中小企業の事業承継の円滑化は、雇用確保や地域経済に資するものとして大変重要です。特に、近年、中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、事業承継の円滑化は喫緊の政策課題となっております。
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出版物
平成22年度版 中小企業施策総覧
第2部 個別中小企業施策/第3編 財務サポート
第3章 中小企業の事業承継/第1節 中小企業の事業承継を取りまく現状
第3章 中小企業の事業承継 |
中小企業の事業承継の円滑化は、雇用確保や地域経済に資するものとして大変重要です。特に、近年、中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、事業承継の円滑化は喫緊の政策課題となっております。
中小企業は、地域経済の活力を維持するとともに、雇用全体の維持・拡大を支えるなど、我が国経済の基盤を形成する存在であり、その事業を次世代へと円滑に承継していくことが極めて重要な課題であります。しかし、多くの中小企業においては、実質的に所有と経営が一致しており、経営の承継に伴って、(1)民法上の遺留分による制約、(2)資金調達の困難性、(3)相続税負担といった様々な課題が発生しております。
後継者が安定的に経営を行っていくためには、先代経営者が保有する自社株式や事業用資産を後継者が円滑に承継することが重要です。しかし、後継者に安定的な経営を行わせるために自社株式等の全部を後継者に承継させようとしても、後継者以外の相続人の遺留分減殺請求権の行使によって、自社株式等が分散するおそれがあります。
※遺留分とは、相続人の生活の安定や最低限度の相続人間の公平を確保するために、兄弟姉妹及びその子以外の相続人が有する最低限の相続の権利。
事業承継に際しては、経営者の交代に伴い金融機関に対する信用力の低下が生じる可能性が高いとともに、後継者や会社による自社株式の取得等の場面において、様々な資金ニーズが生じることとなります。
先代経営者の相続開始に伴い、自社株式や事業用資産を相続した後継者に多額の相続税が課せられる可能性があり、後継者が納税資金としての現預金を十分に保持していないケースがあります。また、仮に納税資金に見合うだけの現預金がある場合であっても、中小企業経営者の多くは会社の債務について個人保証しており、相続税の負担は中小企業経営者にとって、事業承継の大きな障害と言えます。また、相続のみならず、計画的な生前贈与も事業承継には重要でありますが、この贈与税の負担についても大きな障害となっています