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平成19年度
中小企業関係概算要求・財政投融資要求の概要

平成18年8月25日
経済産業省
中小企業庁

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中小企業への3つの応援(PDF/234KB)

?.基本的考え方

 我が国全体の景況は回復を続けているが、中小企業については回復力は弱く、また、地域によって、回復にばらつきが見られる状況である。
 このような状況下、自立的な産業活性化を目指す地域、やる気と潜在力ある中小企業、起業・再起業等を目指す個人(ヒト)の新展開を応援し、景気回復、雇用拡大のすそ野を拡げ、景気回復を確かなものとする。
 このため、以下の考え方を基本に概算要求及び財政投融資要求を行う。また、法的措置についても、必要に応じて検討する。

  1. 地域中小企業の活性化(地域の応援)
    (1)「地域資源活用企業化プログラム」の創設
    (2)まちづくりの推進と商店街の振興

  2. 中小企業の発展・再生の支援(企業の応援)
    (3)モノ作り中小企業の高度化支援
    (4)政策金融改革の的確な実現と中小企業金融の充実・円滑化
    (5)中小企業再生の推進・事業承継の支援

  3. 起業・再起業促進や中小企業で働く人材の支援(「ヒト」の応援)
    (6)起業・再起業の支援
    (7)小規模・零細事業者に対する支援
    (8)女性・OB人材・若者を活かした事業展開の支援

?.概算要求額及び財政投融資要求額

  1. 概算要求額
    平成19年度要求額
    平成18年度予算額
    対前年増減
    1,493億円
    1,204億円
    +289億円

    ※この他、財務省、厚生労働省において518億円を計上(平成18年度:412億円)
    • 中小企業金融公庫(保険部門)に対する出資(財務省計上)456億円
    • 国民生活金融公庫に対する利子補給金(財務省計上)10億円
    • 政策金融機関統合準備補助金(国民生活金融公庫)(財務省計上)16億円
    • 独立行政法人勤労者退職金共済機構に対する運営費交付金(厚生労働省計上)36億円

  2. 財政投融資要求額(貸付規模)
    19年度計画
    18年度当初計画
    17年度実績
    中小企業金融公庫
    注1 15,729億円
    16,403億円
    13,209億円
     (うち証券化)
    1,503億円
    1,503億円
    271億円
    国民生活金融公庫
    注2 23,500億円
    26,000億円
    21,295億円
     (うちマル経)
    4,000億円
    4,500億円
    1,963億円
    (注1)予想しがたい経済事情の変動その他やむを得ない事情により、計画額に不足が生じる見込みが明らかになった場合には、財投からの借入及び債券限度額について5割を限度に増額することができる(弾力条項)ので、最大2兆2,375億円の貸付規模を確保することが可能。
    (注2)国民生活金融公庫は普通貸付ベース。上記弾力条項に基づき、仮に弾力性の効果を全て普通貸付に振り向ければ、最大で3兆4,650億円の貸付規模を確保することが可能。
    (注3)なお、商工組合中央金庫については、融資計画は1.8兆円としている。商工組合中央金庫の貸付規模については、実需に応じ債券発行等による資金調達を的確に行い、所要の規模を確保することが可能。

?.重点項目

  1. 地域中小企業の活性化(地域の応援)
    (1)「地域資源活用企業化プログラム」の創設
     大都市に比べて景気回復の遅れが見られる地域において、地域の中小企業の「知恵」と「やる気」を活かした事業展開を支援することにより、中小企業の活力による自立型の産業構造を強化していく。
     地域資源活用企業化プログラムを創設し、地域中小企業による地域資源(産地の技術、農林水産品、伝統文化等)を活用した新商品・新サービスの開発・販売を促進する。5年間で1,000の新事業創出の取組を目指す。
    1. 地域資源を活用した事業展開への支援
       地域資源を活用した事業展開の支援のため、マーケットに精通した優れた外部のアドバイザーを、地域の中小企業に効果的に提供する。このため、全国に支援拠点を設置し、外部アドバイザーが商品づくりやブランド構築の指南(ハンズオン支援)を行う体制を整備する。
       さらに、地域資源を企業化に結びつけるための勉強会の開催や研究開発、事業化段階での試作品開発や展示会出展等に対する支援を行う。
       また、地域活性化ファンドの創設等により、資金調達の円滑化を図る。
      • 地域資源活用企業化プログラム:
         19年度要求額102.5億円(新規)
      • 地域活性化ファンドの創設【中小機構】
    2. 全国、世界に通用する地域発ブランドの育成支援
      • JAPANブランド育成支援事業:
         19年度要求額15.1億円(18年度予算額10.1億円)
    (参考)地域資源を活用してマーケットを切り開いた取組(PDF/278KB)

