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第3章 中小企業のIT 化推進の支援策


 中小企業のIT化に向けた課題への対応を支援するため、国、地方公共団体、都道府県等中小企業支援センター、商工会、商工会議所、中央会等の各機関は、適切な役割分担の下で相互に連携を図りつつ、IT化を進める中小企業に対する直接的な支援、中小企業のIT化推進に向けた国等による基盤整備及び中小企業のIT化のための連携支援を進めていく。 
 なお、ITの進捗状況を踏まえ、施策について適宜適切に実施していくものとする。

1.中小企業のIT化支援

 

 (1) IT活用に対する意識向上と人材の育成

 中小企業のIT化に当たっては、経営者自身がITの効果と問題点を十分理解することが重要であり、中小企業経営者に対し、業種・業態や進展段階に応じた、IT活用に関するITセミナーや実践的な研修を実施する。また、IT導入に対し、中小企業の実態を踏まえたアドバイスができる人材を育成する。

1)セミナー・研修の実施
 平成15年度末において、中小企業のおおむね半数程度がインターネットを活用した電子商取引等を実施できるよう、約150万人を目標にして、セミナー・研修を実施する。

○ITセミナー等の開催(平成15年度:約5万人対象)

  • 都道府県等中小企業支援センターは、地域の中小企業経営者に対し、ITに関する啓発、普及のためのセミナーを、ITコーディネータ、中小企業診断士等の専門家を活用しつつ開催する。
  • 中小企業総合事業団は、ITを活用した新商品・技術の展示、IT活用のための具体的ノウハウの提供等を行うITフェスタを開催する。

○実践的IT研修の実施(平成15年度:約2万人対象)
 都道府県等中小企業支援センターは、中小企業経営者等を対象に、IT活用事例の紹介、インターネットを活用した電子商取引等の実施方法等、実践的なIT研修を実施する。

○中小企業大学校のWEB研修等
 中小企業総合事業団は、遠隔地の中小企業者等に対して効果的な研修を行うため、インターネットを活用した遠隔研修を実施する。

○中小企業向けeラーニング事業の実施(平成15年度:10万人対象)
 全国中小企業団体中央会は、日本商工会議所並びに全国商工会連合会の協力の下、中小企業経営者等を対象として、インターネットを通じ疑似体験を含めた電子商取引の実践的な研修事業を実施する。

○商工会、商工会議所、中央会等によるパソコン研修等(平成15年度:約10万人対象)
 商工会、商工会議所、中央会等は、保有するパソコン等の設備を活用して、中小・小規模事業者を対象にホームページ作成や電子商取引など企業経営に有用なIT活用についての研修を実施する。


○ITに係る職業訓練
 国(雇用・能力開発機構等)は、労働者等がITに係る職務上必要な実践的、応用的能力を習得することを支援するため、公共職業能力開発施設等においてIT職業訓練等を実施する。

2)ITアドバイザーの育成

○ITコーディネータの育成(平成17年度末までにITコーディネータ1万人)
 ITコーディネータ協会は、中小企業におけるITを活用した経営革新や経営の向上・改善について、的確なアドバイスのできる人材(ITコーディネータ)を育成する。

○IT知識を有する支援担当者の育成
 中小企業総合事業団は、中小企業診断士、経営指導員をはじめとした中小企業の支援を担当する者に対しIT活用に関する研修を実施する。 

○ITインストラクターの育成
 国(雇用・能力開発機構)は、中小企業におけるIT訓練の実施を促進・支援するため、ITインストラクターの計画的育成等、地域の事業主団体と連携した各企業のIT訓練体制整備を支援する。

 (2) IT化に関するアドバイス・コンサルティング

 中小企業のIT化推進には、専門的な知識や経営革新を踏まえた適切なアドバイスが重要であり、コンサルティング費用を一部負担する等によりIT化に関するアドバイス・コンサルティングを受ける中小企業を支援する。

○ITアドバイザー派遣事業

  • 中小企業総合事業団は、ITコーディネータ、中小企業診断士等の専門家によるIT導入・活用に関するアドバイス事業を行う。
  • 都道府県等中小企業支援センターは、中小企業に対し、IT・経営革新に関するアドバイザーを派遣する事業を行う。

○戦略的情報化投資活性化支援事業(ITSSP)
 国は、経営とITに通じた専門家であるITコーディネータ等を活用した経営者交流会やIT投資事例研究会等の事業を実施し、中小企業のIT化推進ための環境整備を図る。

 (3) ITシステム導入に対する支援

 政府系金融機関のIT貸付等により、中小企業のITシステム導入に対する支援を行う。また、商工会、商工会議所、中央会等は、アフターサービスも含めたIT導入支援サービスを行う。

