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相談事例その2:リース契約の中途解約について

相談内容

1.A社営業マンから、節電器を設置すれば電気使用量が40%弱節約できると資料を用いて説明を受けました。電気料の軽減が大きな課題である当店としては、説明どおりの効果に不安もありましたが、効果が得られない場合には半額の支払いでよいとの条件(口頭)も出されたのでリース契約を行いました。
2.一定期間使用しましたが効果が得られないので、A社に対し現場にきて点検・確認等何らかの対処をして欲しいと再三要請をしましたが、担当者が退職した等言い逃れと思われる発言の繰り返しで誠意がありません。解約したいがどうしたらよいでしょうか。

問題点と対応

1.リース等の契約に関しては、セールストークに乗ってしまった、忙しくて十分説明を聞かなかった、あるいは相手方の提示した契約書はあとで見ることにしてとりあえず押印した。
また、リースなのかクレジットなのか十分確認せずに契約してしまった等、トラブル発生のもとになります。
2.事業者間の契約は当事者間での解決が原則となりますから、慎重な対応を心掛け、後になってリース料等の負担のみが残ってしまったなどとならないよう注意したいものです。
3.相談者は、説明をよく聞いたうえ、省エネルギー効果に疑問を持ちながらも、節電効果が出なかった場合には、代金を半額にするという発言から決断し契約していますが、説明どおりの節電の効果が得られない場合には、A社が具体的にどのような責任を負うのかについて、明確な特約条件を書面で提示させる必要があったものと思います。
以下、参照文献により本件に類似する判例等を紹介し、弁護士等の活用も勧めました。
(注)リース契約における瑕疵担保責任
 一般的にリース契約においては、ユーザー(借り主)が注意すべき事項としては、特約がない限りリース会社の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)を主張できないことが特徴です。
  ただし、契約当事者間において必要と判断する特別条件を付して契約することは自由です。また、ユーザーとしては、リース会社からサプライヤー(直接売主)に対して、瑕疵担保責任を追及できる権利の譲渡を受けることも可能です。
 リース契約では、リース会社は物件の性能、品質等の欠陥(瑕疵)については、何等の責任を負わないこととなっています。

(参考判例)リース物件に欠陥があった場合のリース料の支払義務

紛争のあらまし

 T社はM社から節電器を導入することにし、A信販会社とリース契約を結び、T社の代表者であるBはリース料の支払債務について連帯保証しました。T社は、リース契約書と物件借受書は節電器の性能を確認してから、リース会社に受け渡すことを約束して、借受日を空欄にしたままM社に交付していました。
 その後、M社から納入された節電器は約束の性能を有していなかったので、T社はリース料を支払していませんでした。ところが、M社は、前記約束に反して、節電器の性能を確認できていないうちに無断で契約書と物件借受証をA信販に交付してしまい、A信販は連帯保証人のBに未払リース料を請求し訴訟を起こしました。
 Bは、節電器に約束の性能がなく欠陥(瑕疵)があるからリース料の支払い義務はないとして争いましたが、A信販は、リース契約には瑕疵担保責任免責特約があるとして支払を求めました。

裁判所の判断

 本件における借受書の交付の経過、販売会社とリース会社の提携関係などに照らし、リース物件に重大な瑕疵がある場合は、その瑕疵が修補されるまでリース料の支払いを拒み得るとしました。
 (盛岡地裁遠野支部昭六二(ワ)第五九号、リース料請求事件、昭63・5・18判決、請求棄却・確定)

解説(概要)

 リース契約も、リース業者が特定の販売業者と提携し、その販売業者がリース契約の斡旋をしたり販売業者の販売員がリース業者の代理人に見えたり、販売業者の都合で、リース契約を勧めたりクレジット契約を勧めたりし、ユーザーにとって両者の区別がわかりにくいことがあります。
 そうした場合、クレジットの場合には、物品の欠陥等を理由に立替払金の返済を拒否できるのに、リースの場合はリース料の支払いが拒否できないというのは不合理である。そこで、リース契約の裁判例では、次のような事情があるときは、当事者間の公平の観点や信義則(しんぎそく)から、リース業者の瑕疵担保責任免責特約の主張を許さず、リース業者にも欠陥に対する責任を認め、ユーザーに欠陥(瑕疵)を理由とするリース料の支払拒否やリース契約の解除ができるとするものが現れてきました。
 すなわち、リース業者と販売業者との間に緊密な業務提携関係があり、実質的、経済的な一体性があるとき、あるいは、リース業者と販売業者との間に提携関係があり、また瑕疵が重大で修補等がなされなければ契約の目的が達成できない場合は、ユーザーは瑕疵を理由にリース料の支払を拒絶したり、リース契約を解除したりすることができるとされています。

 

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