第3節 中小企業の賃金制度 

1. 中小企業の賃金水準の実態について

(1)大企業と中小企業の賃金水準
 賃金の実態については、第1節で見たとおり、2007年時点において、中小企業では、正社員の平均給与が29.8万円、非正社員の平均給与が12.1万円となっており、大企業では、正社員が38.3万円、非正社員が13.4万円となっている。非正社員の平均給与については、大企業と中小企業で差が小さいが、正社員の平均給与については、大企業と中小企業でやや大きな差がある(先の第3-1-18図)。

(2)年齢階層別の賃金水準
 大企業と中小企業の正社員の給与水準は、年齢階層ごとにどのように変化するのであろうか。第3-3-1図は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の再編加工により、大企業と中小企業ごとに正社員の給与水準の中央値(メディアン)を年齢階層別に算出したものであるが、これによると、大企業も中小企業も給与水準が30〜34歳から50〜54歳にかけて年齢が高くなるほど上昇しているが、中小企業は大企業に比べて上昇のスピードが緩やかであることが分かる。これは、大企業の賃金が年功序列の性格が相対的に強い一方、中小企業の賃金が年功序列よりも成果給の性格が強いことを示唆している。
 次に、年齢階層別の賃金水準を製造業と非製造業に分けて見てみよう(第3-3-2図〔1〕、〔2〕)32。これらの図によると、大企業の製造業の賃金カーブが大企業の非製造業や中小企業に比べて大きな傾斜となっていることと、中小企業の製造業と非製造業を比べると、両者の賃金カーブの傾斜に大きな相違がないことが見てとれる。このことから、大企業の製造業は年功序列の性格が相対的に強い一方、中小企業は製造業・非製造業にかかわらず、年功序列よりも成果給の性格が相対的に強いと考えられる。

第3-3-1図 正社員の賃金カーブ
〜中小企業の正社員における賃金の上昇は大企業の正社員に比べ緩やか〜
第3-3-1図 正社員の賃金カーブ
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第3-3-2図 製造業・非製造業別正社員の賃金カーブ
〜大企業製造業の正社員において賃金カーブの傾斜が大きい〜
第3-3-2図 製造業・非製造業別正社員の賃金カーブ
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32 中小企業の正社員における賃金を低い方から数えた第一四分位、第三四分位のそれぞれと比較してみても、大企業における年功序列の性格は強いといえる(付注3-3-1付注3-3-2)。

 第3章 中小企業の雇用動向と人材の確保・育成

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