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FAQ「下請代金の支払手段について」

Q1:「下請代金の支払手段について」を制定・発出した趣旨を教えてください。

政府では、平成27年12月に下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議を立ち上げ、中小・小規模事業者が賃上げを行いやすい環境を作る観点から、産業界への大規模調査、下請等中小企業ヒアリング、大企業の調達責任者へのヒアリング等を通じて下請等中小企業の取引実態を把握し、取引条件改善に必要な検討を行ってきました。その中で、今般、手形等(手形と併せて、一括決済方式および電子記録債権を含む。以下同じ。)による下請代金の支払問題について重要課題の一つに上げられたものであり、このことは、平成28年8月2日に閣議決定された経済対策でも言及されているところです。
手形の支払サイトについては、昭和41年の通達「下請代金の支払手形のサイト短縮について」の発出から50年が経過し、手形取引の交換高、枚数ともに大幅に減少していますが、なお多くの企業が手形等による下請代金の支払を行うとともに、そのサイトは十分に短縮されていないのが現状です。 原材料等の調達や一部の加工委託などを現金払いで行う一方、製品化・納入後に親事業者からは支払サイトの長い手形を振り出されることとなると、下請等中小企業者がその資金繰りに苦慮することとなります。
また、下請事業者が手形等を現金化する際の割引料等のコストについては、ほとんどの場合、下請事業者の負担となっており、結果として、下請事業者は、手形等により下請代金の支払を受けた場合に、これを現金化すると額面どおりの現金を受領できない状況にあります。
これらの点を踏まえ、政府としては、下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請代金法」という。)および下請中小企業振興法(以下、「下請振興法」という。)の趣旨に鑑み、下請代金の支払に係る考え方を改めて整理し、下請取引の適正化に努めるよう要請したものです。

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Q2:「下請代金の支払は、できる限り現金によるものとすること。」の趣旨を教えてください。

下請代金法の考え方として、従来、下請事業者に支払われるべき下請代金は、金銭(現金)によることが原則とされています。
また、下請振興法に基づく振興基準においても「下請代金はできる限り現金で支払うもの」とされています。
以上のことから、下請代金の支払は、現金によることが基本であるにもかかわらず、なお多くの企業が手形等によっている状況に鑑み、今般の通達において、下請代金の支払は現金払を基本とすることをあらためて明確にすることにより、現金払を慫慂したものです。

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Q3:「手形等により下請代金を支払う場合には、その現金化にかかる割引料等のコストについて、下請事業者の負担とすることのないよう、これを勘案した下請代金の額を親事業者と下請事業者で十分協議して決定すること。」の趣旨を教えてください。

今般の通達においては、できる限り現金払いとすることを要請しているものです。
現在、手形等を現金化する際の割引料等のコストについては、ほとんどの場合、下請事業者の負担となっており、結果として、下請事業者は、手形等により下請代金の支払を受けた場合に、これを現金化すると、下請代金の額の額面どおりの現金を受領できない状況にあります。
そのため、現金払いの原則(Q2参照)並びに下請振興法および下請代金法の趣旨を踏まえ、今般の通達において、手形等を現金化する際の割引料等のコストについて、下請事業者の負担にならないように、これを勘案した下請代金の額を親事業者と下請事業者で十分協議して決定することを要請しているものです。
なお、この要請は、下請振興法に基づく振興基準を改正し、同基準にも同趣旨の内容を盛り込んでいます。

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Q4:「下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めること。」の趣旨を教えてください。

従来、昭和41年「下請代金の支払手形のサイト短縮について」の通達において、下請代金の支払のために振り出す手形のサイトを原則として、繊維業については90日以内、その他の業種については120日以内とするとともに、下請代金法の趣旨(割引困難な手形の交付の禁止)を踏まえ、下請代金を手形等によって支払う場合のサイトを更に短縮するよう、努力を求めてきたところです。
また、下請振興法に基づく振興基準においても、下請代金を手形等で支払う場合には、そのサイトの短期化に努め、例えば、手形期間が60日を超える場合には60日以内となるようにするなど、段階的に手形期間の短縮に努めるよう求めてきているところです。
他方、中小企業庁の調査(平成27年度「発注方式等取引条件改善調査」※)では、下請代金の支払に係る手形サイトは、依然として90日超120日以内がおよそ6割を占めるなど、十分に短縮してきているとは言い難い状況にあります。
このため、本通達により昭和41年通達の廃止を明記しつつも、「繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として」とすることにより、従来の「割引を受けることが困難であると認められる手形」の期間を緩める事なく(当然のこととして)、さらに、昭和41年通達や振興基準の趣旨、下請事業者が直面している現状等に鑑み、将来的に60日以内に短縮するよう努めることを要請するものです。
なお、下請代金の支払に係る手形サイトを将来的に60日以内に短縮するよう努めることを求めることについては、下請振興法に基づく振興基準を改正し、そのことを盛り込んでいます。
「平成27年度発注方式等取引条件改善調査事業報告書」(PDF形式:8,828KB)PDF

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Q5:今までの手形支払の運用に変更はあるのでしょうか。手形サイトが60日超の場合は、下請代金法上の割引困難手形になるのでしょうか。

今回の通達では、これまでの「割引を受けることが困難であると認められる手形」の期間を変更するという趣旨ではなく、むしろ、それは当然のこととして、さらに、昭和41年通達や振興基準の趣旨、下請事業者が直面している現状等に鑑み、将来的に60日以内に短縮するよう努力することを要請するものです。
よって、基本的には、今までの割引困難手形の解釈およびその運用に変更を加えるものではなく、したがって、手形サイトが60日超の場合に、直ちに割引困難手形として指導対象となることはありません。

