トップページ公募・公開情報予算

平成18年度 中小企業対策
概算要求及び財政投融資要求の概要

平成17年8月
中小企業庁

このページはPDF形式でもご覧いただけます。ダウンロードはこちらから

I. 基本的考え方

  我が国全体の景気は緩やかに回復しているものの、中小企業の景況は一進一退の状況にある。
  このような状況の下、高度部材・基盤産業を支える中小企業を重点的に支援すると共に、中小企業の新事業展開支援や資金供給の円滑化等に万全を期すことにより、我が国経済・雇用の面で重要な役割を担う中小企業を活性化し、景気回復・雇用拡大をより確かなものとする必要がある。
  このため、以下の考え方を基本に概算要求及び財政投融資要求を行う。

1.高度部材・基盤産業を支える中小企業への支援

 

新産業創造戦略2005に挙げられている先端的産業分野等の競争力の源泉となる、高度部材・基盤産業を支える技術を担う中小企業に対し、川上・川下ネットワークの構築や研究開発への支援等、重点的な支援を行う。

2.中小企業の新事業展開や事業再生への支援

 

異なる分野の中小企業の連携による新製品の開発など、中小企業の新事業への挑戦を後押しする他、将来性のある中小企業の事業再生への取り組みを支援する。

3.中小企業の人材確保・育成支援

 

高等工業専門学校等と連携した実践教育や、優れた経営ノウハウや技術開発能力等を持つOB人材の活用により現場の人材育成を図るほか、若者と中小企業とのネットワーク構築等により、人材確保・育成を支援する。

4.中小企業金融の多様化・円滑化

担保や個人保証に過度に依存しない融資を促進するほか、利用者の視点に立って信用補完制度を見直すことにより、中小企業金融の多様化・円滑化を図る。

5.商店街・中心市街地活性化の重点化 

都市機能全般の市街地集約とにぎわい回復に一体的に取り組み、コンパクトなまちづくりを目指す地域に対し、重点的・集中的に支援する。

U.概算要求額及び財政投融資要求額

1.中小企業対策等の概算要求額

 

平成18年度要求額
平成17年度予算額
対前年増減
1,451億円
1,300億円
+151億円

※三位一体改革による18年度 廃止額:107億円
※この他、財務省、厚生労働省において540億円を計上 (平成17年度:430億円)
・中小企業金融公庫(保険部門)に対する出資等(財務省計上) 481億円
・国民生活金融公庫に対する利子補給金(財務省計上) 21億円
・独立行政法人 勤労者退職金共済機構に対する運営費交付金(厚生労働省計上)
                                    38億円

2.財政投融資要求額(貸付規模)

          
                                                               単位:億円

18年度計画
17年度当初計画

16年度実績

中小企業金融公庫

(うち証券化)
注1 18,000

1,503
18,300
1,503
16,463
130
国民生活金融公庫 注2
(うちマル経)
 注2 28,000
5,000
 30,000
5,000
 23,582
2,084

(注1)予想しがたい経済事情の変動その他やむを得ない事情により、計画額に不足が生じる見込みが明らかになった場合には、財投からの借入及び債券限度額について5割を限度に増額することができる(弾力条項)ので、最大2兆5,827億円の貸付規模を確保することが可能。
(注2)国民生活金融公庫は普通貸付ベース。上記弾力条項に基づき、仮に弾力性の効果を全て普通貸付に振り向ければ、最大で4兆900億円の貸付規模を確保することが可能。
(注3)商工組合中央金庫については、融資計画は1.8兆円としている。なお、商工組合中央金庫の貸付規模については、実需に応じ債券発行等による資金調達を的確に行い、所要の規模を確保することが可能。

V.重点項目

1.高度部材・基盤産業を支える中小企業への支援再生

 

 「新産業創造戦略2005」で挙げられている先端的産業を始め、現在及び将来において我が国を牽引して行く重要産業が今後とも競争力を維持・強化するためには、基盤技術を担う中小企業の競争力を高めて行くことが重要。
  しかし、こうした中小企業は、市場競争の進展に伴う系列関係の変化、技術の一層の高度化・専門化、人材確保・育成の困難さなど、様々な経営環境の変化や経営課題に直面している。 
  このため、川上・川下産業の情報共有の促進、研究開発への支援など、戦略的・重点的な施策パッケージを構築するとともに、必要な法的措置を検討する。

