小規模事業者支援促進法等に基づき、商工会や商工会議所等を通じて小規模事業者に対する経営普及事業等を実施。
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平成22年度版 中小企業施策総覧
第2部 個別中小企業施策/第1編 経営サポート
第11章 小規模企業支援/第1節 商工会・商工会議所等を通じた支援
第11章 小規模企業支援 |

小規模事業者支援促進法等に基づき、商工会や商工会議所等を通じて小規模事業者に対する経営普及事業等を実施。
小規模事業者は全中小企業の事業所の87%、全中小企業の従業員の23%を占める等、地域経済の要として、地元資源や技術の活用、雇用の場の提供など地元に密着した活動を通じて、地域社会に大きな役割を果たすとともに、日本経済の発展に大きく貢献しております。
しかし、一方で小規模事業者は、以下のような経営上の問題点を抱えています。
このため、従来から小規模事業施策においては、小規模事業者が相寄り相集まって共同で事業を行うことにより、生産性を高めることができるよう、各種施策を講じてきました。
中でも、小規模事業対策の中核的実施機関である商工会・商工会議所は、小規模事業者の経営の改善発達を図るため個別企業への相談・指導を中心とした経営改善普及事業を40年余りにわたって実施しており、小規模事業者の実態に精通しています。
近年、技術革新や情報化の進展などを背景とした経営資源の高度化、消費者ニーズの変化、税制改革、環境問題など、小規模事業者を取り巻く社会経済環境は大きく変化しており、それに伴い、小規模事業者の支援ニーズも創業、経営革新、ITなど多様化・高度化しています。
今後の小規模企業支援においては、このような多様化・高度化するニーズに的確に対応していくことが必要となっています。
商工会・商工会議所は、それぞれ「商工会法」「商工会議所法」に基づき設立された認可法人です。全国で、商工会は主に町村地域に1,812ヵ所、商工会議所は主に市地域に515ヵ所設立されています。商工会、商工会議所は、商工業の総合的な改善発達を図り、併せて社会 一般の福祉の増進に資することを目的とした、「地域の総合経済団体」です。
商工会、商工会議所は商工会法、商工会議所法ができる以前より、地域の商工業者の集まりである民間団体として小規模事業者に対する指導業務を行っていた経緯にかんがみ、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援促進法)」において、小規模事業者の経営の改善発達を支援する事業(経営改善普及事業)を実施する「指導団体」として位置付けられています。
商工会、商工会議所は、経営改善普及事業の他にも、商工業に関する施設の設置・運用(基盤施設事業)、商工業に関する調査研究、講習会・講演会・展示会等の開催、意見の公表や国会や行政庁への意見具申、共済事業を始めとした社会一般の福祉の増進等、地域経済の活性化のための様々な事業を実施しています。
事業計画の認定等については、都道府県の商工行政担当課に提出することになります(全国商工会連合会及び日本商工会議所については中小企業庁)。


| 経営革新 | 経営一般 | 情報化 | 金融 | 税務 | 労務 | 取引 | 環境対策 | その他 | 合計 | |
| 合 計 | 142,613 | 1,457,507 | 103,514 | 933,449 | 742,127 | 606,263 | 80,330 | 19,123 | 1,126,806 | 5,211,732 |
商工会、商工会議所は、経営改善普及事業として、経営指導員等を設置し、小規模事業者に対する個別相談・指導を実施し、また、税理士会とも協力して税務に関する指導を実施しています。一方、近年地域経済の活性化と小規模事業者の経営の改善発達を一体的に行っていく必要があること、産業構造の変化、技術革新の進展に伴い経営資源が高度化していること、小規模事業者が持ち前の機動性を発揮して事業を展開することが必要となっていること等により、経営改善普及事業も個別の相談・指導を中心とした体系から地域振興事業の実施、専門指導体制の整備、後継者育成等の人材能力開発の推進、創業や経営革新、新事業展開に関する支援等をも含めた多面的な体系へ変化しています。
小規模事業者の経営や技術の改善、向上を促進するため、各市町村にある商工会や商工会議所に経営指導員が置かれ、小規模事業者の経営相談、経営指導等に当たっています。経営指導員は、小規模事業者がその経営において必要な金融、税務、労働、取引、経理、その他あらゆる分野にわたってきめ細かく相談に応じ、指導を行います。