    (2)まちづくりの推進と商店街の振興
     コンパクトでにぎわい溢れるまちづくりを進めるため、5月に成立した改正中心市街地活性化法に基づき、中心市街地活性化本部を中核として、「選択と集中」の下、中小小売商業者等の意欲的な取組を支援する。
     また、少子化や就業機会創出など、地域経済の課題に対応すべく、地域コミュニティの「顔」である商店街を活用する。3年間で100のモデル的な商店街の確立を目指す。
    1. 中心市街地の活性化
       中心市街地活性化法に基づき認定を受けた地域で行われる商業施設の整備や中心市街地活性化協議会の設立・運営に対する支援等を行う。
      • 戦略的中心市街地商業等活性化支援事業
         19年度要求額96.1億円(18年度予算額59.0億円)
    2. 地域コミュニティを支える商店街の振興
       少子高齢化等の課題に対応するため、空き店舗を活用した育児施設や起業・就業等のためのオフィススペースの設置に対する支援等を行う。
      • 少子高齢化等対応中小商業活性化事業
          19年度要求額32.9億円(18年度予算額28.9億円)

  2. 中小企業の発展・再生の支援(企業の応援)
    (3)モノ作り中小企業の高度化支援
     本年6月に施行された「中小ものづくり高度化法」に基づき中小企業と川下産業の連携による研究開発を支援するとともに、工業高校等を活用した人材育成など総合的な施策を展開し、高度部材・基盤産業を支えるモノ作り中小企業を支援する。
     また、新市場を開拓するため海外に展開する中小企業に対して、情報提供及び金融面での支援を行う。
    1. モノ作り基盤技術の研究開発支援
       重要産業分野の競争力を支える基盤技術の高度化に向けて、川下産業のニーズを的確に反映した高度化指針を策定し、これを踏まえた研究開発を支援する。
      • 戦略的基盤技術高度化支援事業
         19年度要求額126.4億円(18年度予算額64.0億円)
    2. モノ作り人材の育成
       中小モノ作り人材の育成・確保を行うため、地域の中小企業、工業高校、行政等が一体となって行う実践教育の導入などの人材育成を支援する。
      • 中小モノ作り人材育成事業
         19年度要求額8.0億円(新規)
    3. 海外事業展開に対する環境整備
       中小企業の国際展開への対応能力の向上を図るため、海外進出先の情報提供を行うとともに、中小企業の海外事業に係る資金調達の確保を円滑化するため、ファンドを組成し、支援を行う。
      • 中小企業海外展開支援事業
         19年度要求額39.7億円(18年度予算額32.5億円)
      • グローバルファンドの創設
    (4)政策金融改革の的確な実現と中小企業金融の充実・円滑化
     行政改革推進法及び制度設計に基づき、中小企業者の視点に立った政策金融改革を的確に実現する。
     また、不動産担保や個人保証に過度に依存しない融資を推進し、中小企業の融資・保証制度を拡充するとともに、利用者の視点に立った信用保証制度の見直し、サービス向上等を実施することにより、中小企業金融の充実・円滑化を図る。
    1. 政策金融改革の的確な実現
       行政改革推進法及び制度設計に基づき、ユーザーである中小企業者への融資等が引き続き円滑に提供されるよう、平成20年度からの商工中金の特殊会社化に向けて所要の法整備等を着実に進める。
       中小企業金融公庫や国民生活金融公庫等が統合される新政策金融機関についても、中小企業者の利便性が確保されるよう、所要の法整備等をしっかりと進める。
    2. 不動産担保や個人保証に過度に依存しない融資の推進(含む財投要求)
       民間金融機関による中小企業者向けの無担保融資を促進するため、中小公庫による証券化支援業務の対象中小企業をさらに拡大するとともに、流動資産(売掛債権・在庫等)を活用した融資を促進するため、流動資産担保保証制度を創設する。
      • 証券化支援事業(一般会計)
         19年度要求額65.0億円(18年度予算額45.0億円)
      • 証券化支援事業(産投出資)
         19年度要求額42.0億円(18年度予算額42.0億円)
      • 流動資産担保保証制度の創設
    3. 信用保証制度の見直し
       再生支援策の強化、第三者保証人を求めることの原則禁止、さらには保証協会と金融機関との責任共有による連携強化等により、信用保証制度を適切に見直す。
      • 信用保証協会の運営基盤の強化等
         19年度要求額52.0億円(18年度予算額42.0億円)
    (5)中小企業再生の推進・事業承継の支援
     これまで1,000件を超える再生計画をとりまとめた中小企業再生支援協議会を一層充実させるとともに、再生時における金融支援を拡充し、地域における中小企業の再生を推進する。
     また、事業承継については、事業承継協議会の検討成果等を踏まえ、情報提供等を行う支援ネットワークを構築するなど総合的支援を行う。
    1. 再生に取り組む中小企業への支援(含む財投要求)
       各都道府県に設置している「中小企業再生支援協議会」において、中小企業の再生支援を着実に実施する。また、協議会が有するノウハウ等を全国ベースで有効活用するための仕組みを構築する。
      • 中小企業再生支援協議会事業
         19年度要求額40.5億円(18年度予算額30.5億円)
      • 事業再生を支援する融資制度の拡充【中小公庫、国民公庫】
    2. 事業承継の円滑化に向けた総合的な支援(含む財投要求)
       中小企業経営者の高齢化が進展する中、中小企業の円滑な事業承継を支援するため、事業承継協議会の運営や、シンポジウム開催等による普及啓発、実務家間の事業承継支援ネットワークの構築等を行う。
      • 中小企業事業承継円滑化支援事業
         19年度要求額4.0億円(新規)
      • 事業承継資金融資制度の創設【中小公庫、国民公庫】