(1)川上・川下間のネットワークの構築支援

 基盤技術を担う川上中小企業と、燃料電池や情報家電等の川下産業間の緊密なコミュニケーションを通じた「情報の非対称性の解消」「川上中小企業が行う技術開発の不確実性の低減」を図るため、川上・川下間の連携・すり合わせをコーディネートする人材の配置や、両者の情報交換の場の創設、マッチング機会の創出など、川上・川下間のネットワーク構築に向けた取り組みを支援する。

  18年度要求額    17年度予算
川上・川下ネットワーク構築支援事業  4.0億円 (新 規)

(2)基盤技術の研究開発支援
  我が国経済を牽引していく産業分野(重要産業分野)の競争力を支える基盤技術の高度化に向けて、革新的かつハイリスクな研究開発や、生産プロセスのイノベーション等を実現する研究開発に取り組む中小企業を支援する

  18年度要求額    17年度予算
戦略的基盤技術高度化支援事業  92.0億円(新 規)

(3)高専等を核とした中小企業人材育成システムの構築
  地域の高専等との連携により、地元の中小企業のニーズに即した技術教育を行うため、プロジェクトを実施する機関がカリキュラムの開発や研修等を行う。

  18年度要求額    17年度予算
高専等活用 人材育成支援    12.0億円 (新 規)

(4)計量標準による技術の精度・信頼性の客観的な証明
  中小企業が行う加工・製造プロセスの精度・信頼性を客観的に証明し、製品の市場への供給を支援するため、地域の試験検査機関等による精度管理システムの構築や人材育成、施設整備等を行う。

  18年度要求額    17年度予算
中小企業への計量標準基盤強化事業 11.0億円 (新 規)

(5)基盤技術の承継の円滑化
  ものづくり中小企業が蓄積・保有する技術・技能の承継を円滑化するため、自社が有する設計・加工ノウハウ等を電子的に蓄積・活用する事を可能にする汎用性の高いソフトウェアを開発し、中小企業者に提供する。

  18年度要求額    17年度予算
中小企業基盤技術継承支援事業  7.0億円 (新 規)

(6)中小企業の知的財産権の保護・活用支援
  中小企業の知的財産権の創造、保護及び活用を支援するため、知的財産の活用に問題を抱える中小企業に対し、知的財産の活用ノウハウや問題解決方法の普及を目的としたセミナーを全国各地の商工会・商工会議所で開催するほか、窓口相談や専門家派遣を行う。

  18年度要求額    17年度予算
中小企業知的財産啓発普及事業  2.0億円 (新 規)

2.新事業展開や事業再生への支援

 我が国経済の活性化のためには、経済活力の源泉である中小企業の積極的な事業展開を促すことが必要。このため、新事業に挑戦する中小企業に対し、新製品・サービス開発から市場化・販路開拓まで一貫した支援を行うほか、経営状態を立て直すべく事業再生に取り組む中小企業を強力に支援する。

(1)「新連携」による新事業展開への支援
  異なる分野の中小企業が連携した新事業活動(新連携)による新事業展開を促進するため、各地域に設置された「新連携支援戦略会議」が中核となり、技術やマーケティング、金融等の専門家により事業計画の策定段階から市場化に至るまでフォローアップを行い、技術開発や販路開拓等を支援する。

  18年度要求額    17年度予算
新連携支援事業         54.4億円(46.0億円)

(2)創業や新事業活動への密接な支援
  商工会・商工会議所等の優れた支援人材(シニアアドバイザー)が創業や新事業展開を志す者に対し、ビジネスプラン策定や市場調査等の支援を行うことにより、創業、経営革新の芽の開花・結実を支援する。

  18年度要求額    17年度予算
シニアアドバイザー事業     14.8億円(12.0億円)

(3)JAPANブランド育成支援事業 
  地域の特性を生かした製品の魅力を更に高め、全国さらには海外のマーケットにおいても通用する高い評価(ブランド力)を確立すべく、商工会・商工会議所等が地域の企業等をコーディネートしつつ行う、マーケットリサーチ、新商品・デザインの開発・評価、展示会参加等の取組に対して、複数年度に亘って総合的支援を行う。

  18年度要求額    17年度予算
JAPANブランド育成支援事業 11.1億円( 9.1億円)

(4)再生に取り組む中小企業への支援
  今後も増加が見込まれる中小企業の再生へのニーズに対応するため、再生計画策定支援のための体制を強化するなど、中小企業再生支援協議会の強化を図る。更に、再生ノウハウの普及に向けたセミナー開催により、再生支援人材を育成する。

  18年度要求額    17年度予算
中小企業再生支援協議会事業 30.5億円(29.7億円)

