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相談事例その11:下請代金の決定方法について

相談内容

 当社は、資本金3千万円のエンジン部品の製造会社です。当社は、自動車部品メーカーA社(資本金30億円)からエンジン部品の規格を指定され製造委託を受けていますが、原材料価格や電気料金が高騰して経営が苦しいことを理由に、部品単価の値上げを要請しました。しかし、結局、A社とは従来の部品単価のままで取引を継続することになりました。A社の対応に問題はないのでしょうか。

問題点と対応

 御社とA社との取引は、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請代金法」という。)の資本金基準を満たしており(御社は下請事業者、A社は親事業者)、また、「製造委託」に該当することから、下請代金法が適用されることになります。
 下請代金法では、親事業者が下請取引を行う場合に11項目の禁止事項を定めていますが、「類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること(買いたたき)」は禁止事項の一つとして規定されています。
 A社の行為が「買いたたき」に該当するか否かは、下請代金の額の決定に当たり、下請事業者と十分な協議が行われたかどうかなど対価の決定方法などを総合的に判断することになります。
 例えば、御社の部品単価の値上げの要請に対して、A社が十分な協議に応じることなく、一方的に従来どおりの単価に据え置いた場合は、「買いたたき」として下請代金法に違反するおそれがあります。
 御社としては、A社に対してエンジン部品の製造に係る原材料価格等の高騰を転嫁できなかった場合、今後の生産活動に支障を来すなど、部品単価の値上げの必要性を訴え、A社と十分な意思疎通を図ることが大切です。
 なお、中小企業庁では、親事業者による下請事業者に対する買いたたき等の下請代金法違反行為などについてのご相談を受け付けるとともに、中小企業庁のホームページに申告情報受付窓口を設置しています。

参考

1.下請代金法の下請取引に該当する資本金基準は以下のとおりです。
(1) 物品の製造・修理委託及び情報成果物作成(プログラム)・役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管、情報処理)

 
  • 資本金3億円超の法人(親事業者)が資本金3億円以下の法人又は個人(下請事業者)に委託する場合
  • 資本金1千万円超3億円以下の法人(親事業者)が資本金1千万円以下の法人又は個人(下請事業者)に委託する場合
親事業者 下請事業者
資本金3億円超 資本金3億円以下(個人を含む。)
 
資本金1千万円超3億円以下 資本金1千万円以下(個人を含む。)
 
(2) 情報成果物作成委託及び役務提供委託
 
上記(1)の情報成果物作成(プログラム)・役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管、情報処理)以外の情報成果物作成委託及び役務提供委託については以下のとおりです。

  • 資本金5千万円超の法人(親事業者)が資本金5千万円以下の法人又は個人(下請事業者)に委託する場合
  • 資本金1千万円超5千万円以下の法人(親事業者)が資本金1千万円以下の法人又は個人(下請事業者)に委託する場合
親事業者 下請事業者
資本金5千万円超 資本金5千万円以下(個人を含む。)
 
資本金1千万円超5千万円以下 資本金1千万円以下(個人を含む。)
 
2.買いたたきに該当するか否かは、次のような要素を勘案して総合的に判断されます。
(1)下請代金の額の決定に当たり、下請事業者と十分な協議が行われたかどうかなど対価の決定方法 
(2)差別的であるかどうかなど対価の決定内容
(3)「通常支払われる対価」と当該給付に支払われる対価との乖離状況
(4)当該給付に必要な原材料等の価格動向

お問い合わせ先

 中小企業庁取引課、各経済産業局・沖縄総合事務局にお問い合わせください。
  申告情報受付窓口:https://www.shinkoku.go.jp/shinkoku/

    

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