  3. 起業・再起業促進や中小企業で働く人材の支援(ヒトの応援)
    (6)起業・再起業の支援
     我が国の経済を活性化するため、金融制度の拡充や資金計画に関する相談窓口の設置等により、起業・再起業等を支援する。
    1. 再挑戦支援のための融資・保証制度の創設(財投要求)
       経営に失敗した者が再挑戦する場合などでは、担保用資産の不足、経営者の信用低下等により融資を受けにくい現状の中で、経営者の資質や事業の見込み等を評価するなどして、政府系金融機関の融資や信用保証協会による保証を可能とする枠組みを創設する。【中小公庫、国民公庫】
    2. 個人の保証に依存しない融資の推進(財投要求)
       創業等への挑戦を支援するため、定期的な財務報告などの約束を守ることを前提に経営者の本人保証を免除する制度を創設する。また、第三者保証人の非徴求を徹底・拡大する。【中小公庫、国民公庫】
    3. 再チャレンジ支援窓口相談事業
       新たな事業において再挑戦する者を支援するための相談や、事業継続の見通しがつかない事業からの早期撤退、その上での債務整理等の手続きなどのアドバイスを行う相談窓口を全国に設置する。
      • 19年度要求額14.0億円(新規)
    (7)小規模・零細事業者に対する支援
     地域経済・社会活力の源である小規模・零細事業者に対して、身近な経営面の相談窓口の強化や経営革新の指導、円滑な資金調達環境の確保等、経営力強化に対する支援を行う。
    1. 小規模事業者等への支援
       小規模事業者による全国市場に向けた事業展開の支援、創業・新事業展開を志す者がノウハウや実践的能力を習得できるよう、専門家による支援や「創業塾」の実施など幅広い支援を行う。
      • 小規模事業者新事業全国展開支援事業
         19年度要求額25.1億円(18年度予算額25.1億円)
      • シニアアドバイザー事業
         19年度要求額18.0億円(18年度予算額18.0億円)
      • 創業人材育成事業
         19年度要求額16.1億円(18年度予算額16.1億円)
      • JAPANブランド育成支援事業
         19年度要求額15.1億円(18年度予算額10.1億円)
      • 再チャレンジ支援窓口相談事業
         19年度要求額14.0億円(新規)
    2. 小企業等経営改善資金融資(マル経)制度(含む財投要求)
        商工会等の経営指導を受けた小規模企業者に対し、国民生活金融公庫が無担保・無保証人、低利で融資を行う。【国民公庫】
    (8)女性・OB人材・若者を活かした事業展開支援
     女性、OB人材、若者を活かした中小企業の事業展開を支援するため、育児施設等の厚生施設の設置や高齢者のための事業環境の整備、各地域における中小企業と若者との相互理解の促進などの支援等を行う。
    1. 少子化時代に対応した経営への支援(含む財投要求)
       中小企業における仕事と育児の両立のため、託児施設等の設置に対し、低利融資による支援を行う。また、先進的事例を基に、少子化に対応したマネジメントの導入を支援すべく、普及・啓発活動を展開する。
      • 中小企業少子化対応経営普及事業
        19年度要求額0.9億円(18年度予算額0.9億円)
      • 少子化対策融資制度の創設【中小公庫、国民公庫】
    2. 企業OBと中小企業のマッチング支援
       企業等OB(OB人材)と、中小企業とのマッチングを行うことで、中小企業の経営能力・技術力等の向上を支援する。
      • 企業等OB人材活用推進事業
         19年度要求額5.2億円(18年度予算額5.2億円)
    3. 若者と中小企業とのネットワーク構築支援
       若者の就業対策と中小企業の人材確保対策を促進するため、ジョブカフェや地域の教育機関等と連携しながら、若者と地元中小企業との相互理解を促進するモデル事業を支援する。
      • 若者と中小企業とのネットワーク構築事業
         19年度要求額27.6億円(18年度予算額19.0億円)