3.中小企業の人材確保・育成支援

中小企業の積極的な事業展開を図るためには、ものづくり人材など企業の中核を担う優秀な人材が不可欠。
  このため、各地域における中小企業と若者との相互理解の促進や、高専等を核とした地域における人材育成、企業等のOB人材の技術・ノウハウを有効活用するためのマッチング事業等を行う。


(1)若者と中小企業とのネットワーク構築事業
  若者の就業対策と中小企業の人材確保対策を促進するため、ジョブカフェや教育機関を活用しながら、若者と地元中小企業との相互理解を促進するモデル事業を支援する。

   18年度要求額    17年度予算
若者と中小企業とのネットワーク構築事業 22.5億円(新 規)

(2)高専等を核とした中小企業人材育成システムの構築(再掲)
  地域の高専等との連携により、地元の中小企業のニーズに即した技術教育を行うため、プロジェクトを実施する機関がカリキュラムの開発や研修等を行う。

  18年度要求額    17年度予算
高専等活用 人材育成支援     12.0億円(新 規)

(3)企業OBと中小企業のマッチング支援
  中小・ベンチャー企業の新事業展開や経営革新等に不足しがちな、経営戦略等を助言する知見やノウハウを持った人材(企業等のOB)の掘り起こしや情報提供により、中小企業とのマッチングを行うことで中小企業の経営・技術等の向上を支援する。

  18年度要求額    17年度予算
企業等OB人材活用推進事業   12.8億円(5.1億円)

(4)少子化時代に対応した経営への支援
  仕事と育児を両立できる職場環境作り等、少子化に対応した経営を行っている中小企業の例を調査・分析した上で、ベストプラクティスを普及することにより中小企業の少子化対策を促進する。

   18年度要求額  17年度予算
中小企業 少子化対応経営 普及事業 1.1億円 (新 規)

4.中小企業金融の円滑化

不動産担保や保証人に過度に依存しない融資の一層の拡大とともに、信用補完制度について、利用者ニーズや利用状況の変化等を踏まえた制度の抜本的な見直しを行うこと等により、中小企業者の資金調達の円滑化を図る。
  特に、無担保融資については、民間金融機関による中小企業者向け無担保融資を促進するため、昨年7月に開始した証券化支援業務の枠を2700億円に拡大するとともに、対象となる中小企業の拡大を行う。また、政府系金融機関についても無担保融資の限度額引上げ等を行う。


(1)担保や個人保証に過度に依存しない融資の推進
  民間金融機関等の貸付債権の証券化への支援や、政府系金融機関による無担保・無保証融資の促進等、中小企業に対する、担保や個人保証に過度に依存しない融資を推進する。

    18年度要求額   17年度予算
証券化支援事業         59.0億円(35.0億円)
政府系金融機関による無担保融資の限度額引き上げ等(財投要求)

・中小公庫 
無担保          5千万円 → 8千万円
担保一部免除(免除割合の上限75%) 8千万円 → 1億2千万円
・商工中金 
無担保          8千万円 → 1億2千万円
担保一部免除(免除割合の上限75%) 8千万円 → 1億2千万円


(2)信用補完制度の抜本的な見直し
  信用補完制度について、利用者の視点に立った制度の見直しやサービスの向上、保証協会と金融機関との適切な責任共有による連携強化、更には信用補完制度の持続的な運営基盤の確立等、制度創設以来の抜本的な見直しを行う。

18年度要求額    17年度予算
信用保証協会の運営基盤の強化等 67.7億円(54.0億円)

5.商店街・中心市街地活性化対策の重点化

まちの郊外化や少子高齢化、将来的な人口減少等、商店街・中心市街地を巡る環境が厳しさを増す中で、コンパクトなまちづくりに取り組む先進的地域に対して戦略的な支援を行う等、商店街や中心市街地の活性化対策の重点投入を図る。

(1)コンパクトなまちづくりに取り組む中心市街地への重点的な支援
  コンパクトなまちづくりに向けて、都市機能の市街地への集約と、中心市街地のにぎわい回復を一体的に取り組む地域に対し重点的な支援を行い、中心市街地活性化策の先進地域モデルを示す。

戦略的中心市街地 中小商業等活性化 支援事業
    18年度要求額   17年度予算
                  80.0億円(41.0億円)

(2)少子高齢化に対応した商業施設整備
  少子高齢化に対応するため、空き店舗を活用した保育所やバリアフリー舗道の整備等を促進し、先導的な商業施設の整備を促進する。

