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相談事例その1:事業者間の取引に関しては、クーリングオフは適用されません

相談内容

事業者が契約を締結する前に留意すべきことは何か。

問題点と対応

 一般消費者の場合は「消費者基本法」によって、利益擁護のための基本となる事項が定められています。さらに「消費者契約法」又は「特定商取引に関する法律」で一般消費者にはクーリングオフ【契約書面を受け取った日を含め8日以内(内職・モニター商法、マルチ商法は20日以内)に契約を解約したい場合は書面で通知すると契約を解約できる】が適用されますが、事業者に係る取引の場合は適用除外となっています。(下記の「クーリングオフと取消権について」の説明参照) 
 このことからも事業者は、あくまでも自己の責任のもとに契約を締結することが前提とされており、そのためリース、売買などの契約を締結するときは、相手の話を一方的に信用するのではなく、話の内容を冷静に検討し、契約を解除する事項を含め契約内容をよく理解、納得するとともに、自己責任で締結するという意識を持つことが必要です。
 また、不審に思ったときは、契約を締結する前に関係機関等に相談・問い合わせをすることも大事なことではないかと思われます。

 具体的には次のような対応方法が考えられます。
  • 疑問に思ったら
     相手を信用させるために、たとえば、最初の電話で大手某会社の代理店を名乗ることなどのだましのテクニックはよく使われます。疑問に思ったら、会社の信用調査を行うか、大手某会社に直接問い合わせして確信が持てるまで調べることです。
  • うまい話には落とし穴が
     コストダウンに取り組んでいる中小企業にとっては、経費が安くなるという話は、すぐにでも飛びつきたくなる話です。しかし、その話が事実であれば、一般論としてかなり普及しているはずです。相手の話を鵜呑みにするだけではなく、事実関係を客観的に確認する冷静な判断や行動も必要です。
  • 説明内容は文書に
     相手の口頭説明だけを信じて契約することは、その後トラブルが生じた場合、言った言わないの水掛け論になってしまいます。双方が確認する意味もありますので説明内容はできるだけ文書にして残すことが、その後のトラブルの解決にもつながります。
  • 事業者間の契約のトラブルは、当事者間で解決
     事業者間の契約についてトラブルが発生した場合は、原則として、当事者間で解決することとなります。したがって、経営者は契約する前の慎重な検討も必要ですが、契約の法的な効力や義務などの知識を事前に習得しておくことも必要です。

(参考)クーリングオフと取消権について

クーリングオフとは、契約を締結するに際し、特定の取引にのみ一定期間申込みの撤回、あるいは契約の解除を認める制度をいいます。
取消権とは、いったん成立した契約であっても、意思表示に欠陥がある時は、さかのぼって効力を失わせることができる権利をいいます。

1.クーリングオフ

 契約は申込みと承諾により成立します。いったん契約が成立すると、一方の都合だけでは契約の効力を否定することはできません。(契約の拘束力)
 しかし、「特定商取引に関する法律」における規制対象となっている販売方法は、 A.訪問販売・電話勧誘販売、B.連鎖販売・業務提供誘引販売、C.特定継続的役務などの場合、突然にセールスマンの訪問を受け、あるいは電話がかかってきてセールストークに惑わされ、つい契約してしまう(Aタイプ)、または、もうけ話につられて契約してしまう(Bタイプ)、もしくは将来の効果が不確定なのにもかかわらず契約してしまう(Cタイプ)ということが往々にして起こりがちで、後日紛争が起こるため、法律は一定期間内なら無条件に申込の撤回または契約の解除を特別に認めています。
 これらの販売方法では、契約内容を明らかにする書面の交付が義務づけられています。クーリングオフはこれらの書面を受取った日から(当日を含む)A・Cタイプは8日間、Bタイプでは20日間以内に行使できます。クーリングオフは相手方に書面で解除または撤回を通知しますが、後日通知が届いた、届いてないの紛争を招かないよう、書留または簡易書留で行うことが望ましいでしょう。クーリングオフの場合は、既に商品が使用され、役務が提供されていた場合には、それによって得られた利益や違約金を支払う必要はありません。

2.取消権

(1)一般(民法上)の取消権(消費者と事業者の関係に限られません)
詐欺や脅迫があって契約した場合、申込や承諾の意思表示に瑕疵(かし)があるので当該契約者は取消ができます。また、未成年者が法定代理人(親権者及び後見人等)の同意なしに契約した場合も取消ができます。
(2)消費者契約法上の取消権(消費者と事業者との関係に限ります)
平成13年4月から消費者契約法が施行され、契約を勧誘される過程で事業者に次のようなことがあり、消費者が誤認又は困惑して契約した場合、消費者は事業者との間の契約を取消すことができるようになりました。
ア)契約するか否かを判断する重要な事項について不実を告知した場合、または消費者にとって利益となる事項のみを告げ、不利益な事項を故意に告げない場合。不確実な事項を必ず値上がりしますといったように、断定的な判断を告知した場合。
イ)退去してほしいと言っても退去せずに居座り、または退去したいと申し出たのに、帰さずに勧誘を続けた場合。
 取消しできる期間は、消費者が追認をすることができる時から6ヶ月(ア)については消費者が誤認したと気づいたときから、イ)については退去時から)、または契約締結時から5年間です。

取消しできる期間は、消費者が追認をすることができる時から6ヶ月(ア)については消費者が誤認したと気づいたときから、イ)については退去時から)、または契約締結時から5年間です。

相談例

サービス業の事業主です。インターネットにより通信機器の契約をしましたが、クーリングオフができますか。

 消費者契約法及び特定商取引法については、消費者である個人を保護するものであり、個人事業主の場合には前記法律の適用はありません。
 なお、インターネットによる購入は通信販売にあたり、特定商取引法では通信販売業者が申込みの撤回や契約の解除ができないことについての特約を事前に表示していた場合には、クーリングオフ制度は適用されないことになっています。

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 日本弁護士連合会及び全国52の弁護士会が提供する、電話で弁護士との面談予約ができるサービスです。利用方法等は以下のとおりです。

〔電話番号〕
 0570-001-240
 ※通話料がかかります。
 ※PHS及び一部のIP電話からはつながりません。
〔利用手順〕
 (1)上記の電話番号に電話すると、最寄りの弁護士会の専用窓口につながります。
 (2)名前、連絡先等の基本情報を伝えてください。
 (3)後ほど、弁護士から連絡がありますので面談の予約をします。
 (4)弁護士の事務所等で相談していただきます。
〔相談料金〕
 一部の都道府県を除き、初回面談30分まで無料です。

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