また、通常の相談に対し、高度かつ専門的な問題、業種別の問題あるいは広域的な問題等に対応するため、都道府県商工会連合会に広域指導センターが、商工会議所の内部に専門センターが設置されており、専門経営指導員や嘱託専門指導員が具体的な相談に応じています。
さらに、技術・経営に関する分野の知識や技能を持つ専門家を都道府県商工会連合会等に登録し、小規模事業者等からの要請に応じこれらの専門家を派遣する事業も併せて実施しています(エキスパートバンク)。
一方、経営指導員が小規模事業者の相談に応じるためには、新たな経営管理手法や、施策情報等を習得する必要があります。このため、商工会、商工会議所の経営指導員等を対象に全国統一のカリキュラムによるWEB上での継続的な研修を実施し、経営指導員等の資質向上を図っています。
小規模事業者には、経営と家計が未分離なものが多く、企業として最低限必要な帳簿を作成していないものが多くみられますが、記帳は小規模事業対策として行われる金融面や税制面の施策を受ける基礎となるばかりでなく、小規模事業者の経営改善の前提です。このため、従来から企業記帳を専門的に指導する記帳専任職員及び記帳指導員を商工会、商工会議所に配置しています。これら記帳専任職員等は、小規模事業者の記帳を指導するばかりでなく、必要に応じて企業のための記帳事務の代行も行います。
また、小規模事業者の記帳の合理化を図るなどの目的で、記帳の機械化を推進しています。これは、機械化を図っている商工会、商工会議所に小規模事業者が毎日の売上げ、仕入伝票等を毎月定められた時期にまとめて持ち込むと、コンピュータに打ち込まれ、毎月末現在の元帳、試算表等が整理されて企業に提供されるシステムです。
経営指導員等の相談・指導以外にも、地域振興・販路開拓・創業支援等を図るため、商工会、商工会議所を通じ、次のような支援を実施しています。
地域の資源を活用した新たな製品の開発や全国的な販路開拓、観光開発といった、地域の産品や魅力を全国に発信し、人々を惹き付けようとする取組みに対して幅広い支援を行っています。
具体的には、商工会・商工会議所等が地域の小規模事業者等と協力して行う新製品の開発や観光資源の開発、全国展開へ向けた情報発信などの取組みに対する支援や全国的な商談展示会の開催などによるマッチング支援を行います。
東京・有楽町に設置された販路の拠点「むらからまちから館」において、全国各地で開発された特産品や新商品を展示し販路開拓の支援を行うとともに、消費者ニーズ・特産品の需要動向の把握・還元のためのモニター調査等を実施しています。
また、地域の観光や特産品などの情報を収集し、紹介ビデオやパンフレット等を活用した情報提供を行っています。創業に必要な実践的能力の習得を目指す30時間程度の「創業塾」を開催し、創業を志す者が新規開業を実現できるようソフト面での支援を行っています。
また、経営革新のノウハウを習得させる「経営革新塾」を開催し、新たな事業展開を目指す事業者や若手後継者の支援も行っています。
商工会、商工会議所においては、小規模事業に従事する青年・女性層や若手後継者を対象にその資質向上を図るための研修会等の開催や調査研究等を実施しています。
商小規模事業者の海外展開を支援するため、上海に海外駐在員を置いて、国内小規模事業者に寄与する海外情報を収集・提供しています。
全国の商工会議所及び都道府県商工会連合会に「経営安定特別相談室」を設置して中小企業者からの相談に応じています。

小規模事業者の経営の改善発達を支援する事業を従前にも増して推進するために、平成5年に「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援促進法)」を制定しました。この中で、高い公益性を有する地域の総合経済団体であって、長年にわたり経営改善普及事業の実績を通じて小規模事業者の実態に精通している商工会・商工会議所を、小規模事業者の経営の改善発達を総合的に支援する主体として位置付け、これらによる事業の共同化等に寄与する施設を設置する事業(基盤施設事業)等に対して、支援措置を講じております。
基盤施設事業は、直接的に小規模事業者の経営基盤たる施設の近代化を促進するとともに、事業の集団化、共同化等による経営の効率化、近代化の促進について小規模事業者が経験的学習を積む機会を提供することにより、その経営能力を向上させ、併せて地域商工業の総合的な改善発達に寄与することを目的とした事業です。事業内容は、小規模事業者の事業の集団化、共同化等に寄与する施設を商工会等が自ら又は商工会等の指導及び助言を受ける者(会社、公益法人を想定)が設置・運営する事業で、具体的な施設は、次のとおりです。
