「中小企業BCP策定運用指針」の公開にあたって

 我が国では毎年、地震、台風、集中豪雨等の自然災害が数多く発生し、全国の中小企業の皆様が直接間接の被害を受けておられます。中小企業は国内企業数の99%超を占め、我が国の経済基盤を支える大変重要な存在です。災害で被害を受けた中小企業の事業中断は、そのまま廃業や倒産といった事態につながりかねません。また、それが長期にわたれば、被災地の地域経済はもとより、我が国経済全体に深刻な影響を及ぼしかねません。

 このため、経済産業省中小企業庁では、災害で被害を受けた中小企業の皆様に対し、特別相談窓口の設置や災害復旧貸付の適用等、様々な復旧支援対策を迅速に講じてまいりました。これらの事後対策は、過去の災害において大きな実績を上げております。しかしながら、最も効果的な災害対策とは、中小企業の皆様お一人お一人に事前の備えをしっかりと講じていただき、万一災害に遭っても被害そのものが少なくなるようにすることです。

 そこで、経済産業省中小企業庁としては、中小企業の皆様の事前の備えを支援するため、本「中小企業BCP策定運用指針」を公開することとしました。BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)とは、自然災害や大火災等の緊急事態に備える企業の危機管理の新手法であり、欧米では広く普及しています。そのノウハウを調査研究分析し、我が国の中小企業の皆様が自らBCPを策定し運用することができるよう、わかりやすく解説したのが本指針です。

 緊急事態を生き抜くために、一人でも多くの中小企業の皆様が本指針を活用され、BCPを策定し運用されることを望みます。


平成18年2月20日
経済産業省中小企業庁
経営安定対策室

「中小企業BCP策定運用指針(第2版)」について


     1. はじめに