3.参考資料
<5.平成19年度中小企業者等に対する特定補助金等の交付の方針>
平成19年6月22日
閣議決定
中小企業の創意ある成長発展により経済の活性化を図るためには、中小企業の新技術を利用した事業活動を支援することにより、中小企業の新たな事業活動を促進することが重要である。
このような認識に立ち、国は、平成19年度における中小企業者及び事業を営んでいない個人(以下「中小企業者等」という。)に対する中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律第2条第9項に規定する特定補助金等の交付の方針を次のとおり定め、国等の特定補助金等の交付に当たり、予算の適正な使用に留意しつつ、中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大を図るよう努める。
- 中小企業者等向け支出目標
国等は、平成19年度における国等の特定補助金等の交付金額のうち、中小企業者等に対して支出する額が、約390億円となるよう努めるものとする。 - 中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大を図るための措置
国等は、中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大を図る観点から、平成19年度において、次の措置により、各省各庁間の連携、中小企業者等への制度の周知、中小企業者等にとって分かりやすく利用しやすい制度運用等を進めていくこととする。
(1)中小企業技術革新制度連絡会議の活用
国は、中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大が効果的に行われるよう、中小企業技術革新制度連絡会議を活用し、特定補助金等を有する省庁その他関係する省庁との意見交換、連絡調整を行い、制度の充実に努める。
(2)中小・ベンチャー企業を対象とする段階的選抜方式の導入
国等のうち、研究開発予算の一定額以上を民間に支出している機関は、それぞれの業務内容を勘案しつつ、中小・ベンチャー企業を対象とする段階ごとの質の高い競争選抜による制度について検討し、20年度より導入を図る。
(3)特定補助金等の交付に関する情報の提供等
ア)中小企業技術革新制度への中小企業者等の積極的な参加を促進するため、国等は、可能な限り速やかに、すべての特定補助金等の一覧表、それぞれの特定補助金等の制度概要並びに特定補助金等として定められた補助金等の過去の採択テーマ及び採択企業に係る情報を取りまとめ、個人情報や企業秘密の保護等に配慮しつつ、インターネットへの掲載、電子メールを活用した情報発信、パンフレットの配布、セミナーの開催等により、中小企業者等に対し提供する。
その際、地方支分部局、商工会議所その他の機関を幅広く活用し、地方公共団体とも協力しつつ、取りまとめた情報が広く中小企業者等に提供されるよう努める。
イ)国等は、特定補助金等の申請書類については、中小企業者等の便宜のため、地方支分部局、地方公共団体、中小企業団体等における窓口、インターネット上等から入手できるよう措置する。
ウ)国等は、中小企業者等による特定補助金等に係る研究開発の成果を利用した新たな事業活動を支援するため、各特定補助金等ごとの趣旨等を踏まえつつ、中小企業者等に行わせるべき経済的ニーズや社会的ニーズに適合した技術開発の分野に応じた技術開発課題を提示するよう努める。
エ)国等は、特定補助金等に応募しようとする中小企業者等の参考となるよう、過去の応募件数、過去の採択件数等を開示し、また、中小企業に技術開発課題を提案させる特定補助金等については、提案例を示し、特定補助金等の申請をした中小企業者等に対して、当該申請に係る評価結果の理由を説明するよう努める。
オ)国等は、中小企業者等が中小企業技術革新制度を活用する上で必要となる情報の収集を円滑に行うことができるようにするため、大学等の研究機関に対して研究成果の開示等を行うよう働きかけることや、中小企業者等に対して異分野の中小企業者等その他の事業者等との連携を促進することで、大学等の研究機関及び異分野の中小企業者等その他の事業者等と中小企業者等との連携の機会を拡大するよう努める。
(4)公募等に対する十分な準備期間の確保
中小企業者等が公募に際して十分な準備期間が与えられるよう、国等は、公募情報の事前通知や一定の公募期間を確保することとする。
(5)十分な事業実施期間の確保
中小企業者等が十分に研究開発を実施できるよう、国等は、できるだけ早期に公募を開始するなど、事業実施期間の確保に努める。
(6)申請手続の簡素化等
中小企業者等の負担軽減のため、国等は、特定補助金等に関して、申請書類の記入例の提示等を行うとともに、申請手続の簡素化・共通化等申請手続の負担の軽減のための方策について連絡会議等を通じて検討を進める。
(7)外部評価の積極的活用
国等は、特定補助金等の申請内容の評価において、一層の公正を図るため、外部評価を活用することとする。
(8)特定補助金等の事後評価の実施
国は、特定補助金等においてなされた資金配分の適正さや選抜の妥当性について、横断的な事後評価の仕方を検討し、20年度から行う。
(9)特定補助金等の執行の弾力化
国等は、研究開発の特性を踏まえ、研究開発の進ちょくに合わせた特定補助金等の執行の弾力的な運用を可能とするため、翌年度に繰り越して使用できる繰越明許費の活用を図る。
また、特定独立行政法人等である独立行政法人は、特定補助金等の交付について、年複数回公募・採択、概算払い(前払い)の実施や、必要に応じた事業年度を超える交付を行うよう努める。
(10)中小企業者等の自主的努力の支援
