透明な不動産流通市場の整備による中小不動産業者の協業化の更なる推進と消費者利益の増進を目指して、指定流通機構に登録を義務づける媒介契約の種類を拡大するとともに、登録の受皿となる指定流通機構の法的信頼性の向上を図るため、公益法人であることが法律上の要件とされました。
現在、全国を4つの地域に区分してそれぞれの指定流通機構が活用されているところですが、インターネット技術の導入、4機構の不動産情報を集約したデータベースの構築等を通じて、不動産業の高度情報化への対応を促進することにより、不動産物件情報システムであるレインズ(不動産流通標準情報システム)の充実が図られているところです。
また、消費者が不動産情報を収集する際の利便性向上と中小不動産業者に対するIT環境利用機会の提供を目的として、物件情報及び有益情報をワンストップで幅広く提供する「不動産統合サイト(不動産ジャパン)」を不動産業界が一体となって整備しており、国土交通省としてもこの取組を支援しています。
中小不動産業者の経営近代化に資するため、(財)不動産流通近代化センター(〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル8階 TEL 03-5843-2071)は、事業者団体等に対して、情報処理施設等の共同施設設置資金や不動産証券化手法を活用した特別目的会社による資産の取得資金の借入れに係る債務保証等を行っています。