平成19年度 中小企業関係税制改正意見の概要
「中小企業の活力を引き出す税制改革」

●基本的視点
地域の経済と雇用の大宗を支える中小企業の経済活動を活性化するため、地域資源を活用した新事業展開への支援を強化するとともに、事業承継の円滑化等を図る。
  1. 「地域資源活用企業化プログラム」の推進
     地域の経済と雇用の大宗を支える中小企業の経済活動を活性化するため、地域に根ざした特色のある産地の技術、農林水産品、伝統文化等の地域資源を活用して、新商品や新サービスの開発・提供を行う中小企業に対し、事業の立ち上げ・拡大に向けた設備投資を支援する(法律に基づく事業計画の承認を受けた中小企業の行う設備投資について、7%の税額控除又は30%の特別償却を講ずる)。

  2.  
  3. 事業承継の円滑化
    (1)非上場株式に係る事業承継税制の見直し
     中小企業の事業承継に関しては様々な課題が存在しており、その抜本的解決は、中小企業の存続、経済活性化の観点からも重要。このため、特に重要な非上場株式の相続税負担について、後継者が非上場の自社株式を保有している間は課税を猶予する等の方法により、事業を承継する者の税負担の減免を図る。
    (2)種類株式の評価方法の明確化
     事業承継に際して後継者以外の相続人が存在する場合、民法上の遺留分制約の下で経営権集中と財産分配の両立を図るためには、議決権制限株式等の種類株式の活用が有効。しかし、現在は種類株式の評価方法が明確になっておらず、活用阻害要因になっていることから、予測可能性を高めるべく、評価方法の明確化を図る。
    (3)相続時精算課税制度の拡充
     相続時精算課税制度は、生前贈与を促進する観点から、相続時に精算することを前提に贈与税を軽減・簡素化している制度であるが、贈与者の年齢要件等の条件が設定されているため、中小オーナー経営者の計画的な事業承継を促進する制度としては不十分。そこで、中小オーナー経営者が、後継者である子供(経営に従事する役員となっている場合に限る)に対して、自社株式の贈与を行う場合に、年齢要件・非課税枠を緩和・拡充する。(現行:年齢要件65歳以上、非課税枠2,500万円)。

  4. 中小企業等基盤強化税制の延長
      中小小売業者等の経営基盤の強化を通じ、中小小売業等の高度化・高付加価値化を図るため、中小企業等基盤強化税制の適用期限を2年間延長する(現行:特別償却(初年度30%)又は税額控除(7%))。

  5. その他の中小企業関連税制
    (1)中小企業にとって不可欠な内部留保の充実を図るため、特定同族会社の留保金課税制度を撤廃する。
    (2)「政策金融に係る制度設計(18年6月行政改革推進本部決定)」に定められた商工組合中央金庫の株式会社化に伴う所要の税制措置を講ずる。
    (3)「政策金融に係る制度設計(18年6月行政改革推進本部決定)」に定められた中小企業金融公庫の株式会社化に伴う所要の税制措置を講ずる。
    (4)商工組合中央金庫及び信用保証協会が行う中小企業への融資等を円滑化するため、融資等に伴う抵当権設定の登記等につき、登録免許税の税率を軽減する措置の適用期限を延長する。
    (5)財務基盤が脆弱な事業協同組合等の内部留保の充実を図る観点から、事業協同組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限を2年間延長する。
    (6)財務基盤が脆弱な事業協同組合等において、貸付先の倒産に備えた貸倒引当金の十分な積立てを行うため、貸倒引当金の繰入限度額に係る損金算入の特例措置の適用期限を2年間延長する。
    (7)財務基盤の脆弱性から大規模な自然災害に備えるべく準備金の積立てを促進させる観点から、異常危険準備金に関する特例措置の適用期限を3年間延長する。
    (8)事業協同組合等における共済事業の健全性を確保する観点から、法律改正により保険業法、農協法等と同水準の措置を導入したことから、税制上の取扱いについても、保険、農協共済等と同等とすべく、事業協同組合等の共済事業を生命保険料控除等の適用対象に追加する。