1)資金供給の円滑化

○IT貸付制度
 政府系金融機関は、情報化投資に必要な資金供給の円滑化を図るための低利融資を行う。

○戦略的リース事業
 国は、戦略的に情報機器の導入を進める中小企業向けの民間リース事業を促進する。

○税制面からの支援(IT投資促進税制の創設)
 年間投資累計額が100万円以上の特定の器具及び備品(パソコン、デジタル複写機等)並びに年間投資累計額が70万円以上のソフトウェアの購入に際して、取得価額の10%の税額控除又は50%の特別償却、リースについては資本金3億円以下の法人に関してリース料の総額の60%について10%の税額控除が受けられるIT投資促進税制を創設(平成17年度末まで)。

2)商工会、商工会議所、中央会等によるIT導入支援サービス
 商工会、商工会議所、中央会等は、パソコン、インターネットの導入を検討している中小企業を対象に、パソコン、インターネット接続、コンテンツの作成、IT環境構築・利用説明サービス、アフターサービスなど総合的な導入を支援するとともに、ソフトウェアのサポートサービス等を行う。

2.中小企業のIT化のための基盤整備

 

 (1) 共通基盤的ソフトウェア等の整備

 中小企業のIT化を推進するため、ものづくりや商業の分野において中小企業が活用しやすい共通基盤的ソフトウェア等の開発・普及を行う。

1)新たなビジネスモデルの開発と商業分野の活性化

○IT活用型経営革新モデル事業
  国は、ITを活用した経営革新を促進するため、地域でモデルとなりうる企業間連携ネットワークシステム等の開発・導入・普及を行う。

○商業分野におけるIT化の推進
 国は、商店街等における先進的なIT等を活用した新たなビジネスモデルの開発・普及を行う。

○業務用アプリケーションソフトウェアの共同利用等
 商工会は、小規模事業者の業務実態を踏まえ、活用が容易だが購入困難な業務用アプリケーションソフトウェアの共同利用を図る。

○組合等連携組織を基盤とした情報ネットワークの構築並びに電子商取引推進のための業界基盤整備等の推進
 中央会は、組合等連携組織を通じ、中小企業の取引先及び中小企業相互間の情報交換を促進するためのネットワーク構築、並びに情報交換に必要な標準化の推進等業界体制の整備を図る。

2)ものづくりとITの融合の支援

○ものづくりとITの融合に向けた研究開発
 国は、中小企業熟練技能者が有する技能の客観化・マニュアル化、デジタル化や加工ノウハウのデータベース化及びCAD/CAM等を総合的に運用するための共通基盤の開発・普及を推進する。

○中小企業向けCAD/CAM研修
 公設試験研究機関は中小企業等を対象としたCAD/CAM等の活用のための研修等を実施することにより、ものづくりとITとの融合を推進する。

 (2) IT推進のための情報提供

 中小企業のIT化を推進するため、「e-中小企業庁&ネットワーク事業」、「J-Net21」を通じた施策情報の提供、「テクノナレッジネットワーク」による技術情報の提供、商工会、商工会議所、中央会等によるビジネス情報の提供を行う。

1)「e-中小企業庁&ネットワーク事業」の実施
 中小企業庁は、中小企業関連機関との連携によりホームページ及びメールマガジンの活用による施策の普及・PRを促進するとともに、電子相談等による一層の対話を進め中小企業の施策利用の利便化・円滑化を図る。

2)「J-Net21」によるワンストップ支援体制の充実
 中小企業総合事業団は、中小企業に関する情報の総合的な管理・検索を可能とする中小企業専門のポータルサイト(J-Net21)を運営し、中小企業支援担当者及び中小企業者が必要な情報を容易かつ迅速に入手できるワンストップサービスとしての情報提供支援の充実を図る。

3)「テクノナレッジネットワーク」による技術情報提供
 独立行政法人産業技術総合研究所は公設試と協力してネットワーク(テクノナレッジネットワーク)を構築し、技術相談事例等の技術情報を総合的にデータベース化し、インターネットを通じて提供することにより、中小企業に対する的確かつ効率的な技術支援を行う。
http://www.techno-qanda.net

4)商工会、商工会議所、中央会等による情報提供

○企業情報や地域情報の発信
 商工会、商工会議所、都道府県商工会連合会は、インターネット上のホームページを作成して企業情報や地域情報を発信するとともに、中央会は同様にインターネット上のホームページにより組合等の連携組織を通じた業界情報及び組合員等の企業情報を発信することにより、地域の中小・小規模事業者の事業機会の増大を図る。