国等は、特定補助金等の交付を受け、新技術に関する研究開発を行うことに意欲的な中小企業者等の能力向上に資するよう、中小企業者等の相談に応じ、申請に関する手続等について情報を提供する等必要な指導に努める。このため、特定補助金等の担当部局を明確にするとともに、地方支分部局を活用する等により中小企業者等からの相談に円滑に対応できるよう努める。 - 中小企業者等による特定補助金等に係る研究開発の成果を利用した新たな事業活動の支援措置
国等は、中小企業者等による特定補助金等に係る研究開発の成果を利用した新たな事業活動を支援するため、平成19年度において、次の措置により、支援機関に対する情報提供、各省各庁間の連携、研究開発成果の市場への普及等を進めていくこととする。
(1)特定補助金等の成果の利用を支援する機関への情報提供
国等は、中小企業投資育成株式会社、各都道府県等信用保証協会、中小企業金融公庫、中小企業基盤整備機構、ベンチャーキャピタル、金融機関等の中小企業者等の特定補助金等の成果の利用を支援する機関に対して、個人情報や企業秘密の保護等に配慮しつつ、現在公表している特定補助金等の採択テーマ及び採択企業に係る情報のほか、企業の技術力を判断するために活用できる情報を拡充し、当該情報をインターネット等を通じて公表する。
(2)事業化支援施策における省庁連携の確保
各省各庁は、特定補助金等の成果を利用した事業活動に対する支援を円滑に行うため、各種の事業化支援施策について、相互に連絡を取り合うこと等により、緊密な連携を図る。また、必要に応じて、調達側の関係者等を加えた中小企業技術革新制度連絡会議を開催し、意見交換を通じた制度の一層の拡充を図る。
(3)技術力のある中小企業者等の入札参加機会の拡大
ア)国等は、技術力のある中小企業者等の入札参加機会の拡大のため、上位等級への入札の参加基準となる統一的技術評価の方式について検討の上、技術力評価の数値を加算する仕組みを構築し、「技術力ある中小企業等の入札参加機会の拡大について(平成12年10月10日、政府調達(公共工事を除く)手続の電子化推進省庁連絡会議幹事会決定)」における必要な改正措置を講じるよう努める。
イ)官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律(昭和41年6月30日法律第97号)第2条第2項に規定する国等は、物品等の調達に関し、企画競争や総合評価方式に付した場合において、特定補助金等の交付を受けた中小企業者等が落札若しくは選定されなかった場合において、当該特定補助金等の交付を受けた中小企業者等から請求があるときは、当該請求を行った者が落札若しくは選定されなかった理由を、当該請求を行った者に通知するものとする。
(4)研究開発成果の市場への普及
ア)国等は、中小企業者等が特定補助金等を活用して行った研究開発の成果について、個人情報や企業秘密の保護等に配慮しつつ、その情報の開示等を通じて、当該研究開発成果の市場への普及の機会の増大に努める。このため、特定補助金等の研究開発成果を利用した事業化の状況の把握に努めるとともに、それらの研究開発成果の利用が効果的に行われた事例集を作成し、インターネットへの掲載、パンフレットの配布等により公表する。
イ)国等は、中小企業者等が特定補助金等を活用して行った研究開発の成果のうち事業化が見込まれるものについて、展示会や様々な機会をとらえた紹介の場を設け、広く一般にその研究開発成果を広報し、事業化が促進されるよう努める。
(5)研究開発成果に係る知的財産の活用の促進
ア)国等は、中小企業者等が特定補助金等を活用して行った研究開発の成果について、中小企業者等が、その成果を事業活動において効率的に活用することを促進するため、国等の委託による研究開発の成果たる知的財産権を受託者に帰属させることができる産業技術力強化法第19条(いわゆる日本版バイ・ドール制度)を、特別な事情のあるものを除き、すべての特定補助金等のうち委託費について適用することとする。
イ)国等は、特定補助金等ごとの趣旨等を踏まえつつ、中小企業者等が特定補助金等を活用して行った研究開発の成果に係る知的財産権の取得に要する経費について、特定補助金等の交付の対象となる経費として支出するよう努める。特に、海外を視野に入れた中小企業の新たな事業活動を促進するため、海外での知的財産権の取得に要する経費について、特定補助金等の交付の対象となる経費として支出するよう努める。
ウ)国等は、中小企業者等が特定補助金等を活用して大学等の研究機関と共同して行う研究開発における技術情報の漏えいを防ぐため、大学等の研究機関に対し営業秘密の管理や職員等の守秘義務を徹底するよう促す。 - 方針の実施
(1)国等は、本方針の普及及び徹底を図るものとする。このため、各省各庁は、上記の措置の実施状況について中小企業庁と密接な連絡を取るとともに、本方針の実施について、所管する特定独立行政法人等を指導する等適切な管理を行い、本方針の実施について遺漏のないよう努める。
(2)国等は、中小企業者の新技術を利用した事業活動を促進するため、国等から補助金、委託費その他相当の反対給付を受けない給付金の交付を受けた公益法人が、中小企業者等に対して支出する新技術に関する研究開発のための補助金、委託費その他相当の反対給付を受けない給付金についても、特定補助金等に類するものと位置付け、可能な限り同様の措置に努める。
(別 表)
平成19年度国等の特定補助金等の中小企業者等への支出目標額(単位:億円)
各 省 名 国等の特定補助金等の額
中小企業者向け支出目標額 総 務 省
101.5 32.2文部科学省 239.3 36.5厚生労働省
93.5 13.5農林水産省 141.1 17.0経済産業省 995.6 289.7国土交通省 7.3 0.7環 境 省 4.1 0.4合 計 1582.4 390.0(注)上表「国等の特定補助金等の交付額」には、中小企業者の支援を主目的としていない予算も含まれる。