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Q6:通達に「下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、…将来的には60日以内とするよう努めること。」とありますが、「60日」とする理由を教えてください。また、「将来的に」とはどの程度の期間を想定しているのか教えてください。

昭和41年の通達では、支払手形のサイトを繊維業「90日以内」、その他業種「120日以内」としながらも、「さらに経済情勢の好転に即応しつつ短縮するよう努力すること」として、90日、120日からのさらなる短縮努力を求めていたところです。 また、下請振興法に基づく現行の振興基準では、「下請代金を手形で支払う場合には、手形期間の短期化に努め、例えば、手形期間が60日を超える場合には60日以内となるようにするなど、段階的に手形期間の短縮に努めるものとする。」として、「60日以内」を短縮目標の期間として設定しているところです。
実際、中小企業の受取手形のサイト短縮の意向に係る中小企業庁の調査(平成25年度「下請代金の受取等に関する調査」※)によれば、サイトが長くなるほど短縮を望む中小企業の割合が高くなっており、「120日以内」では71.6%、「90日以内」では63.5%と半数以上の事業者が短縮を希望しているのに対して、「60日以内」では43.3%と過半になっています。
これらの事から、将来的な短縮の目安を60日以内と設定したものです。
「将来的に」の期間については、現在のところ、5〜6年程度を想定しています。
「平成25年度下請代金の受取等に関する調査事業報告書」(PDF形式:3,492KB)PDF

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Q7:通達に「とりわけ、中小企業基本法第2条に規定する中小企業者以外に該当する親事業者から率先して実施されたい。」とあるが、その趣旨を教えてください。

親事業者の中には中小企業者も含まれているため、要請を行うに当たっては、中小企業者への影響についても考慮する必要があります。例えば手形サイトの短縮に伴い、新たな資金調達が必要となり、受取手形よりも支払手形が多い場合などでは、資金繰りに影響が出る可能性があります。こうしたことから、一律機械的に取組を促すのではなく、まずは中小企業者以外の企業、いわゆる大企業から取組を促し、その取組を中小企業へも広げていくという趣旨を明確にしました。なお、平成28年9月15日に公表された「未来志向型の取引慣行に向けて」に基づき、自動車産業をはじめとする産業界に対して自主的な行動計画の策定を求めているところです。この中で、規模の大きな企業から率先し、取引条件の改善をサプライチェーン全体に広げていくことが期待されています。

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Q8.今回の通達によって支払条件を変更した場合、以下のケースは下請代金の「減額」に当たるのでしょうか。
(1) 手形払いから現金払いに変更した場合、金融機関口座へ振り込む際の振込手数料を差し引いて下請代金を支払う(下請事業者が負担をする)こと。
(2) 下請代金を一時的に現金払いにするときに、親事業者の短期調達金利相当額を差し引いて下請代金の額を支払うこと。

(1)については、発注前に、親事業者、下請事業者双方が協議をし、下請代金を下請事業者の金融機関口座へ振り込む際の振込手数料を下請事業者が負担する旨の書面等での合意があり、親事業者が金融機関に支払う実費の範囲内で当該手数料を差し引いて下請代金を支払うことについては、下請代金法の「減額」には該当しません。ただし、実費を超えた金額を差し引いた場合には、実費を超えた金額について同法違反となります。
(2)については、下請事業者との間で原則的な支払手段を手形と定めていますが、下請事業者の希望により一時的に現金で支払う場合に、親事業者の短期調達金利相当額を差し引いて下請代金を支払うことは、下請法の「減額」には該当しません。

  • 下請取引適正化推進講習会テキスト(平成28年11月)(PDF形式:2,088KB)PDF
    P.47参照
    ○下請代金の減額に当たらない場合
    (イ)発注前に、下請代金を下請事業者の金融機関口座へ振り込む際の振込手数料を下請事業者が負担する旨の書面での合意があり、親事業者が金融機関に支払う実費の範囲内で当該手数料を差し引いて下請代金を支払うこと。
    (ウ)下請事業者との間で支払手段を手形と定めているが、下請事業者の希望により一時的に現金で支払う場合に、親事業者の短期調達金利相当額を差し引いて下請代金を支払うこと。

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Q9:今までの取引では手形払いであり、この額には手形等の割引料等を加味していません。今回の通達によって手形払いから現金払いに変更した場合、以下のケースは下請代金の「買いたたき」に当たるのでしょうか。
(1) 割引料相当分を差し引いて下請代金の額を定めること。
(2) 親事業者として資金調達が必要となるので、その資金調達に必要な短期調達金利相当額を下請代金の額から差し引いて下請代金の額を定めること。

手形等の割引料等のコストは、ほとんどの場合に下請事業者が負担しており、結果として額面どおりの現金を受領できない状況にあります。そのため、今般、下請代金はできる限り現金払いとすること等を要請したものであり、(1)や(2)のような変更は、今般の通達発出を含む政府の下請取引の条件改善に向けた取組の趣旨にそぐわないものであって、政府としては、割引料等のコストについて、実質的に「下請事業者の負担とすることのないよう」、下請代金の額を決定することを要請するものです。
そのため,手形払いから現金払いに変更した場合、今までの手形と同じ額で支払えば問題はありません。
一方、手形払い時の下請代金の額から、(1)や(2)のように割引料相当分や資金調達に必要な短期調達金利相当額等を差し引いて、一方的に通常の対価より低い下請代金の額を定めた場合は、下請代金法の「買いたたき」に該当するおそれがあります。

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