○タイムリーな施策情報提供やマーケットプレイスの提供等

  • 商工会議所は、中小・小規模事業者が企業経営に必要となる各種情報を専門に提供するサイト(http://www.kaigisho.ne.jp)の運営・周知を図るとともに、一斉同報システムを活用して、会員企業155万社を対象にタイムリーな情報提供を行う体制を整備する。併せて、中小・小規模事業者が参加利用できる電子商取引サービスを設け、事業者の事業機会の増大を図る。また、中小企業が作成したホームページを地域毎にデータベース化し、本データベースを総合的に検索できるシステムを運営する。
    http://www.cin.or.jp「商工会議所データベース検索」)
  • 全国商工会連合会は、全国105万の商工会会員データベースを構築し、小規模事業者への指導業務に役立てるとともに、企業間取引等新しい分野への活用を図る。また、「商工会ネットワーク取引所」、「仮想工業団地」等の電子商取引を行うサービスによる中小企業のビジネス機会の拡大や、施策情報をはじめ中小企業に役立つ各種情報提供サービスを設け、事業者の情報化推進を図る。
    http://www.shokokai.or.jp「電子商取引等の企業・地域情報ポータルサイト」)
  • 全国中小企業団体中央会は、電子メール等による中央会−組合等連携組織−組合員企業の情報連携体制を整備し、業種・業態に即した経営情報を迅速に提供していく。また、中小企業が組合等連携組織のホームページによる新たな商取引の機会創出の支援を行うほか、全国の組合等連携組織のホームページを総合的に検索する「日本全国組合ホームページ検索」システムのデータベースの充実を図る。
    http://www2.chuokai.or.jp/kumiaidb/index.asp

 (3) 中小企業が電子商取引を促進するための機能の整備

 中小企業の電子商取引を促進するため、電子認証システムの整備、セキュリティーの確保と消費者の保護等に努める。

1)電子認証システムの整備・啓発・普及


○商工会議所は、既に行っている電子証明書発行サービスの改善・発展を図り、中小企業者が安心して電子入札や電子申請が行えるサービスを提供するとともに、中小企業者に対して電子認証制度の普及・啓発を図る。

○中央会は、現在実施している電子証明書発行サービスの充実を図り、中小企業者がオープンなネットワーク上で安心して電子商取引等が行える環境の整備に努めるとともに、中小企業者等に対して電子認証制度の普及・啓発を図る。
 

2)セキュリティーの確保と消費者の保護


○セキュリティー対策の普及
 商工会、中央会等は、情報セキュリティー確保の方法について、研修・セミナー等を通じて普及する。

○「オンラインマーク制度」の普及
 商工会議所は、一般に消費者に広く認知されにくい中小企業が、オープンなネットワーク上で消費者に安心して受け入れられることを目的として、バーチャルショップが実在する事業者によって運営されていること、訪問販売法の定めるルールに基づいて運営されていること等を証明する「オンラインマーク制度」の更なる普及に取り組む。(http://mark.cin.or.jp

3)政府調達の電子化と対応の円滑化
 各府省がホームページで提供する調達情報への簡易なアクセスの実現を図るとともに、インターネット技術を活用した電子入札・開札を実施するなど政府調達手続きを電子化することにより、企業の負担軽減を図る。また、調達の電子化に伴い、中小企業者の適切な対応について、研修・セミナー等を通じて普及する。

4)売掛債権等の流動化に向けたインターネットの活用
 国は、新たな資金調達手段として有力な売掛債権等の流動化を促進するため、債権譲渡登記のオンライン申請を可能とするとともに、債権譲渡登記に関する情報をインターネット経由で迅速に入手できるようにするための取組を進めてきている。このような手段を活用した新たな資金調達手段として有力な売掛債権の流動化を、中小企業においても促進するため、中小企業が保有する売掛債権を担保として金融機関からの融資を受ける場合、信用保証協会が保証を行う制度を平成13年12月に創設し、これまで3回にわたり手続きの簡素化等制度の拡充を行ってきている。

5)インターネットによる中小株式会社の計算書類開示を支援
 商法の改正により、従来の官報又は日刊紙による公告に加え、インターネット上での貸借対照表の公開が可能になったことから、これの普及を進めるとともにホームページを有しない中小株式会社がインターネット上で計算書類を開示するための場を中央会において整備・充実する。

6)中小企業の電子商取引を促進するための制度の検討
 国や商工会、商工会議所、中央会等の支援機関は、中小企業の電子商取引を円滑に導入・普及していくために必要な標準化、与信、決済、苦情処理、保険等の在り方について検討する。
 また、国は、情報処理振興事業協会を通じ、中小企業の信用リスクを定量的に評価するためのデータベースシステムを開発及び事業化するための実証試験等を行う。

3.中小企業のIT化のための連携促進

 

  (1) ネットワーク組織化の推進

 国及び全国中小企業団体中央会等は、現在の中小企業組合法制(商工組合、事業協同組合、企業組合、協業組合等)の一層の活用を図るとともに、よりIT化対応に相応しい制度や組織法制の在り方について検討する。

 

 

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