     18年度要求額   17年度予算
少子高齢化等対応 商業施設整備事業 25.4億円(新 規)


 
平成18年度 中小企業関係税制改正意見の概要
〜中小企業の活力を引き出す税制改革

○基本的視点
  我が国の雇用・産業創出を担い、地域経済を支える中小企業の経済活動を活性化するため、中小企業の財務基盤強化等に向けた取組を支援するとともに、積極的な事業展開に資する投資を促進する。

1.中小企業の財務基盤の強化・資金調達能力の向上 

(1)同族会社の留保金課税について
 
  厳しい競争環境の中、新たな発展を目指す中小企業にとって、設備投資・研究開発等を行うための資金の確保、信用力向上を図るための財務基盤の強化といった経営課題に対処するためには、利益の内部留保が必要不可欠。同族会社の一定水準以上の内部留保に対して課される留保金課税(現行税率10〜20%)は、こうした中小企業の新たな発展の阻害要因となっているため、その廃止を含めた抜本的見直しを行う。

(2)創業5年以内の中小企業者に係る欠損金の繰戻し還付措   置の延長

  我が国経済を活性化するため、新産業・新事業の創出に寄与する中小企業者が、昨今の厳しい経済環境に対応できるよう、税制の整備を図る必要がある。このため、事業基盤が脆弱な創業間もない中小企業の資金繰り難を緩和するため、欠損金の繰戻し還付措置を延長する(現行:設立5年以内の中小企業について、1年間の繰戻し還付措置)。

(3)中小企業の事業承継の円滑化に資する税制の整備

  中小企業は付加価値を生み出す経済活力の原動力。それが、相続税の過重な負担のために次世代に継承されないことは、我が国経済にとって大きな損失。したがって、中小企業の事業承継を円滑化するための制度改善に引き続き取り組む(現行:事業用宅地の400m2まで相続税評価額の80%が非課税、自社株の相続税課税価格の10%軽減措置等)。

2.ものづくり等を担う中小企業の積極的な投資促進 

(1)中小企業投資促進税制の延長

  中小企業は我が国の構造改革を担う雇用・産業の原動力であり、依然として厳しい経済環境の中、引き続きものづくり基盤技術を担う企業をはじめとして意欲のある中小企業の設備投資の活性化を図る必要がある。このため、資金繰りの厳しい中で思い切った設備投資を可能とする中小企業投資促進税制を延長する(現行:特別償却(初年度30%)又は税額控除(7%))。

(2)中小企業者等の少額減価償却資産の特例の延長

  中小企業は我が国の構造改革を担う雇用・産業の原動力であり、依然として厳しい経済環境の中、大規模な投資支援だけでなく、小規模な減価償却資産の取得・更新を促進し、事業の効率化等を促進することにより中小企業の活力向上を図るため、中小企業者等の少額減価償却資産特例を延長する(現行:30万円未満の減価償却資産を取得した場合の全額損金算入)。

3.中小企業技術基盤強化税制(上乗せ措置)の延長 

経済活力の源泉であり、新事業・雇用創出の担い手である中小企業が経済・社会のニーズに即応した技術革新を図ることは不可欠。今後とも、我が国製造業を支えるものづくり基盤技術の高度化に向けた研究開発をはじめとする中小企業の研究開発への積極的な取組を支援するため、中小企業の試験研究費に対する税額控除割合の上乗せ措置を延長する(現行:試験研究費の15%を税額控除(12%は恒久措置、上乗せ分3%が時限措置))。

4.その他の中小企業関係税制措置 

(1)中小企業組合の信頼性の向上等のための中小企業等協同組合法の改正  に伴い、引き続き所要の措置を講じる。

(2)まちづくり3法の見直しに伴い、空き店舗対策を強化するため小規模  宅地への相続税課税の適用等について所要の措置を講じる。

(3)中心市街地において、中小小売商業高度化事業計画の認定を受けた商  店街振興組合等が行う商業施設等の整備を促進するため、商業施設等の  特別償却(8%又は12%)制度の適用期限を延長する。

(4)独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一定の政策目的に合致した工場等の移転等に対して、譲渡益課税の繰延べを認める買換え特例制度(圧縮記帳による損金算入制度(圧縮限度額80%))の適用期限を延長する。

(5)課税上の運用の明確化のため、その実態等を踏まえつつ、交際費等の範囲の明確化について所要の措置を講じる。

(6)事業形態による課税の不公平解消のため、個人事業主の報酬について勤労性に配慮した所要の措置を講じる。