(1) 共同工場、共同店舗等の小規模事業者の事業活動の場となる施設
(2) 展示場、研修施設等の小規模事業者の事業活動を支援する施設
(3) 多目的ホール、駐車場等の小規模事業者の集客力向上に資する施設
なお、「小規模事業者支援促進法」の認定を受けた基盤施設計画に基づいて基盤施設事業を実施する際に、次のような各種支援措置が受けられます。
さらに、商工会等が行う小規模事業者の経営の改善発達を支援する事業(経営改善普及事業又は基盤施設事業)と連携して実施される、小規模事業者の技術の向上、新たな事業分野の開拓等に寄与する事業を、連携計画に基づいて商工会等以外のものが実施する際にも、中小企業信用保険法の特例措置が受けられます。
商工会、商工会議所等又は公益法人が認定基盤施設計画に従って、中心市街地以外の地域において、一体となって行う少子高齢化、環境保全、安全・安心・防犯・防災等の国家的政策課題と調和した商業活性化への取り組みに対し、その経費の一部を補助します。
商工会、商工会議所又は第3セクター(公益法人・株式会社)が認定基盤施設計画に従って以下の基盤施設事業を実施する場合、中小企業基盤整備機構の無利子融資の対象となります。
商店街の活性化を図るための施設又はこれらの施設と併せてショッピングセンター型の商業店舗を設置・運営する事業
地域の産業おこしの基盤となる施設の設備・運営を行う事業
商工会若しくは都道府県商工会連合会又は商工会議所が、認定基盤施設計画に従って実施する基盤施設事業に必要な設備資金を民間金融機関及び高度化融資実施機関から借り入れる場合に、当該借入れに係る債務を、それぞれ全国商工会連合会・日本商工会議所が保証します。
認定基盤施設計画又は認定連携計画に従って、基盤施設事業又は連携事業を実施する一定の公益法人を中小企業信用保険法上の中小企業者とみなして、当該公益法人の行う基盤施設事業又は連携事業の実施に必要な資金の借入れを保険の対象とします。
商工会等の非収益事業所得については、非課税となっています。収益事業所得についても、商工会等が以下の事業を実施する場合は、収益事業の範囲から除外され、法人税、事業税、事業所税が非課税になります。
(認定基盤施設事業を実施する場合であって、)
第3セクターが高度化融資を受けて認定基盤施設事業を実施する場合、その事業の用に供する土地に対しては、特別土地保有税が非課税になります。
| 税の種類 / 実施主体 | 商工会等自ら事業を実施 | 財団形態の第3セクターが事業を実施 | 会社形態の第3セクターが事業を実施 |
| 法人税 | ○ | × | × |
| 事業税 | ○ | × | × |
| 事業所税 | ○ | × | × |
| 特別土地保有税 | × | ○ | ○ |
中小企業のうち特に小規模事業者は、経営内容が不安定であること、担保・信用力が乏しいこと等の理由から事業の生命線ともいうべき金融確保の面で極めて困難な立場に置かれています。
本制度は、こうした状況に鑑み、商工会・商工会議所・都道府県商工会連合会の経営指導員が経営指導を行うことによって、日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資を行い、もって小規模事業者の経営改善を図るべく、昭和48年に制定されたものです。

小規模事業者に係る融資対象要件
[1] 常時使用する従業員が商業・サービス業にあっては5人以下、製造業その他にあっては20人以下の法人・個人事業主
[2] 原則として6ヵ月以前から、経営指導を受けている者であって、経営指導員による経営指導に基づく設備、施設の近代化・販売方法の改善、その他の経営又は技術の改善のために必要な資金を借り入れようとする者であること(指導期間の短縮ができる場合があります。)。
[3] 最近1年以上同一会議所等の地区内で事業を行っている者であること(ただし、他の会議所等の地区から移転の場合は営業期間を通算できる)。
[4] 所得税、法人税、事業税又は都道府県民税若しくは市町村民税(均等割を含む)について、納期限の到来している当該義務納税額(延納又は納税猶予に係る税額を除く)をすべて完納している者。
[5] 商工業者であり、かつ日本政策金融公庫の非融資対象業種等に属していない者。
主たる事業所の所在する地区の商工会、商工会議所、日本政策金融公庫各支店。
沖縄振興開発金融公庫本・支店。